最近は、「書店」で本を買うことが多くなった。というのも漫画に対する姿勢を考え直した(前号「TOPICS」参照)からで、古本屋に出回るのを気長に待つより今、読みたい作品に投資(寸暇)を惜しむべきではないと結論づけたからである。...実のところは、最近古本屋を回ってみても戦果が乏しく(又は、とても手が出せず)、じゃあ(ちょいと)新作でも(さらっと)漁ってみようかな、と思ってみただけの話であるが。何故こんなに歯切れが悪いのかというと、一応そこそこ買ってみたものの..どうもその、「すっげー面白い!続き買わなくちゃ!!」と思える作品に当たらないので..。「こんなもん?(なら、古本を待ってもいいか..)」という現状なのである。人気作品に絞ったつもりなんだけどナ?とまあ毒は吐かずに。
相変わらずの長い前置き。本論はここから。
ともあれ「熱き漫画を作る男たちのドラマ」、「編集王」に啓蒙されて新作に目が行っている訳だがしかし。個人的に今一番イケているのは、由緒ある「読み捨て」の代名詞、四コマ漫画なのである。昨年新たに開拓したこのジャンル、あれから一年、今では店に入るものは勿論の事、無いものは「書店」で立ち読み、又買ってでも読んでいる熱の入れよう。芳文社、竹書房などの著名な四コマ誌は完全網羅のハマリぶり(全四コマ誌の9割は読んでいることになる!)。これだけ読んでいると当然「お気に」の作品は単行本を求める訳で、こちらも「書店」で買い揃えたりもしている(但し「続きを待ちわびる」ジャンルではそもそもないのはご承知の通り)。
どこが面白いのかについてはすでに述べているが、改めて言うと四コマ漫画はやはり「一服の清涼剤」として特化された一ジャンルであり、失礼ながらたまに雑誌を買っての「流し読み」、また就寝前の単行本の「拾い読み」がふさわしく、最も適している。但しこれは従来通りのスタンダードな四コマ作品に限る。ストーリー性の強い今風の作品は通読が良いことを付け加えておく。という訳で今回は作品の特徴通りにダラダラと紹介していく(過去紹介したものについては省略しています)。
好みのテーマは、もはや惰性?の「夫婦もの」になる。甘〜い(で、大意は通じるよね?)、ともびきちなつ「好きだョンたーくん」、おーはしるい「夫婦な生活」(ショート作品)、めで鯛「素顔のままで」、森村あおいも「そんな若菜の物語」という夫婦ものを描いている(補:作者は相当なベテランのはず(未確認))。常道ウッカリ主婦ものでは森下裕美「ここだけのふたり!」を筆頭に、野中のばら「奥様うでまくりっ!」、新田朋子「おきらくママ」。変わり種だと主夫とキャリアウーマンの夫婦を描く藤臣柊子「逆転夫婦」。育児ものは胡桃ちの「大阪愛のたたき売り(育児編)」、子供が主人公の作品もついでに、あっきう「どり〜んあっちゃん」、松田あきひろ「ちゆきmy way!」、南ひろこ「晴れの日ユキちゃん」、高田三加「天然りんごちゃん」がいずれも作者独自の特徴的なテンポ(オチ)で面白い。続いて学生(恋愛?)ものでは小笠原朋子「とってもビーンズ」、名作みつはしちかこ「小さな恋の物語」、主人公のマヌケぶりがとんでもないレベルの秋吉久美子「はるなちゃん参上!」。最近のブームがOLもの、恋愛系では四コマの代表的な絵柄、窪田まり子「恋するさよちゃん(さよちゃんシリーズ)」、こだま学「ナオミだもん」がそれぞれ長期連載で読み応えあり。そろそろ作者がかぶってきます、ギャグ系では野中のばら「ガテンのカコちゃん」、モーニング誌の巻末当時から注目(蛇足)高田三加「中島OL営業中!」、ギャンブルものを描いていた頃は西原理恵子の2番煎じと軽視してました(蛇足&失礼)岡田がる「OL狂騒曲」がそれぞれ作者の中ではイチオシ。エッチ系では唯一桜木さゆみ「桜木さゆみのなぐさめてあげるッ。」は通読してマス。胡桃ちのはエッチ系をさおしか然名義で描いているがあまりピンとこず、イチオシはいかにもな好感キャラクター勢揃いの「ミッドナイト☆レストラン7to7」。そして特に推したいのはこうの史代「ぴっぴら帳」。ショート作品の「こっこさん」と共にちょっと懐かしめの時代設定で、繊細な画風は実に好み。
とりあえずとして20人ほど、挙げてみた。選考基準は「紹介した作品以外の全作品を読んでいる(注)」ことになる。いかに面白いか、これで納得して頂けるかと思う。とはいえこれら「読み捨て」が似合う作品をここまで熟読するのは..確かに長編、凝った作品を読む暇が無いという現状の(私の)ニーズにぴったりではあるが、漫画ファンとして依存傾向(末期)にあるのではないか?...深く考えないことにする。
(注)四コマ誌での全作品ということ。例えば野中のばらは最近青年誌でも連載、こうの史代も女性誌で描いているが未読。
(付記)今回の作品紹介では、掲載誌、単行本の有無を挙げるのを意図的に省略しました。掲載誌が複数であったり、単行本で通読する必要性が特にない云々..。以下に掲載誌を羅列しておくので、本文の趣旨通り「暇で仕方がない」「寝る前のネタ本が欲しい」などの時にフラリとお求め下さいませ(単行本についても同様)。
芳文社
まんがホーム/まんがタイム/まんがタイムスペシャル/まんがタイムファミリー/まんがタイムジャンボ/まんがタイムオリジナル/まんがタイムラブリー/(まんがタイムナチュラル)/(各氏特集号)
竹書房
まんがくらぶ/まんがライフ/まんがライフオリジナル/(まんがくらぶオリジナル)
双葉社
まんがタウン(旧「クレヨンしんちゃん特集号」)
ぶんか社
みこすり半劇場/(みこすり半劇場別館(旧「みこすり半劇場新人ちゃん」))