あの青林堂、危機!「月刊漫画ガロ」休刊す!
「すでにご存知の方も多いと思いますが・・・。青林堂内部にてクーデター?が発生した為、「ガロ」はこの8月をもって休刊することになりました」
という旨の情報が私に入ったのが、8月始めごろ。詳しい情報を・・・!ということで、「デジガロ」にアクセスできたのが、8月19日早朝。事件はすでに、7月10日前後に起こっていたようです。新聞、マスコミ各誌でも取りあげられていた模様。私の情報収集能力の乏しさを痛感・・・は置いといて。事態は現在収束、話題は今後の展開に向かっているようです。しかし、「ガロ」が一時の空白期を迎えているのは違いありません。
そこで雑感。あくまで「ガロ」の漫画部門への話ですが。「万人に受け入れられにくいような、先進的、独創的な作品をも、広く受けいれる」漫画誌が、これからちゃんとした形で発刊されるのなら、私は「ガロ」というブランドにはこだわらなくてもいいと思います。しかし、それが無理なら、「ガロ」は早期に復刊されるべきでしょう。
読み手として、「ガロ」的な作品は今後もなくなることはあるまい、と比較的楽観視しております。問題は、その「受け皿」としてのメディアがなくなってしまうことなのです。そのような状況には、なってほしくないということで、この「青林堂」における内紛、今後も注目していきたいと思っています。
さて、ちょっと前に大泉実成の「パラノ・エヴァンゲリオン」を紹介しましたけど。今月は同著者の「消えたマンガ家」(太田出版)を読みました。この本の記事の大半が、「クイックジャパン」誌(太田出版)に載ったもの。実は私、第4章「山田花子」の回の記事を同誌にて読んだことがありまして。「どうもあまりに擁護しすぎているのではないか」と不快に感じ「クイックジャパン」誌そのものを読まなくなってしまいました。そんな事があったので、この本当初は読む気がなかったのですが。鴨川つばめのインタビュー記事が載っている事を知り、買いました。
鴨川つばめの「マカロニほうれん荘」は、’77年〜’79年にかけて「週間少年チャンピオン」に載ったギャグ漫画の傑作。(現在は秋田書店刊の文庫版が入手容易)しかし、その最後は唐突で、次作「マカロニ2」も、その雰囲気はもはやギャグと呼べるものではありませんでした。そして、以降の鴨川つばめ作品は、ほとんど見かけたことはありません(注1)。
彼が当時マンガ界で何を見、どう過ごしていたのか。それは、私の想像をはるかに超える、すさまじいものでした。
彼らのような「消えたマンガ家」がいる事実。その原因は、作者自身にあるのか。出版社側にあるのか。それぞれが主観的な立場で考えてしまう問題ですから、この本にもはっきりとした結論は出されていません。しかし、(もはや読者側にも、ある程度知れている事ですが)漫画界の見えなかった部分が、この本を読むと浮かびあがってくるようです。
おそらく第3部になるかと思います。「隔週みこすり半劇場」誌(ぶんか社)にて連載が開始されておりました。ジジさんは無事、女の子を出産した模様。それにしても息子さんの成長した姿は(考えてみれば、生まれた時から読者は「知っている」訳ですから)、見ていて目が細くなってしまいます。
・・・先月言いましたね?とりあえず「Spirit of Wonder」を手に入れようと。その為に限定版を予約せずに発売日を待った私は馬鹿だったのでしょうか?気がつけば書店にはすでになく・・・、新宿の専門店まで行ってようやく画集のみを見つけた次第。本当は、この画集が一番買うのをためらったものだったんです。しかし、眺めてみたら、やはり素晴らしく、買いました。
店員さんの話では、すでに重版が決定しているとのこと。まずはそれを待つとして、今回はこの画集「水素」の感想。定価4500円(税別)ですから、すすめはしません。
題名通り、「水のある風景」が多く掲載されています。鶴田さんの一枚絵は、そこから物語がどんどんあふれてくるような気がします。藤島康介(漫画家)が、寄稿で語られているように、鶴田謙二の描く部屋は、ちがったキャラクターにも妙なリアルさを感じる。もちろん、一番の魅力は人物に尽きるんですけどね。