TOPICS 第47回

(初出:第66号 02.9.20)

ブームは終わり..
廉価本の、流通量がものすごいことになっているのはお盆時期で雑誌発売がないからというのもあるのだろう(8月の話)。しかし売れ行きは停滞気味。それも当然。というのは、すでに著名な作品は出揃っていて、今のラインナップは専ら懐古趣味に頼ったものしかないからだ(注)。長期連載「中」の作品まで出ているそのサイクルは、単行本ではもはや売れないという裏返しであって末期ともいえる。上製本(ワイド版)、文庫版と違い「久々に、読んでみたい作品を安価に提供」というのが廉価本のタテマエなのであろうが、肝心の「読んでみたい」作品でなければ需要はどうしても「読み捨て」でしかない。ブームに成りえても右肩上がりは続かない。結局は商業主義のツケ、ということになるのではないだろうか。
(注)20〜30代の少年(少女)期(つまり、70〜80年代)の作品群が現在の主流。当然、今の世代にはピンと来ない作品が多いということ。

新雑誌創刊
少年誌の高学年向け仕様(「タカハシの目」第29回記事参照)に秋田書店が参入。「チャンピオンレッド」が創刊した。がしかし、この見出しは単なる前フリでしかない。同誌連載の「プリンセスチュチュ」(伊藤郁子・佐藤順一原作/東雲水生漫画)は昨今主流のメディアミックス(コミカライズ)作品。実はこの作品のアニメ版が個人的大ヒット作。何かね、女性向きヒロイン物としても変身物としても異色(意欲?)作なんですよ(メルヘンチック美少女ドラマの決定版とのアオリ←ヤバい?)。でその漫画版ということで、漫画至上主義としては当然..としかし、これがアニメにかなわないという感想。毎回のクライマックスがバレエなので、やはり動きがある方が良く見えるのか。あるいはもっと根本的に、アニメ先行の作品はアニメが良しという原則(調査中)に当てはまっているのか。まだ始まったばかりですが毎週、かなり楽しみに観ているのは確か(全国?放送はCSのみ)。漫画の方はどうするかな?

個人的情報数篇
西村しのぶ活動期
失礼な話だね。「Kiss」誌17号に「ライン」。..つーか邦彦モテモテ。「SLIP」のスズ理論でいくとおお、モテて当り前じゃん。「FEEL YOUNG」誌10月号に「RUSH」。久々の赤ずきんちゃんが良かったな!(cf.舞子)。今回は直球気味の男性キャラが登場。最近の男性キャラは若く描かれるようです(cf.「最近の涼はジジムサイとの投書あり」サード・ガール、ex.ライン)。
久々に先駆け情報
吉田戦車の「伝染るんです。」、装丁が滅茶苦茶な方はどこに埋っているやらなんだけど、最近文庫版を読んだら巻末の竹熊健太郎の解説に10年前の新連載(つまり本作)の予告カットに仮題として「殴るぞ!」と書いてあったとあって、ああそういえば初期の4コマで「甘えんじゃねえよ」てのがあったなあ、こういうタイトル好きだよなとか思ったりして、9月30日発売の「殴るぞ」は現在スピリッツ連載中、つまり不条理ギャグの正統な継承作であると思うのです。
 



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