まず、「四コマ漫画誌」で数年来、実力、人気を保っているのが「まんがくらぶ」誌(竹書房)。これを読めば、現在の「四コマ漫画作家」の主流がわかるという位、強力な布陣だ。しかも、ここでは「出世作」と呼ばれる作品が数多く出ている。
例えば、連載当時学生マンガ家だったみずしな孝之。彼の場合、「まんがくらぶ」誌の「幕張サボテンキャンパス」と、「まんがパロ野球ニュース」誌での「ササキ様に願いを」で、あっという間に人気をとった。・・・ちなみに、「パロ野球ニュース」って何だ?と思う人も多いかと思うが・・・。現在、私の所属している野球サークルでは、この雑誌のみずしな孝之が大ブレイクしている。そして「サボテンキャンパス」の方は誰も知らない(確認済)。・・・このように、最近の「専門誌」の浸透度も、特筆すべきものがあるが。今ここでは取り上げない。さて、今回すすめたいのが、「幕張サボテンキャンパス」の方。この作品、登場人物が全てそれぞれに極端に走る一面をもっていて、そこを上手く使ってネタを仕上げているから、読み手としては読むほどに愛着がわく。しかも季節毎に恒例のイベントを出してくるから、、、!本ト、彼らと一緒に学生生活を送っているような気がしてくる。しかし、ペースには多少ズレはあるが、彼らは確実に学年を上げているから、「永遠の大学生」にはならない様子。いつかは終りが、くるんだなあ。
ところで、「キャラクターの優 」でとりあげたいのが大橋ツヨシ「かいしゃいんのメロディー」。こちらはギャグ一辺倒。上司とのかけひき、同僚との悪フザケ。ちょっと古いかな?というネタが多いんだけど・・・。すいません、私には面白いです。この大橋ツヨシは「ビックコミックスペリオール」誌(小学館)でも連載があって、こちらの作品は「壁に耳あり障子にメアリー」というんだけど、同誌ではやはり、中川イサミ「関係筋」が面白さでは一番なんです。中川イサミは、「ビックコミックスピリッツ」誌でヒット作が多いんだけれども。この人の魅力はコワれた笑いの方にありそうなので、私は「スペリオール」誌、もしくは「コミックバーガー」誌(スコラ社)での作品を評価したいです。
今回最後におススメしたいのが、「モーニング」誌(講談社)連載中の榎本俊二「えの素」。セリフを省き、キャラクターの動きで笑いをとる形。が、この作品で完成されたのではないでしょうか。(文中敬称略)
(補足)
「幕張サボテンキャンパス」 | みずしな孝之 | 竹書房より単行本 | 1〜2巻(以下続刊) |
「ササキ様にねがいを」 | 同 | 同 | 1〜3巻(同) |
「かいしゃいんのメロディー」 | 大橋つよし | 同 | 1〜2巻(同) |
「壁に耳あり障子にメアリー」 | 同 | 小学館 | 単行本未刊 |
「関係筋」 | 中川イサミ | 同 | 同 |
「カサパパ」 | 中川イサミ | スコラ社より単行本全1巻 |
「ポジャリカ」 | 同 | 小学館より単行本1〜2巻(完結) |
「えの素」 | 榎本俊二 | 講談社単行本未刊 |