TOPICS 第10回
(初出:第11号 98.1.8)
「ジャンプ」はやっぱりすごいんだねえ...
少年誌といえばNo.1は「少年ジャンプ」誌(集英社)というのが、まあ常識だったのですが。昨年ついに「少年マガジン」誌(講談社)が発行部数で「ジャンプ」誌を捉えました。(実売数ではすでに追い越したという噂も...)特に「ジャンプ」誌は`95年を頂点(発行部数)として明らかに失速しており、今後の展開次第では「王者陥落」も有り得そうです。この低迷に関しては、黄金期の編集長、西村繁男が数年前から警鐘を鳴らしており、今改めて注目されています。(「COMIC
GON!」誌(ミリオン出版)第1号、「Quick Japan」誌(太田出版)第16号インタビュー記事)この状況が十分ネタとなることを、改めて感じます。
付記:
創刊されたばかりの「COMIC
GON!」誌は特に力を入れて特集を組んでおります。12月刊行予定の第2号でも、相当数のページを割いている模様。 一方、「日経エンタテイメント!」誌(日経BP社)12号では、市場の細分化を一因として挙げ、むしろ「ジャンプ」低迷後のヒット作はどこで生まれているかに注目しています。「ジャンプ」ブランドの存在意義が、今ようやく問われ始めてきたんですねぇ。
一件落着ということで...
「ガロ」関連の続報です。「ガロ」誌(青林堂)は12月1日に復刊しました。「近年の統合誌っぽい作り方をやめ、改めて漫画の可能性を求めていく」という新編集長、長戸雅之の話通りの内容になっております。目先の売れ行きに左右されず、進めていって欲しいです。一方、「ガロ」元編集部員(この呼び方しかないよね)は新会社、青林工藝社を設立。新雑誌の創刊を目指しております。で、それに先駆けて創出版より「ガロ」元編集部員責任編集本「マンガの鬼」が出ました。青林堂を辞めて何をしたかったのか。その解答とも言える本です。これを読む限り、新雑誌の方もいい内容になりそうです。てゆーか買います。私は。未だ双方に残るイコンを気にするより、両誌(社)ともこのままいい方向に伸びてくれる様に期待(応援)することが、読者のすべき行動(言動)ではないでしょうか。
今月の一冊 「えの素」1巻 榎本俊二 講談社
前作があまりにスゴすぎたのか、何なか話題になりませんが。私は本作品で榎本俊二の笑いは確立すると思っております。で、それを鴨川つばめの流れに入れようと考えていたのですが、その鴨川つばめが先日「COMIC
BINGO」誌(ぶんか社)で復活されましたので、とりあえずやめておきます。とにかく「セリフ抜き」で大笑いできる作品は、今何故か貴重ですよ。
個人的情報数篇
「YOUNG YOU」(集英社)で榛野なな恵「Papa told me」が終了したとお伝えした皆さんへ。デマです。申し訳ありません。休載していたらしく、1月号(発売中)から復帰しております。
「まんがアロハ!」誌(ぶんか社)で連載を続けていた小林じんこ「おサルでワン!」が三度の移籍です。今度は「みこすり半劇場」誌(ぶんか社)。1月8日発売号より。
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