TOPICS 第25回

(初出:第28号 99.7.21)

小学館、リバイバルに新風
「My First BIG」がそれ。美味しんぼ、MASTERキートンなどの80年代末〜90年代初頭を中心としたヒット作を毎週3タイトルずつ隔週刊で出す。雑誌感覚の単行本ということで、今までの総集編スタイルと文庫化をミックスさせたこの企画、読めればよい、という読者と売れればよい、という出版社の思惑が一致した形と見える。しかし衰えることのないこの復刻ブーム。さらには「人気マンガの続編モノが増殖中」(MW誌コラムより)と、懐古の念は強まる一方。復刻に関しては特に異論はないが、続編モノには一言。完結の意味とは何なのか。そしてアフターストーリーの乱発は、読者から漫画家へという未来の翼を奪うことになるのではないだろうか。

「コミックバーズ」が生き残り
先頃倒産したスコラ社の月刊漫画誌「コミックバーズ」がそのままの形で存続。引き継いだのはソニー・マガジンズ社。現在連載中の作品の単行本も同社から新装刊で出る。(但し「餓狼伝」はヤングマガジンアッパーズ誌(講談社)に、「陰陽師」はメロディ誌(白泉社)に引き継がれた模様)。後は新規の読者がついてくるか、今後の独自の展開に注目。

個人的情報数篇
西村しのぶ状況
「KISS」誌(講談社)13号「ライン」表紙&巻頭カラー。小ネタバッチリ!話の流れも良。しかしアオリが・・・女性誌のノリってこーゆーの?「下山手ドレス」は「NT」「FY」各誌とも順調。「YOUNG YOU」誌(集英社)次号(8月号)に「アルコール」。HPも熱い!
今月の気になるモノ
「コミックビーム」誌(アスペクト)。連載陣のバランスがつかめない。今一番読みたい漫画誌。というのも本屋で見かけて買おうと思って以来、巡り合わせが悪くてお目にかかれていないんです。
木尾 士目「五年生」(アフタヌーン誌 講談社 連載)いいです。どんどん神経質になっていく会話。密室の他人の存在って、気にすればするほど重たくなってきますよね。間に流れる雰囲気によってどうとでも変わるんですが。危機意識を言葉にするって、現実でも結構ツラいもの。書き上げたのはお見事。



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