ドキドキ東京 第3回

(初出:第9号 97.9.22)

 やりたいのである。何をやりたいのかというと「セックス」だ。セックス好きである(僕)。みんな心の中では思っているはずだ。それを言葉にださないだけなのだ。「あーっあ"ち"ーっやりてーなあ」などと夏の街を歩きながら一人考える。冬もそうだ。「あ"ーっさ"み"ーっ人肌こいしー、やりてえなあ」秋もそうだ。「あ"ーっ落葉だーっやりてーなあ」くどいようだがついでだから春もそうだ。「あ"ーっ新入社員ーっやりてぇなぁ」・・・つまり一年中頭の中では「やりたい」のだ。

  童貞だった高校時代の部活(水泳)の後、かなりつかれているのに頭の中では「やりてーなぁ」と思っていた。へんたいなのかもしれないがやりたいのだからしょうがない。かといってソープランドへ行く金もない。いやあるにはあるのだが、一度行くとクセになりそうで(ハマりそうで)行かない事にしている。女性にフラれてなんとなく性感マッサージに行ったことがあるが、フラれたショックの方が強すぎて、あまり気持ちよくなかったように記憶している。まぁ「口の中で出していいからね♀」とヘルス嬢に言われ、ちょっとうかれつつ(まだ口内発射は未経験だった)ドクドクッと口の中で発射したのはなかなか気持ちよかった。その後すぐヘルス嬢は(ゴゲッブッゴッ)と音をたてながら僕の子種をはきすててシャワーで流していた。その後ろ姿をみていて何か考えたねー僕は。(おいおい、あんたが口の中で出していいっていったから・・・)(うーん、わるい事をしたかな?)(えっ!!むせるほど出ちゃった!?)まぁともかくヘルスに行っても本番はできないわけでよけいに「やりたい度」が増したのだ。こんなんことなら行かなきゃよかった。いやけどなかなか悪くもなかったなあ(ドナイヤネン!!)

  フライングキッズというバンドのファーストアルバムに「あれの歌」というのがはいっている。たしか女性のコーラスで「大切にしたいって言ったじゃない!」という歌詞があったような気がするのだが、サビの部分は「春が来て、夏も来て、みんなあれについて考える」というものだ。

  ウーン、まさに真理をついているなあと今聞いてみて思った。(おわり)



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