マスブチのハッとしてグー 第4回

(初出:第12号 98.2.6)

『山形すっごい今マイブームなんですよ』

 山形ねー、温泉好きにはいいよすごく。仙台から日帰りコースで全てがミステリアスワンダフル。この前も村山まで友人3人と車で蕎麦(山形名物らしい)食いに行ってきたんですが、そこで地元の人に温泉を教えてもらおうということになったんです。「ここら辺で観光地になってない温泉とかありますか?」って店の隠居した爺さんに囲炉裏を挟んで聞いたら、「すぐそこの部落いっこ行って、山ん麓のところ、道ずーっといぐとフモト温泉ってあんだ。こりゃいいぞぉ」とかって教えてくれたんです。おいおい名前そのままかよって思ったけど、後で知ったそこは富本(ふもと)温泉という名前のお湯。山形とかってどこ掘ってもお湯が出るらしいねー。でも、爺さんの説明通りに行ったら山道に迷ってしまって、次に聞いたのはでっかい寺のおばちゃん。僕らが寺に入って行くと納屋の奥から出てきた。始め僕等のことを、近所の若者と間違えたみたいで怒られそうで怖かったね。けど事情を話すと親切にも温泉にお湯を沸かしてくれるようにと電話してくれた。「肌つるつるになるよー、道ここまっすぐいって川の橋越えてぐっとこっちだ。」普段やってるかどうかもわからないような秘湯だからすごい期待させる。で山道を入って行くと今度は山菜取りのおっちゃんがさらに正しい道を教えてくれる。「あんたらのいっとこぁここで...この道さずーっとこうだ。」またまた親切にも僕等の車のドアに指で地図を書いてくれる。もちろん車のドアに道を書かれたのは始めてなんだけどね。さらにその後温泉を通りすぎてしまい(温泉旅館が看板の無い普通の家だったんだもの)道を行くおばちゃんにもう一度聞いてやっとこさたどり着くことが出来ただ。そうこうして無事温泉にたどり着いた一行は女湯を貸し切りして貰い(女湯しか湧いてなかった)大満足で帰ったのだった。お湯は勿論よかったです。ふぅ。
付記:
村山市蕎麦街道は14店の蕎麦屋が並ぶ街道。蕎麦屋はちょっと見つけにくい館ばかり。全ての店に行きスタンプを押して貰うと素敵なプレゼントが貰える。200年や250年続いている老舗蕎麦屋から温水センター蕎麦、体験蕎麦打屋など怪しいものもあり結構楽しめるのでは?
 

『漫画関係も少しだけ』

井上三太の隣人13号インターネット版が完結しました。トリップしたような魚眼レンズ的な迫力のイラストをモニタで見るのもまたいいですね。
 
 

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