モミモミ日記 第3回

(初出:第65号 02.8.22)

ロドリゲス石垣(ビジャーノ6号) の『日々是精進』

★夏ばてなのか無気力に生きている。5月中旬から7月下旬までの繁忙期をすぎ た途端、仕事は申し訳ないくらいにすることがない。午前11時半には仕事が終わっている。午後からはひたすらインターネットか、友人との社メール交換だ。以前ならば仕事が忙しいとイライラして仕方なかったが、今では暇なときでもイライラする。人生の無駄遣いを感じる。会社の上司が仕事好きで、有給休暇をとらないから困るのだ。そうなると部下はどんなに暇でも休みづらい。ああ、夏も人生も終わってしまう。連日の猛暑も土日には曇りや霧雨が降ったりと、嫌がらせのような週末がつづいている。なまけもの遊ぶべからずか。
☆大声では言えないが、ベガルタ仙台の応援に横浜に行ったとき、腹が立って味方のサポーターにペットボトルを投げた。バレなかったが一触即発のムードが漂った。応援ぶりが気に食わない、と後日サポーターズサイトに書き込んだら、わたしの会社をバラされた。(自宅にパソコンがないため仕事中に書き込んでいたのだ)これで完全にわたしは冷めた。わたしも世の中も大いにくだらん。それっきり仙台スタジアムでのホームゲームはアウェイ側のゴール裏で観戦をしている。それも試合や選手にほとんど感情移入せずに・・・。だから審判の誤審やラフプレイ、負け試合にもほとんど悔しい思いをせずに済んでいる。先日(8月7日ナイター)の「べカルタ仙台VS名古屋グランパスエイト」戦も、独りでしらけていた。目ではボールは追うが、頭の中では「仕事辞めて・・・車売って・・・メキシコ湾にビッグウェーブでも見にいこうかぁ・・・」と考えていた。また、レイコと喧嘩(というより勝手にわたしの機嫌が悪いだけ)してたので、余計にすべてがどうでもよくなっていたのだ。前半終了時点で「0−3」で負けていたからではない(わたしは追いつくものと思っていた)が家に帰りたくて仕方が無かった。
★福岡(本社)に出張。意味無し会議だ。それはいいとして、付き合いの飲み会、これがやっかいだ。四人で飲んだがわたし1人が外様だった。愛想笑いのオンパレード。たまに話をふられたかと思うと「俺が仕事教えちゃる!」「一緒に外回りしたいやろ?」「来年はどこへ行く?」などやる気を促され、転勤を示唆されたりと不味いビールをちびりとやりながら、永遠に辛抱しんぼう南伸坊だった。くたばれ仕事人間。酒も飲みたくねぇ。
☆昼飯は惣菜の量り売り。いつも疲れているので、オクラ、ゴーヤチャンプル、ひじき、夏野菜など積極的に食べているが、どれも効果が無い。冷たい飲み物ばかりとっているから胃がくたびれているのかも?どうせダルいならもうイイやと思い、ファミマの「冷やし胡麻ダレ中華」とトロピカーナのパイナップル・ジュース。それに視力が急激に落ちている慰めにブルーベリー・ヨーグルトを。
★オリジナルのマスクを作ってもらおうと、いろいろデザインを考えている。好きなカントリー音楽や自然をモチーフに・・・全然ダメ。スペイン語の辞書やメキシコのハンドブックを参考にキャラを考案・・・全然ダメ。第一、マスクなぞこしらえて何をするのか? 変態コスプレ。筋トレのヤル気をあげる。フルマラソンを完走したらゴールのときに被る。寒いときのトレイルランニングの防寒具。なんとなくカップヌードルを食べてみる。ベガルタ仙台の試合会場で無口でたたずむ謎のマスクマン。友人の結婚式にびしっと決めたスーツにマスクとソンブレロ。真っ裸にマスクをつけてオナニー。いいね〜。
☆沖なわんミュージックの雄、「Begin」の新譜が売ってなかったので、「なぎら健壱」のベストセレクションを買った。こいつはよろしい。さすがなぎらだ! フォーク・ブルーグラス調で「根性無し」の人間を歌い上げている。毎日毎日、来る日も来る日もヘビーローテーションで聴いている。カラオケ嫌いなわたしでさえ、歌ってやろうかと思うほどだ。っつーか、会社の親父(上司)やーっ、タバコ臭ぇーんだっコノ〜!まわし蹴り食らわして、ヒザから崩れたところにかかと落とし入れてやっとって!
★六日間のお盆休み前に考えたこと。1.歩いて気仙沼の大谷海岸を目指す。2.自転車で牡鹿半島まで行き、網地島へ渡る。3.「青春18切符」で大阪方面あるいは富良野を目指す。4.その他諸々・・・。結果はどうだ? 死んだ爺ちゃんと親が金を出して買ってくれた「日産マーチ」で、仙台→鳴子→角館→田沢湖→中尊寺を一泊二日でまわっただけだ。(ラブホテル泊→林の中にペンション風の一軒家が点在するタイ プだった)ただの観光やん。その二日前。「キャンプがてら海へ行けへん?」友人のアトミック海口へオファーを出すと彼は「石垣くんは、なにか実績を残そうと必死なんでしょ」といった。そうそう。そのとおり。「悪いけどキャンプという気分じゃない」という彼を連れてアウトドア店へキャンプ道具を見学しに行った。アトミック氏からいろいろと指南を煽りうけ、次第に気分が昂揚してきたわたしは、雑貨屋へ足をのばして「バックパッカー」のマニュアル本みたいなのを買った。(僕らの流行発信基地、アトミック氏は御香を買うかどうか迷ってたが結局買わなかった)仙台→鳴子→角館→田沢湖→中尊寺のプチ観光旅行を終え、じぶんの根性の無さを実感した小生の次の目標は・・・。青葉台(自宅から車で4、5分)から太白山へのトレッキングである。ただいま計画中であ〜る〜。
☆ただ単にパタゴニア(patagonia)の秋冬物を見たいがために、衝動的に東京・横浜行きを決意。びゅうプラザでチラシをもらい、スターバックスでレイコとミーティング。次の瞬間にはびゅうプラザのカウンターで予約していた。最初の予定では16500円。部屋が満室のため、品川プリンスホテルへ変更。それでも18500円。新幹線往復+宿代でこの値段は安い。九月に行ってくる。贅沢だ。調子にのっていたらランニングで足の裏を痛めた。肉離れっぽい。家で計算したら残金がビミョーだ。すこし寂しくなる。
★最近ベッカム絡みの不必要なニュースがやけに多いんじゃないか?西村知美は偉いが、あのタイミングでゴールとは胡散臭すぎはしないか?脇を固めたモー娘しかり。24時間チャリティ。すべてが偽善ッポイ。最後だけ見たが泣かなかった。
☆石巻で顧客に刺されて生死を彷徨った、白鳥くんが連絡をくれた。いまは山形 の酒田にいる。刺されたのに会社は辞めていない。お金を融資してくれるありがたい(?)お仕事に引き続き就いている。なんでも山形は規制が厳しく「うす(薄い)ボカシ」のエロビデオが入手困難だとか。テレクラに至っては二時間に一、二本電話があるかないかの世界だという。わたしが「札幌のMさんから貰ったエロビ、今度送るわ」というと「えっ、マジで?それ裏?」ともの凄く食いついてきた。可愛そうな白鳥くん。はやく彼女見つからないかなぁ・・・。「会社の女の子が凄くてさぁ」と白鳥くん。彼と上司とその20歳の女の子の三人で海水浴とシャレこんだらしいが、この女の子のアニマル柄の水着がまぶしくて生殺し状態だったと教えてくれた。 それともうひとつ。「ロボサックにつづいて○○サックも買ったわ〜ガハハハッ〜」と白鳥くんは教えてくれた。「うおっ、また買ったのか。幾ら?」「10000円。前のは五センチしかスライドしなかったのに、今度のは10センチくらいスライドすんだってば!」「気持ちイイの?」「えっ?うん」
★またひとつ、また一日トシをとる。無駄にひらひらと生きて〜。どうしようもないこと考えてんだよ〜。でもなにもしねぇ、なにも出来ねぇ〜よ〜。出世なんかしたくねぇと言っているが、出世なんかしないから心配するなよ〜。失敗することばっか考えてんだよ〜ららら〜。俺の怒りは恐怖から生まれるんだよ〜。そして怖いからどうしようもなくなって相手に怒るのさぁ〜。能無しの原始人さぁ、昔のひとは偉かったんだよね〜。ふふふふ〜。なんでも中途半端。なんでも極めるのが早い天才なんだけど〜、実はねぇ〜。だけど極め尽くしてすぐに飽きるんだよ〜。口癖は「至までのプロセス」。おーれーはーっ生きたいんだぜー、ほんとーわねぇ〜。だけどモジモジしてるんだ。夏でもオーバーを着てるんだよねぇ〜。ふふふふ〜ん。笑うね悲しいねそうだよね。しょっぱい人生だぜよ〜ぉぉ。世間ではちぢこまってるけど、レイコにはいばり腐ってる野郎だよ〜。部屋にはイエスを祀ってるんだけど疑問も感じ始めてんだよね〜。ハイハイハイ。も〜いっちょーー。ハイハイハイ。家に帰りてぇ。会社辞めてハワイで衛星放送の相撲中継を見ていたいんだぜーっぇぇ。楽して暮らしてぇーけど、トトも宝くじも買ってねぇよ〜。犬からも散歩を断られるんだよーーぉぉぉーーぉぉぉぉ。1009(センキュー) 



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