四ヶ月のプータロー生活にわかれをつげてやっと仕事をみつけました。靴修理や合鍵作りの会社なのだが、まあデパートの一階のすみの方にある、こじんまりしたスペースにある店なのだ。仕事は九時四十分に出社して店のそうじ(といってもゴミすてなどを四分ぐらいする)、十時に店(仙台駅の駅ビルのエスパル)がオープンする。ポツポツと客が来るのだが、女性が九割で男性が一割。女性の内オババ・ババアが四割、他はほとんど美人様ばかり。しかし中には足がクサイ女性(若くてキレイ)が靴修理をたのみにくる。この前の女性イタバシさんは最高だった。クサイのなんのって、ウーンクササマキシマム、マキシマムグレートなのだった。修理内容がムカツクというかなんというか、よりによってフクザツな注文なのんだ。靴の底とカカトを取り替えて(張り替えて)プラス靴の中じきをつけてネ、というものだった。一メートルはなれててもにおう靴を誰がなおせるものか!!と心の中で考えつつも新人の僕が無理矢理やらされたのだがクサイクサイ。先輩の一言が心にひびく。「これだけ足がクサイとなると、もし付き合っていたら別れる理由に立派になるな。」 男「もうお前とは付き合えないよ...」女「なんで?私のどこがいけなかったのよ!!」男「足がクサイから...」 とにかくクサカッタのだ。ちなみにこの道20年以上の社長がこの靴を僕に手渡す時に小さく「ウッ」とうなって息をとめているのをみのがさなかった。この靴のおかげで一日中ずっとイタバシ靴臭が手について取れなかった。
この仕事がきまって友人に報告した時の会話。 僕「靴修理とか合鍵の会社にきまったよ。」友人「おお、おめでとう。」 僕「靴のニオイが楽しみだよ。」友人「じゃあ白米だけのベントウをもっていってニオイだけで食事ができるね。」 僕「あっそうか!!食事が楽しみだなあ」
しかし現実はキビシかった。いや僕がなめてかかったからバチが当たったのかもしれない。世の中にはすごい人がいるものだ。あのクササはもはや芸術だ。あのニオイのおかげで僕の女性観がだんだんかわりつつある。