ドキドキ東京 第6回

(初出:第11号 98.1.8)

 今年(編注:昨年)の4月にPHSを買った。彼女との個人的ラブラブ電話として買ったのだが、もちろん友人にも電話番号を教えておいた。家の電話だと家族に聞かれてはまずい愛のささやきや、友人の股間系の話などはできないのだ。茶の間のすぐ近くに家族電話があるのでPHSを買うまでモジモジして母の顔をチラチラとみながら電話していたものである。

 しかし!!まったくといっていいほど使わなくなってしまった。なぜかというと彼女とわかれてしまったからである。月に1回、多くて2回ぐらい友人から電話がかかってくるぐらいで、プータローで毎日ヒマな僕としてはウームなのである。合宿で自動車免許を取りに行っていた時はあまりのさびしさに友人の携帯電話にかけまくっていたのだが、友人からは2回しかかかってこなかったのだ。その内1回は合宿にいったのを知らない友人からでマンドリンコンサートへのさそいの電話だった。僕は「ウーム」とうなりつつ事情をはなすとすぐに切れてしまった。2回目は別の友人なのだが僕がフラレた女性からで、僕をフッタにもかかわらずノケノケと電話してきやがったのだ。あっ、おもいだしたが姉からも電話があったんだった。姉はいつも意味のわからないことをベラベラと話して十分に話しおえるとあっちから切ってしまった。まあ彼女もさびしいのだ。11月3日の僕の誕生日には誰からも電話がなかった。この秋1番のさびしい1日だった。友人の一人は青森に出張中だし、ほかの人はたぶん僕の誕生日すらしらないのだろう。

 最近この誰からもかかってこないPHSがこわれてきた。毎日充電しているのに持ち上げただけでバッテリーの目盛りがへっていたり留守電を聞いてメッセージを消したのになぜかマークがまだ点滅したり・・・・。

 いっそのこと解約しようかと考えている。どうせかかってこないし・・・、ウーン今回のこのコーナーさびしすぎるぞ!!ウーン、まあ、すべてこのPHSが悪いのだチクショウ!!コノフニャチン野郎!!

 
 

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