先頃の「居酒屋話」とかぶることになるが。私のほとんどの同輩は昨年、社会人となった。だから今年、無職の私でもリーマンの悲哀(笑)はすでに多少心得ている。従って私にとって唯一の対抗手段は、新学期、また新年度を迎えた学生、社会人に対し「大変だねえ・・・」を連発することなのである(もちろん、黄金週間時は沈黙していたが)。 平日に朝早く出なければならない義務と責任を負ったエラい友人たち。しかし、緊スト張レス感は勤務後にも待ち受けているという。「上司との飲み」が、それだ。都内ということもあって割と頻繁に会う(=飲む)友人が、このところよく口にするセリフ。「お前と飲むと気を使わなくて済むから、いいなあ(タメ息又はゲップ)」
飲んでも絶対に酔ってはいけないという制約を伴った酒の席とは、一体如何なるものなのか。経験はない。大変だな、とは思う。
さて、本題に入ろう。先月、ある作品の総集編が出た。山科けいすけ「C級サラリーマン講座」。ヤングジャンプ誌(集英社)での連載が終わって始まった本作は、すでに7、8年の長編となっているが、単行本は現在のところ1巻を数えるのみである。4コマという形態もあって未刊行となる話も多いと思われる。今回の総集編もすでに書店にはない。まさに読み流し、ヒマつぶしの作品と言える。傾向としては、某派遣会社のCMのようなイタい同僚、先輩後輩(上司部下)がはびこる会社の非日常が延々と描かれている。現実にも存在するであろう奇妙な性癖、悪癖を持つ人物を極端に表現し、それが笑いに結び付くのだろう。と思うのが、社会人未経験者の読み。しかし本作は一昨年に文春漫画賞を受賞している。実は案外リアルな描写が評価を受けているのかも知れない。真実は、社会人のみ知るところである・・・。
リーマン4コマとしては外せないのが、東海林さだお「サラリーマン専科」。最新巻は「平成版」と銘打って今年、文庫版で出た。時事問題が巧みに取り入れられているとはいえ、オチはやはり何となく古くさく、良き時代の漫画と言えなくもないホノボノとした作品である。やはり読者層のメインは中間管理職の方々となろう。しかしこれが面白い。若さを勘違いして、流行りを上等と思いがちな私にとって、つまりは小市民であることを再認識させてくれる作品である。最近風俗やキャバクラ通いを公言する友人をみるにつけ、すでにお父ちゃんの世界に入りつつある世代であることを感じる。もしかしたら、すでにこの作品のターゲットになっているのかも、知れない・・・。