総集編の理想型
単行本が2回も3回も判を変えて出ているというのに、描き下ろしのイラストを2、3つけた「総集編」と銘打つものにまでまとめられる人気作。原画に近い大きさで、とかカラーページが復刻してある..とか、細かい点で魅かれるものがあるにせよ、何ともマニア泣かせの代物である。そんな中で掛け値無しに「これはいいかも」と思えたのが、秋本治「こち亀」の総集編「Kamedas」(集英社)。特徴は、現在単行本にして115巻分になる膨大な話をホビー、キャラクター毎に分類してまとめられている点だ。ストーリーものの場合、作品を時系列的に分割して(単行本とは別に)まとめることは可能だが、長編である以上、話が後になるほど登場人物が多くなり、背後関係を捉えるのが困難になる。その点、「こち亀」はストーリーはあってないようなもので、初期のキャラクターが最近の話に全く関わってこないなど、1話毎に区切るのが容易な構成となっている。とはいえネタによっては話が1年ほどのブランクを経ていても密接に関わっているものもある。このような作品においては連載順にまとめられた単行本とはまた別の分類(上記のような)でまとめられるのもアリであろう。してみると、同様の型で再販することが有益であると考えられる作品は....4コマ作品ということになろうか(この場合は「傑作編」というべきか)。しかしギャグの場合、好みの差が激しいから選別が難しい。考えたところ好材料としては高橋留美子「うる星やつら」を挙げたい(ただし最終シリーズを除いて)。「終太郎vs飛麿編」「蘭ちゃん編」など、成功するような気がするが...?
個人的情報数篇
西村しのぶ好調
「FEEL YOUNG」誌(祥伝社)に2号連続のカラー・ピンナップ(創刊100号記念らしい)。次号(10月号)に「RUSH」新作。「YOUNG
YOU」誌9月号(集英社)に「アルコール」掲載。「メディックス」以来思って(週刊誌の印刷なのに・・)いるんですけど、薄暗い店の雰囲気がとても上手く描かれているな毎回、と。働く女性達も美しい!西条さんのセリフは刹那的だけども凛々しいと思います。杞憂は不要、信頼は、耐え難いけれども持つべき。そして己を磨くことを忘れない。最近描かれるいい男の共通点は、(西村作品に限らず)ここにあるようです。それにしても「スピリッツ」誌(小学館)に「メディックス」載りませんねえ。