ドキドキ東京(木尻取)編 第92回

(初出:第99号 05.7.21)

Spero ovviamente di salire anch'io sul podio. 当然私も表彰台に立ちたい。という事でもあり今回も始まあり。
6/15急に社長が来店。何やら一人づつ面談。初めにK氏呼ばれ何やら話をしとりました。次が私。社長の前に座る。
社「来月で小岩△さんと契約切れするんだよ。んで小△井さんもどんどん規模縮小してるから..。」
私「?」
社「だから△岩井さんもなくなるっつう事で〜〜」
私「??」
社「という事なんだ」
私「???」
まったく意味ワカラズワレソットテヲミルウラノハタケニイマス賢二。という感じでしたので私聞きましたのよ。
私「申し訳ないんですが..全く意味ワカラナイんですけど..どういう事スか?」
社「来月でこの店がなくなんだよ」
私「ハァ..。」
売り上げがかなり減ってるらしい。たしかに私が働き始めた11月よりも作る数量など減っとります。しかもかなり売れ残ってるしねえ..。と考えとったんスがまさかツブとはねえ..。まあしゃあないっス。という事で最終日は7/15となりました。
いやはやしかし..。皆のやる気のウセ具合ときたらスゲーもんでしたよ。(私も含む)特にK氏はヒデーのなんのって..。という事で紹介いたします。
K氏の実家はケーキ屋さんでして店でパンもだしとるんです。そのパンは私のバイト先から買っていくんです。ほぼ毎日K氏の父が取りに来るんですが毎回時間がまちまちなんです。ある時12時近くなっても取りに来ずケーキ屋から(母親から)TELありどうなってんのか心配しとったんです。すると親父が小走りに店内へ来て一言「早く早く!!」とせかすんです。K氏が「なんで遅えの?」と聞くと一言『パチンコしてたから』
私それいらい大キライになりましてこの作業(箱に注文品をいれて、伝票、領収書など書く)まったく拒否しとったんです。この作業で発生する金のやりとりはパン屋のレジ金とは別でして電卓&注文用金が小袋に別に入れとるのです。とあるK氏が休みの日、私とオバちゃん出勤の日にオバちゃんのオドロキ声が。
オ「海さんお金知らない?」
私「何スか?」
オ「小袋のお金が全くないんだけど」
私「ウーム..。どうスっぺ?」
オ「ウーム..。どうスっぺ?」
なぜかそういう日にかぎって注文なシ。なぜかそういう日にかぎって専務(社長の奥さん)がフラリと来店。オバちゃんはコトノテンマツを話す。まあ私もオバちゃんも何となくはわかってんのさ。ヤツがパクったというのを。専務即社長にTEL。明日社長が来る事に。(いやはやしかしバカだねえ?バレないと思ってるのかしら)などと二人で話しつつその日の夕方。
やはりバカはバカなりに考えてるんですよねえ。K氏が店にTELしてくる。
K「何か今日変わった事ありました?」
私「いや、別に何も。あっそうそう何かわかんないんスけど小袋の金が無くなってんですよねえ。明日社長が来るそうですよ」
K「!?ああ..そうスか..。」
なぜかその10分後K氏休日なのに来店。開口一番『急な合コンがあって金取ったんスよ。』と言いつつ6000円を小袋にもどすK氏。
K「いや〜、明日社長来んスか?」
私「ハイ」
K「どうすっぺ〜。何て言い訳しよう..。クビかなあ?」
私「刑法第四条によると(←テキトウ。こういう時はこのようなことを言っても本当に聞こえるのよ)立派な犯罪ですなあ。」
そうおどしてる最中社長からTEL。なぜかK氏みずから電話を取る。そして言い訳に私は大爆笑した。
K「ハイ△×○店です。あっ社長。スミマセン急に友人が式をあげまして、急だったものですから..。ハイ。ハイ。ハイ、スミマセン」
K氏いわく社長からは『そういう時は一言言え』との事。結局許されちゃったよ!!バカな会社にはバカなバイトがいるのですね。
たち悪りいのがK氏はこれで味しめちゃったんだよねえ。実家とのやりとりなわけでオヤジもテキトウナントカナルベ的精神なもんでK氏は休日前は金をバリバリとりまくってましたよ。K氏が休みの日は毎回オバちゃんの悲鳴が..。K氏に罪の意識は全くなく、(次の日返せばいいじゃん)と思ってるのが恐しい。そして先日もK氏が休みの日..。
オ「海さん今日は1800円レジ金がたりないんだけど」
私「ウーム..。おつり間違いにしちゃあでかすぎる額ですね。」
オ「今日は1万円、5000円の客はいないから」
私「じゃあヤツですね」
オ「じゃあヤツだね。ちょっと電話してみるよ」
といってTELしてみると..。今年の下半期の名言No.1ですよ。いわく『今回はオレじゃねえ!』
そう、そうなんだよ。『今回は』とはいい言葉だよねえ。不変であり永遠。完璧であります。まあヤツ以外金とる人はいないのですよ。私、ためしに小袋をかくしてみたんですがね、次の日休みのK氏のウキウキ顔が段々とフキゲン顔へと変わっていくさまがなかなかに面白かったです。厨房内をウロチョロしつつ首をかしげつつブツブツと何やら言っとりました。
K「おかしいなあ?海さん小袋知らないっスか?」
私「緑色で金のチャックです」(ワザとボケる楽しみ!!)
K「..色とかじゃなくて。どこにあるかしらないスか?」
私「さあ?何で?今必要スか?」
K「必要っつうか..どこかなあって」
(どこかなあってカワイくいってもムダだよボーイ)と私はホクソエムのでした。トボトボと帰って行く彼の後ろ姿の悲しい事!!面白いもんですよ。
そんなこんなで無事7/15が過ぎました。たんたんとしたもんですね店がツブというのも。
また根無し草生活っス。なぜかあまり心配してないのが自分でも不可思議どすな。
(fin)



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