ジジィ先生アゴで看護婦を呼び、何かを耳うち。その看護婦もババア。推定65歳。オレババア看護婦につれられて診察室の外へ。通路を歩き他のヘヤへ行く。中学校の放送室みたいなヘヤ。防音室の中へ入ると何やら機械とヘッドホン数個。手で促されヘッドホンを装着。片方にしか耳あてがついてないヘッドホン。もう片方の耳部分にはゴムの栓らしき物体。栓の方は痛い左耳のやや後ろ下にセットされる。スイッチボタンを握らされ、軽く説明をされる。ヘッドホンの為説明やや聞きとれず。しかしこういう事は何となくわかるものだ。音が聞こえたらボタンを押すのだと思い意識を集中する。高音、ノイズ音、中音、ノイズ音、低音ノイズ音、ボタンを押しまくる。ババア看護婦バカなのか、(もうここで聞こえてないの?)という微かな所でなぜかオレをチラリと見る。オレは初めそれが合図だと思いボタンを押していたが、違う事に気ずく。それからはちゃんとボタンを押した。両方がそれぞれ赤と青になってる色エンピツで線グラフを書く看護婦。ヘッドホンをはずしてからオレに解説する。なるほど左耳ほとんど聞こえていない。しかし右耳も普通の人より聞こえてないとの事。ヘヤから出て診察室へ。廊下が長い。今時木造の病院も珍しいが、建物の中が学校と古びた温泉宿をたしたような作りなのも不思議な味がある。恐さと懐かしさのほどよい調和。なぜか診察室を通りぬけ外の待合室に座らされる。若い母親が受付で「紹介状もってきたんですけどぉ..」と言っている。オレ呼ばれ中へ。ジジイ先生の前に座らされる。目前の机の上をチラッと見る。置かれているカルテの名前は(門脇)となっている。ジジイ先生あいかわらず何事かボソボソとしゃべっている。先生の後ろに立っている看護婦に目で合図するオレ。看護婦、明らかに(ハッ)として急いでカルテを交換する。目の前でカルテを交換されたのにまったく気ずいてないのかジジイ先生まだ説明を続ける。ボソボソ声。オレまったくわからないものの何回もうなずく。薬を見せられ終了。待合室には若い母親と女の子。女の子行儀がいいのに感心する。オレ金をはらいすぐとなりの調剤薬局へ。もしかしたらと思っていたが、薬局には飛びはねるガキが落ち着きもなくウロウロとしていた。