「晴れてんじゃん」
「でもやっぱ曇りだねー」
「でも暑いよー。」
プーケットは以外にも晴れ。連日豪雨ってのはちょうど2、3日前までの話だったらしい。現地ではパティがホテルまで案内してくれてあとはフリー。彼はとっても親切でモテそうな顔をしている。バンに乗り込むパッポンズとギャルズ。運転手は名前知らないが、無茶苦茶荒い運転をする奴だった。
「おいおい、100キロは出てるよ」
「ちょ、ちょ、前の車をあおってるって、この車!」
他のどの車と比べてもパッポンズの乗る車は飛ばしている。こちらの風習なのか、追い抜きのときに軽くクラクションを鳴らす運転手(タイ人は皆そう)。さらには一車線でも右から左からとお構い無しに他の車を抜いていく。すげー。
「でも時間早いよね、何する?」
「バンジー行きたい!」
ホテルの前にバンジーをやることに急遽決定。ギャルズにはお付き合いしてもらって見物。パッポンズは勿論全員参加でしょ。ここはパフィの二人も飛んだらしく写真なんかが飾ってある。1300バーツ写真付ってのは相場よか高めだが、山に囲まれた湖というロケーションで眺めは最高!美しい場所である。で、まずジャイが速攻で飛ぶ。
『バンジーーーィィィィ、、、ィィイイイイー、グオァァェ、、、』
高さ50メートルからドップラー効果と、己の精神の強さを同時に証明するために大声をあげて飛び降りるジャイ。クレーンに設置されたエレベータで登り、係員に遠くの山を見てスーパーマンのように飛べと言われるだけなのだが、それはそれは怖いぞ!バンジー!!下から見るのと上から見るのは大違いだし、いや、書き表せん。とにかく怖い。しかしすごい面白いことは確かで、しばらく皆、余韻が残っていて、夜にホテルでその面白さについて語り合うことになる。
「うーー、頭に血がのぼるぅ〜〜」
逆さ吊りになってゆっくりと下がってくるジャイ。その後係員が差し伸べる棒を頼りに、地上に降りて仰向けに寝せてくれる。このときも極楽気分で気持ちいい。
「すげー、高けーぞー、(はぁはぁ)、でも、(はぁはぁ)、テレビとかで良く顔、写してるけど、、(はぁはぁ)、カメラが目の、前にあったら確かに、絶対おもしれーって顔、、しちゃうって、(はぁはぁ)」
目を真っ赤にして、しかし満喫しきった顔で帰ってくるジャイ。しかしそれを見てもなかなか素直に笑えないパッポンズのメンバー達。次のわが身だけが心配なのだ。なんせ足に毛布のデキソコナイを巻きつけ、さらに靴下のオバケみたいなゴムを頼りに飛び降りるのだから。
以降、デレ→ゆっこ→ドリちゃん→ガラ→ぶちの順で飛ぶ事になる。全員の描写はここでは省略するが、ぶちが『リアクション大賞』なるものを貰ったことは確かである。(なんせ、飛ぶときに係員さんが、「ワン!ツー!スリィ!」と言って飛ぶのだが、一人で「ワンモアプィィィーズ!!!!」と大声を出すし、さらに飛ぶ時の声も活字では表わせない声だったからねぇ。)
素敵なバンジー体験の後はプーケット島最大の浜、バトンビーチに到着。ホテルは浜の目の前のバトンビーチホテル。今までのよりランクがちょっと高いぞ。るるぶーに載るくらいのリゾートホテルである。ホテルなんか放っておいてビーチに直行。さすがに夕方ともなるとビーチに人影を見つけるのも難しい。雨こそ降ってはいないが今は雨期だからか。逆に目立つからすぐに(うさん臭そうな)ビーチボーイにつかまる。
「椅子つかわない?安いよ」
「いらないよー」
「じゃジェットスキーは?これも安いよ」
ものすごい達者な日本語で喋りかけてくるビーチボーイ(といってもおっさん)。しかもタイの観光ガイドはピンハネ出来る店に連れてくからやめろとか、いろいろ勉強になったろとか、余計なお世話話までマシンガンのように喋りやがる。
「もういいって、今日はなにも買わないんだから余計な交渉いらねーじゃん!!」
ついにデレが怒り出す(もっともかな)。うろたえるボーイ。他の連中も続いてボーイから離れさっさと海に歩いていく。ガラとぶちが適当にボーイと喋り、バイバイする。日本語うまい奴ほどなぜか怪しく見えてしまうのは先入観だろうか。ま、海は楽しかったしね。砂が見た事ないくらい細かくてきれいだ。海は時期的に波があらく先日も何人かさらわれたらしいのだが、日本の海と違って押しが弱くて引きが強いのが原因かな。危険度はバンジー以上である。それでもドリ、ジャイ、デレは構わず沖まで進む。あぁ〜あ。
「ちょ、、たすけて、たすけて、、」
ついにドリちゃんがさらわれそうになる。まじやばい。必死で漕いでいるのだが、混乱して平泳ぎになってしまってる。冗談にとってげらげら笑うジャイ、デレ。
「もどってこいよー」
心配そうに叫ぶガラ、大人だ。ジャイ、デレにかろうじて救助を受けるドリちゃんだったが、懲りずにこの後三人、ホテルのプールで溺死直前の水中プロレスにはまっていた。