少年漫画雑考
今月は最近思うことを列挙するだけでオシマイ。
「少年サンデー」・・「犬夜叉」(高橋留美子)はやっぱり面白い、と総集編(サンデー1/26号増刊特別編集)を読んで改めて思いました。キャラクターの作り方がうまい。主役も敵役も、きちんとした「約束」の中で動いているんです。「約束」とは、「無駄死にしない」ということとしておきましょうか。
高橋留美子コレクション「めぞん一刻 複製原画3種」各1000枚限定(シリアルナンバー付)、5万円です。2/10締切。間違いなく売り切れるし、買う人も大体想像がつく。マニア泣かせですよね、彼女の産み出した作品は。同じ額を資料的価値に注いで、「全仕事集」を出してくれれば少しは興味が持てるのですが。久々の少年サンデーグラフィック、「犬夜叉」は、巻頭カラー、サンデー表紙、グッズ用、コミックス用カラー原画を完全掲載で2000円(発売中)。こちらは見かけたら買う予定。
「少年ジャンプ」・・「HUNTER×HUNTER」(冨樫義博)を揃えました。前号の後記でも触れましたね。「ジャンプ」系久々の購読です。ハマる要素はふんだんに、見本市の如く。興味を引いたのは、画力に頼らない人物描写の確かさ。ゴンは善悪の区別がついていないこと、キルアは自立出来ていないこと、ネオンがバカガキであることetc...(注:単行本10巻までの話)、つまり彼等が確かに「子供」であることは、台詞上でしか分かり得ませんが、しっかりと描かれているのです。ちなみにクラピカ男派(何のことやら)。
「少年チャンピオン」・・「ベリースペシャル」というゴルフ漫画が連載中。作者森田森魚は、10年ほど前の「スピリッツ賞」受賞者。受賞作を含め3編ほど、「スピリッツ」誌に載ったものの、その後音沙汰無し(七瀬あゆむ「天国に一番近いフィールド」(たぶん「ヤングジャンプ」)の原作者が同名)。いきなり?の週刊連載にちょっとビックリ。対決ものながらあくまでものんきな展開は、確かに少年向き。読みたい題材では、ないんですけどね。
「少年マガジン」・・「魁!!クロマティ高校」(野中英次)が人気を博しているらしい(参:「GON!」誌12月号「おもしろいマンガBEST20」第1位)。最新号(5−6合併号)を読む限り、池上遼一の絵に「男組」の設定でギャグをしているのだから、オールドファンが飛びつく訳です。「モーニング」誌の「ドリーム職人」〜「しゃぼてん」と読んでいるので、これはまあ、いいや。
「犬夜叉」と「HUNTER〜」は、完結してから一気に読むと至福の時が過ごせそうです。作者の良い読者とは言えませんが、いくつになってからでも。
今、読んでもらいたいのは全編読み切りの「ビッグコミックスペシャル増刊号」(もう売ってないですけど..)。池上遼一、あだち充、はるき悦己、原秀則、六田登、谷口ジロー、島本和彦、村上もとか。いや〜、極上の一夜を過ごせますよ。
個人的情報一篇
内田春菊の「私たちは繁殖している」、第4部が先頃終了(「みこすり半劇場」2号)。単行本が3月下旬に出ます。再開は、あるとしたら第4子懐妊後の話だそう。