専門誌としての機能
別冊ぱふ「コミック・ファン」7号(雑草社)、新装刊で巻頭特集は「まんが界の問題点」。メジャーな作品は勿論様々なメディアに露出しているし、マイナーな作品は総じて掘り起こされる。今や「まんが」は文化として成熟の域に達していると感じる。栄枯盛衰は必然の理。極論すれば「何とかなるんじゃない?」でいいのだが、警鐘は、鳴らしておくべきだと思う。「コミック・ファン」は情報誌としての本誌から離れ、専門誌として本格的に取り組む姿勢のようだ。
マニアはいわゆる好き者か?
と、改めて感じたのが「こんなマンガがあったのか!」(MF)。名作マンガの知られざる続編、外伝を紹介したムックだそうだが、「知られざる」というのは後世の物の見方であって、リアルタイムで体現している者にとっては周知の事実である。特に名作なんてのはメジャー誌での連載作品に冠する誉め言葉なのだから、未収録といっても今さら..であろう。重箱の隅をつつくようなネタを売り物にするのはマニアの境界線を見誤っているようであまりよろしくないと思う。
しかしながら、同一タイトルの単行本に収録されている諸編でのみ、その作品を把握したつもりの読者には新鮮だ。自分の中で消化したはずの作品には続きがあった!別にいいとこだけ読んでも構わないのだが、やはり完全に読破しないと気になる...。例えば私、ひとつ気に入る作品があれば、やはりその作者の全ての作品を読まないと気の済まない性質である。従って永井豪の作品のように、いくつもの作品が複雑にリンクしているなんてのは先刻御承知。やはりここが、境界線かも....。
西村しのぶ近況
「Feel Young」誌2月号に「RUSH」。昨秋の涙の謎は遠き日の父の記憶..と、でも何か男前(オットコマエと読む)な内容。気になるのは、ここから有末(アキ)とどう結びつくのか。前作であり続編たる「美紅・舞子」との接点は形骸化しつつありますね。先生は「F.S.S.」好きだからその辺を指向したと思ったのですが...。まあ、それはそれでいいのですけどね。今号もチビ百合可愛すぎ。子供を主人公にした「おはなし」を是非、読んでみたいものです(安達哲の「バカ姉弟」みたいな、ね)。