親父が息子を持った年になった。そういえばと気付いた暮れのある日、「御法度」を観て司馬遼太郎の「新選組血風録」を読めば一気に8時間。太陽はとっくに沈んでいる。サラリーマンましてや父親であれば休日といえどこのような余暇の過ごし方は有りえなかったのではないかとしばし感慨。
...ともかく、小さい子供を軸にした作品を紹介しよう。ツッコミが必ず笑い泣きという独特すぎる作風のさかもとみゆき。「うるとら金ちゃん」(まんがタイムジャンボ他)は、食い意地の張った赤ん坊金ちゃんがオチの4コマだが、浪花節が随所に利いてまさに笑い泣き出来る作品。親バカでないと描けないというより、これが親なんだろうなあと感心させられる観察日記風の佐藤ゆうこ「ユーアーマイサン」(まんがタイムファミリー他)。時にトンチンカンな言動はフィクションでは描けまい。ギャグならあっきう「どり〜んあっちゃん」(まんがくらぶオリジナル)、上田あきら「わるがKIDS」(まんがタウン)以上が4コマ作品でのおすすめ。
少女漫画から。父子家庭の日々を凝り過ぎず遊び過ぎず描いたバランスの良い長編、羅川真里茂「赤ちゃんと僕」(白泉社)。かわいさだけで選ぶのは桑田乃梨子「一陽来福」(白泉社)。この辺(古典的?少女漫画)を読んだのは「姫ちゃんのリボン」以来、川村美香「だあ!だあ!だあ!」(なかよし)は次号が最終回。
男性漫画から唯一、安達哲の「バカ姉弟」(ヤングマガジン)を挙げる。
映画には「子供と動物撮ればヒット」という定説がある。アニメもその通り(「デジキャラ」「どれみ」「おじゃる丸」etc...世の中に何とロリコンの多いことか!(極論))。その多くは「かわいさ」を売り物にしているが、漫画の場合もう少しドラマ性がありそうである。今回のラインナップがそうである保証はないが..まあかわいくていんでない?