タイ旅行記シリーズ 第1回

(初出:第10号 97.10.13)

出発、アクティブタイランドへ!

大学時代からの付き合いでもう4年以上になる連中がいる。そいつらが、
「タイに行こう。」
と言ったのはええと、先月?先々月??、でも、ぶち(僕)は海外旅行にはちょっと抵抗があった。
『去年大切な人と行く筈の海外旅行があったなぁ』
なーんつって、考えたかどうかは別として、実は今回は今までと違って金もあるしね。ちなみにぶちは近頃
”ホームページ制作業”で結構稼いでいたのだ。さて、出発の予定は8月の26日。七泊八日でバンコク→
チェンマイ→プーケットである。メンツは6人。
『ジァイに、ドリちゃんに、ゆっこに、ガラに、デレに、ぶちだね。』
全員とも長い付き合いである。ドリちゃんは先に仙台から実家の埼玉に行っているから、行きは車一台。海外なんて、暫く行っていないから、今回はパスポート取得から始まるね。ええと、必要なのは写真と、判子と、なんだっけ??とりあえずミーハーに写真屋さんにデジカメ(!)で撮って貰い、あとは県庁のお姉さんにいろいろ聞いてなんとか旅行に間に合うように取得成功。んん!?ちょっと緊張感も出て来た。旅行は事前の緊張感から楽しまなくっちゃね。小道具として、”るるぶー”でしょ。これは実際に使わなくても気分が盛り上がる。それから、インターネットを駆使してタイの情報収集。今時はインターネットで出来るもんね。メールをばりばりと送ると次の日にはレスポンスを返してくれる。みんな優しいなぁ。取り敢えず『タイのマリンジェットはライセンス要るの?値段は?』といった情報なら確実に次の日には手にはいる。ネット万歳。
 

さてさて、そうこうしている内に旅行直前。今回は7泊8日だから、う〜ん。荷物持ちたくないなぁ。もしもの下着だけ多めに持って、後は現地調達に現地洗濯だな。学校集合で(デレ2分遅刻)そっからドリちゃん家までドライブ。実は成田と仙台は遠いので前日はドリちゃん家に泊めて貰うことなってたのだ。5人も泊めてくれて夕食はなーんと焼肉!お土産(萩の月)大きめの買ってきて良かったぁ。さて、ビーチボーイズ(デレが大好き)を見終わってから今回のタイ旅行でみんなの目的を整理するとー。
「ぱっぽーん!」
おお、誰か叫んでるな。ドリちゃんか、デレあたりだね。今回はバンコクにあるパッポン通りが皆の目的なのだ。ちなみに、ぶちとジァイの目的はマリンジェット、イン、プーケット島である。ぶちは本当はシリラート病院の死体博物館なんて興味あったんだけどね、今回はツアーだから次回にとっとくと。で、パッポンってのは、まぁ、簡単には繁華街でゴーゴーバーという風俗店や露店商が立ち並ぶタイの顔(?)である。良く知らんが、ま、おれはマリンジェットに体力とっとくもんね。ライセンスとか取ろうと思ってるくらいだし。
 

さて、翌朝。いよいよタイランドへ出発である。成田までRAV4で6乗(!?)でドライブ途中ジャンケンに負けてぶちはトランクへ。ま、セダンじゃなくって良かったけどね。でも成田に着くとなんと検問があって、車内ではすっごい焦ってしまった。
「やべ、検問だ!」
「二人くらい降りなきゃ」
そそくさそそくさ、ぶちとガラは直前でトイレを借りることにして降車。トイレを出ると予想通り警察に呼び止められて
「あんたら何者?」
「身分証は?」
だのいろいろ攻められドキドキである。流石はタイランド、簡単には行かせてはくれない。
「いやー、僕等はトイレ借りてて、、。」
「僕等の車、先にいっちゃって、」
などなど、拙い言い訳をするぶちとガラ。なんとか警察に解放されて車を走って追っかけるぶち、ガラの軽量級コンビであった。(残りは重量級なのだ。)ふぅ。やっと成田到着。ちょっと早目に着いたが空港は広い広い。
「昔、乗ったことはあるけど、10年前だし、成田ってでっけーなー。」
ついついお上りさんになってしまうぶちである。今回の旅行会社は殆ど勝手にやってねツアーだから現地行って代理店のバッチをガイドさん(いったい何人なんだ?)に見せるのだ。僕等はみんなさっとバッチを取りだし、荷物などに装着!うん。準備は万端、誇らしげである。いつのまにか ジァイとゆっこは和紙を購入している。
「なにすんだ?」
「現地の人とのコミュニケーションをね、これでさ。」
ほうほう、流石に二人はバックバッカー経験があるだけあって違うね。荷物の検査では体中にサバイバルナイフ等を付けているジァイと、巨大虫除けスプレーを鞄に入れていたデレが引っかかる。鞄の中味を開けられるデレ。しかし、その中には人には見られてはいけない”世界一性能の良い日本製コンドーム二箱セット”が入っていたのだ!なんか背中に視線と苦笑を感じつつ立ち去るパッポンズ(この時点でチーム名はパッポンズに決定していた)なのである。待合室では、エイズについての情報がビデオで流れている。はっとするパッポンズの面々。
「日本製の奴持ってるから大丈夫だよね。」
・・・どきどきのメンバーである。やっと飛行機に乗るとぶちとドリちゃんは右列最後尾である。その前にジァイとゆっこ。スチュワーデスさんは9割タイ人、一人は日本人。ばっちりのロケーションでスチュワーデスにからむパッポンズ。
「カァンパリオォーレンジープリィーズ!」
ドリちゃんなんてジャニ系でもてるから、スチュワーデス達も喜んで遊んでくれる。丁度ゆっこが誕生日でスチュワーデスに集まって貰い、ハッピーバースデーソングを機内合唱(!)。スチュードさんのハカライでビジネスクラスのケーキも頂き、もうタイに着いていないうちから、すっごく楽しー。ちょっと離れてガラ、デレが座ったのだが、デレは曝眠。
「かなり羨ましかったぞ」
とは後日、ガラの言葉。すまんガラ。そして時が流れ(フライト6時間)とうとうバンコク上空へ、既に夜中だから夜景が奇麗である。
「とうとう、やってきたねー」
「あ、ぱっぽんが見えるっ」
「ぱっぽーん!」
「女の子が手を振っているー!」
うそつけである。なんだかはしゃぐパッポンズであった。

(つづく)
 


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