「T耳鼻咽喉科」には日曜だというのに客がいた。若いが苦労する恋愛しかしていないような女性。ジジイ。小学校3年生ぐらいのメイワクなくらい元気なガキ。その父親。本気で痛がってるのはオレだけだ。カボソイ声で「初めてなんですけどお..」と言って、手続きをする。あいてる長イスに座る。ガキ、病院ということがよくわかってないのか、親の教育が悪いのか、普通の声でTVにツッコミをいれている。隣に座ってるオレ。「ウルセエー!」と心の中で叫ぶ。親、気づいてないのか気づかぬふりか、ガキを注意せず新聞に集中。ジジイ呼ばれ診察室の中へ。ガキTVにあきた様子。そしてあろうことか、長イスのバネ具合をたしかめるがごとく、ビョンビョンと座ったり立ったりをくりかえす。オレ注意する力もなく、立って事の終わるのをまつ。ビョンビョン中親をチラと見ると、新聞に集中してた。ガキビョンビョン終わり、オレもひと安心して座る。女性呼ばれて診察室へ。ガキ動いてないと死ぬのか又飛びはじめる。オレ又立つ。以後4回それのくりかえし。やっとガキ呼ばれ診察室の中へ。
オレ、やっと静かに座りひとつタメ息をする。