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4コマ誌を購読しているから巻頭から巻末まで余すところなく読んでいる、はずが「何を読んでいるの!」と自責の念に駆られる。
「まんがライフオリジナル」誌(竹書房)12月号で瀬戸口みずき『めんつゆひとり飯』(竹書房)が紙媒体に出戻り。次号告知でも「新連載」と明示してあったのに、全く気付いておらず「あっ!」となる。ドラマがめでたく2期目に突入し、単行本も8巻が出るタイミングで「やっぱり4コマ誌で」という再移籍、この事自体は前回述べた身内で穴埋めの類であるから苦笑を禁じ得ない。個人的には単行本で一気読む作品が再び毎月読めることになり少々複雑(参考:第52回)。これはまだ笑い話。
いつも買うコンビニに寄らなかったのが徒労の始まりだった。休日、もう出ているはずの「主任がゆく!」誌(ぶんか社)を買おうとコンビニに立ち寄ったら残っていない(と、思った)。もう一粘りと別のコンビニに立ち寄ると、何と雑誌コーナー自体がわずかひと島で、経済ジャーナルみたいな1種類しか置いていない(から多分配本ルートに乗っていないヤツ)。立ち読み時代に重宝していた店なのに..ついに紙媒体はここまで追いやられた!と暗澹はさておき。遠回りしていつもの店まで出向くも置いていない。ここで売り切れは考えにくい(失礼)から、よっぽど売れてなくて扱い終わったかと思った(重々非礼)。家に戻り、過去分を引っ張り出す。最新号を肴にするつもりが当て外れ。読み進めていてまだ気付いていないのは「次の休みに書店で買えば良い」とばかり思っているから。隔月発行で初夏の表紙、盛夏の表紙、であれ?秋の表紙が無いぞ。季節先取りだから次の表紙は冬仕様のはず、どこへいった?探しながら次号予告を辿っていってもまだ気付かぬ。次号発売は4、6、8、となっていて、10月発売の号はどこへいったと11月に探している。三度最新(だった)号をめくり返して先月買い逃していることにようやく気付き、愕然。それでもまだ気楽に構えていたのは「本屋さんに行けばあるだろう」と思っていたから。かつて。発売日を1日間違えていて、前日に本屋に立ち寄り、置いてあった号を買ったら見事に古いので、ギリギリまで置いておくなよ!と憤った記憶もある。発売中のものなら置いてあるさと。次の休日。3軒、回ったが影も形も無い。そうか、さすがに1月過ぎても置いておくサイクルは無いか。ここまできてようやくorzとなる。
おーはしるい『あい・ターン』(ぶんか社)、佐野妙『理想のおとなりさん』(同)がクライマックス中で、ショート作ながら川泉ポメ「炎上上等シンデレラ」(同)の続きが気になっていたのに..すっ飛ばして今月売りか。幻の回になってしまった。4コマ作品はいずれ単行本で読めるから、電子版で読もうとまでの気力は起きないなあ..と、HPを開いて唖然。「18年間ありがとう!」の表紙に「何の節目か」とまるでピンときておらぬがタブに「最終号」とある..!!!
休刊号を買い逃すとは、悔やんでも悔やみきれぬ。是が非でも入手せねばならぬ。目の色を変え衝動に近い形でネット販売を開きまくるもいずれも「品切れ」「在庫なし」。紙版は手遅れか..。
「年明け(1月)から始まって奇数月発売」と、実際は8月売りまでちゃんと偶数月に買っていたのについうっかり、の天然は今に始まったことではない。しかし月刊の他誌を都度買っていて横にあったであろう「主任」誌が目に入らなかった?そこまで目が追い付かなくなった俺?と思い返すと「いやあ、見なかったけどなあ」と認めたくない。最終号ということで即売れてしまったか、ほとんど置かれなかったのではないかと思いたい。後追いになったニュースリリースはわずか1つで関連記事も無くひっそりとした幕切れだったのも売れ行きを表しているような。
次号予告では一切告知されていない不意打ちだったものの、増刊扱いから抜け出せず、隔月刊での2話掲載や、ナンバリングされない単行本など、いつ休刊となってもおかしくない外堀は埋められていたからむべなるかな。そして紙媒体の4コマ誌もまた1つ堀が埋まってしまった。
幻の回を読むべく、電子書籍デビューをこの機にしようとまでは思っているが、そうなると別に急がなくとも良い矛盾。来るべき新年の抱負にさせてもらう。
-PICK
UP-
唐沢商会の片割れがお亡くなりになられて(若い..ご冥福をお祈りいたします)、追悼の気持ちが働いて漁ってみたら今や共著は手持ちに無く。単独の唐沢なをき「電脳なをさん」(エンターブレイン)を読み返す。すると枠外の解説にて「泉昌之(泉晴紀+久住昌之)先生のシュール系の『幅広4コママンガ』です。」(編注:『』追記)とあってそうか、ワイド4コマってこう呼ばれていたかと発見。何度読み返しても新たな知見は拓かれるものだなあ。さておき。初出も付いていて有難い、1999年1月でした。元ネタはもっと古いはず、泉昌之「ズミラマ」(双葉社)はいつの作品だったか。確か単行本リストが..と、年イチで読み返す傑作Q.B.B.「古本屋台」(集英社)を開くがあれ?載っていない。「孤独のグルメ」(扶桑社)の谷口ジローの手持ちは..関川夏央とのコンビ「『坊ちゃん』の時代」(双葉社)だ。鮮明で無くなってきた記憶が恨めしい。その内にと隅に留めておいたら思い出す。そうか泉昌之「食の軍師」(日本文芸社)の方か。著者の単行本紹介だからQ.B.B.(久住卓也+久住昌之)には載っていないわな。解説付きの単行本リストによると88年刊行。「篠山紀信のパノラマ写真「シノラマ」を調子づいて悪用した作品」とあって、幅広つまりワイド4コマの作りを特筆してはいないが..現在ワイド4コマでも広範囲の光景を見せるパノラマとしての効果は活かせていてex.ユウキレイ『まほろば小町ハルヒノさん』(芳文社)、源流に一歩近づいた感じ。
-REVIEW-
いくたはな『ニセアイホンアイ』(タイム)
アイドル界のドロドロは現実の方が面白いと思っているので、本作の初回が仕組まれた擬似カップリングというミステリー仕立てだったのも「ふ〜ん」とだけ。ところが過去が明かされていく内に脇役にドンハマり。底の浅い憎まれ役と思っていたら筋の通った導師キャラじゃないですか。そして最大のキーマンがすでに亡き存在というのも展開を読めなくしている。何が目的で主人公は巻き込まれることになったのか。作品のキャッチコピーに「ドラマチック4コマ」とあるの、伊達じゃない、かも知れない。ただ一つ、注文を付けるならば主人公は男装させられている同性であるという設定をどこまで掘り下げてくれるかが気掛かり。この点をないがしろにして進行するならタイトルに込められた結論には辿り着けないと思う。所謂空想の域を出ない訳で、やっぱり現実の方が..となってしまうだろう。作者実録エッセイで結婚生活の破綻を赤裸々に綴っておられる。4コマで衝撃の問題作というの、そろそろ登場して良い潮目のはず。突き抜けて欲しい。