中耳炎エーンエーン日記 第7回

(初出:第62号 02.5.20)

水蒸気のおかげで普段ノドがカラカラなのが一時的だがなおってきた。この機械はイイ。問題は振動ロボことジジイ先生だ。治療らしい事はほとんどせず、振動する手で患者達を困らせ怖がらせる。言葉は何を言っているのかわからない。たぶん皆が心の中で(早くリタイアして..)と思っていると思う。急に機械が止まり、水蒸気終了。鼻からみょうが型ガラス管をはずすオレ。後ろからババア看護婦がティッシュを箱ごと差し出す。とりあえずうけとったオレ。だが何をしろというのだ。なんとなく一枚取り鼻などをふくフリをする。別に鼻水などたれていない。ババア看護婦に促され若先生の前へ。「このままもうちょっと様子見ましょうか」と疑問系で聞かれる。「ハイ」と一言オレ。「じゃあ薬3日分。前と同じヤツね」と若先生看護婦にカルテをわたしながら言う。オレ外の待合室で座らされる。今日は誰もいない。次回の予約をして隣の薬局へ。ここも誰もいない。待つ間もなく薬をうけとり帰る。しっかりラムネは数個もらって帰る。地下鉄。
中耳炎になってもラジオだけは休まなかった。別に体に支障をきたす事は何もなかったからだ。一応皆に事情説明するが素っ気ない反応。本当にヤバかったらラジオにも来れない。しかし来てるって事はまあまあ大丈夫という事なんじゃないの?という感じの反応が多数。ラジオ相変わらず誰も聞いてないんだし番組放送中に中耳炎の事を言っても特に反応なし。痛みはない。音がまったく聞こえないだけ。
普段の生活に変わりはないかに思えたが、やはり支障がある。音が聞こえないので後ろから来る車、バイク、などに気付かない事が何度もあった。ジジババなどの気持ちがわかる。
3日後又病院へ。受け付けの女性今日は看護婦。オレの前に先客。若い女性。18、9才ぐらいの専門学校生風。香水は程良い感じで初々しい感じ。直観的に親の教育が良い、いい娘だとわかる。対面に座るオレ。後ろのポスターを見るふりをしてチラと女性を見る。普段ナンパなどしないが、(こういう所で声をかけたらこの娘何と言ってオレを断るのだろうか)としばし考える。娘呼ばれ診察室へ。オレ引き続き妄想を続ける。確実に断られるだろうが、何となく確信出来るのが、娘は絶対受け付けの看護婦を見て助けを求めるだろうという事。バカな事を考え中オレ呼ばれる。あわれ娘ジジイ先生に鼻穴を広げられ器具を差されている。手は恐さでヒザの上をギュッとつかんでいた。



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