前回紹介の作品になりますが、犬丸りんの「なんでもツルカメ」(幻冬社文庫)は91〜92年の作品で、「モーニング」誌に載っていたようです。私は当時すでに「モーニング」誌を読んでいたはずですが、全く記憶にありません。
例えば、ここ一ヵ月で漫画雑誌は190近い銘柄が発売されており(注1)、私はそのうち約50誌を定期的に読んでいる訳です。といっても雑誌全てを読んでいるわけでは当然、無くて、なべて5〜6作品、つまり300タイトル前後の作品を現在進行形では読んでいることになる、と。こう書くと相当読んでいるように見えますが、総数は2000タイトル以上あるわけで、10分の1しか把握していない。ここのところその、紹介している身でどうかな?というのが年頭の課題であったわけなのですが、どうもうまくいかないまま半年程たっているのです。
(注1)老若男女、あらゆるジャンルの漫画誌を合わせた数。
東スポ5/21付けでなぎら健壱が「放映する責任忘れたTV局」と題して言うことには、今の若者は一方的に送られてくるテレビの中の世界をすべてうのみにしてしまう傾向があるとのこと。で、そのテレビ番組の作り手が中身に対する責任を持ってないから、歪んだ人格が育てられている、と。
これは取ってつけなんだけれども、読者は読んでもあまり益にならないと思われるものを無理に読む必要はないのではないか。つまり超自分勝手で良い、と。つまらなかったら読まなければ良いし、むしろ進んで読まなくなるべき。面白ければ読む、だけで良い、と。こうした基本的な足並を揃えることで、作品の評価なり価値なりは割合正しく反映されるのだと思うのです(ちょっと理屈っぽいね)。
犬丸りんの「なんでもツルカメ」も、掲載当時に見つけられなかったのは何とも惜しい。それは確かですがこうやって10年後には巡り会えた。読み手としては全く「損」はしていないわけです。しかしながら20も後半にきて、益々「漫画、面白いよ」と提唱している身分としてはそういう訳にもいかないのであって、全てを把握した上で良い作品には惜しみない賞賛と援助を送らなければならない。毎週どとーのごとく押し寄せるマンガ雑誌、趣味と実益を兼ねて今後も探究していく所存です。
と、いうことで多少先見の明を、と挙げるならば...今回は「マガジンZ」誌に連載中の「POPEE
THE ぱフォーマー」(作/増田龍治、絵/増田若子)をご紹介。CATV系アニメ専用チャンネル「KIDS
STATION」制作のCGアニメの漫画版です。アニメの方はすでにDVD化されていて(全3巻)、その独特のテイストとブラックな内容で高評価を得ています。..ので、この話、せめて半年前にでもできていればなあ..。たまたま友人の家でこれを観て、「何だこれ?..いや、結構好きかも..」と何となく覚えていたので、漫画が始まってすぐにチェック出来たのですが、いつの間にか結構話題になってるんだもの。とりあえず漫画版の方は単行本未刊行ですので先取りにはなったかな?漫画の方は絵柄がだいぶマイルド(注2)になっておりますが、話の内容は遜色なく不条理であります。
(注2)アニメはかなりイカモノ系。♪頭の中ウニウニ〜