マスブチのハッとしてグー 第1回

(初出:第5号 97.3.4)

おたくとよべるか

 音楽って人間の気分を変えることができるでしょう。小説や、絵、 映画もそう精神安定作用があったり、ドラックで飛んだ気分になった りする訳だよね。
 でも、好きなアーティストがいるってのはなんだろうか。これはや っぱり音楽は誰か人間が作ったもんだからだろうね。その作り手の人 柄とかを知ってくとやっぱり高揚した気分になるでしょう。音楽に魅 せられているうちに作り手にも自然にカリスマが移行しているのだろ うか。それとも一歩離れて音楽のルーツを辿るという意味合いでの知 的好奇心なのだろうか。ま、どちらも無意識か意識的かってだけで同 じか。それから将来もっといいものをきっと作り出してくれるってい う期待も作り手に感じてしまうし、また芸能歌手に憧れるような気持 ちもうまれてくる。偶像愛好のように。こうなったらアイドルだね。 発端はいろいろ、その形態もいろいろだとして、やっぱり作り手には はまっていくわけだ。でも皆そうなるものだし結構自然なんだね。  さて、こういった事によってうまれた好奇心が具体的にはどのよう なものに行き着くかということを比較的冷静な僕の場合を例にとって みてみよう。
 僕は以前ビーチボーイズにはまったことがある。五年前位。それか らとんで、去年はマイブームで大滝詠一でしょ、それから昨日、加地 秀基の1stアルバムを買ったと。
 で、「一体何なんだ」ってことになるんだけど、加地のアルバムに 「夏物語」って曲があって、それは大滝さんのロングヴァケーション の「FUN×4」って曲を意識したらしい。その「FUN×4」はビーチ ボーイズの「FUN×3」の影響をうけている。どちらも聞いただけで 分かってしまうくらいあからさまだが、とっても正直な取り入れ方を していて彼等の愛着心が伺える。
 こういったことを知るのって、もっとコアな事をしるよりもずっと 楽しい。もろシンクロだもの。ふっっふっふ。
 


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