TOPICS 第20回

(初出:第23号 99.2.20)

復活気配
約1年ぶりに漫画雑誌を読んでいます。案の定ウラシマ入っています。
少年漫画誌。といっても私の場合、まともに読んでいたのはサンデーのみですが、話の展開が..。例えば第9号の「じゃじゃ馬グルーミン!UP」ゆうきまさみ はびっっくりしました!話の前後分からないので素直に喜んじゃっていいものか...なんですけど。まさかサンデーで「めぞん」が観られるとは。ジーンときちゃった、ってことです。
概して男性漫画誌、それも青年漫画誌は生き残っている作品が少なかったですね。ほとんど読む(読んでいた)作品が残っていないものは、このまましばらく読まなくなりそうです。そこそこ残っていたものでも、いくつかの作品はいつの間にか終わっていました...。単行本で再会するのはいつの日になるのでしょうか。読んでいないものは、相変わらず目につく連載がほとんどないですね。でも中には「おや?この人がこんなところで?」というようなめっけもんもあるにはありました。今後注目していきたいです。
成年漫画誌はようやく落ち着いてきた模様。誌名で目新しいものが少なくなってきました。ただし中味は確認しておらず。
少女、女性漫画誌は現在まで、私の読んでいたものが店にないのでノーコメント。白泉社系のが私のメインなんですけど、うちの店、何故か置いてないんですよねえ。
以上、なるべく具体例を出すのを避けて、手短に「TOPICS」復活をお伝えしました。

ちょっとした新刊情報
最近、まんがライターなる人が結構いますよね。しかし内容をみると稀少本、珍しい系の作品紹介をメインにしていて、批評、評論からは程遠い感じです。勿論最初からそういうの、目指してないのかも知れませんが、片寄った紹介では「漫画」それ自体の良さを伝える効果は薄いような気がします。
昨年末、東京都現代美術館で催された「マンガの時代 The MANGA Age」展は漫画を総括する初の展覧会ということで注目を集めたようです。この展覧会の内容が本にまとめられました(「マンガの時代 The MANGA Age」発行/東京都現代美術館、広島市現代美術館。尚、同展は99年2月6日〜4月11日まで広島市現代美術館にて開催中)。注目したのは村上知彦の「マンガ史とはなにか−戦後マンガへのいくつかの視座」。漫画に関してまだまだ明らかになっていないことが多いことを示した本論を読んで、胸が躍りましたね。
今や英語で「漫画」は「MANGA」と表記出来るようになり、その先進国である日本の漫画界は様々な角度から把握されておく必要がある訳です。それこそ美術館で取り上げるような「文化」ともなっているんですから。その責を、我々若い漫画読者が担うことも可能であるというのでは、張り切るしかありませんよね。

個人的情報数編
高橋留美子短編集2、5月末日刊行
毎年年始に「ビックコミックオリジナル」誌(小学館)に載る短編。今年も4号に載りました。時事問題を取り上げる作品が多いのですが、現実に則した物語ではなく、いわゆる「るーみっくわーるど」であります。先生の世界観は本当に、昔から変わってなくて(例えば今作では、堂本さんと店長のやりとりはまるで八神部長と五代くん..蛇足)、いつでも戻っていける安心感があります。久しぶりに新作を読んでみてはいかがでしょうか。

西村しのぶ情報
現在発売中は「プータオ」誌(白泉社)にエッセイ漫画、「YOUNG YOU」誌(集英社)に「アルコール」(祝!シリーズ化!)です。売り切れてたらごめんなさい。「FEEL YOUNG」誌(祥伝社)次号より「RUSH」3号連続掲載です!さあ、そして「スピリッツ」誌(小学館)に「メディックス」はいつ載るのでしょうか!?


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