TBS「ここが変だよ日本人」はこの日、アントニオ猪木特集。わたしなどストレスが溜まるだけなので観ないつもりでいたが、アントンの怨念がわたしを桟敷席へと誘った。
イラン人だか、韓国人「どうしてジャイアント馬場が脚をあげただけなのに、相手はぶつかって倒れて痛がってる。どうして?」
アホが。それ、アントン言ってやれ。
アントンは苦笑いを浮かべてこうのたまった。「あの人には超能力があるんでしょうなぁ」
なに!アントン本気か!アホか?
結局のところ、ホームレスな猪木でもプロレスを定義することが出来なかったのだ。嘆かわしい。ついでに亡くなった馬場さんも悪者にしてしまった。
もう何度も言っているので簡潔に説明しよう。プロレスとは、格闘技でもスポーツでもない。プロレスというのは、相手が受けられるだろう最大の力加減で攻めて、自分の受身の技術で相手の技を最大限に引き出してみせるという、現代人に欠如している「思いやり」をもってして成立する競技なのである。
なぜロープに振ると戻ってくるの?「相手の技をうけるためだ」
じゃあどうして、相手の技をかわすの?「全部受けてたら、やられちまうだろう。駆け引きなんだよ」
どうしてわざわざ痛い思いをするの?「普通人とは違うというのを表現するひとつの方法だ。芸術なんだよ馬鹿野郎!」
実話だが、わたしが路肩に車を止めていると、友人に出くわした。彼とは車の窓越しに、ありきたりな会話に終始した。するとどうだろう、ものの三分も経たぬうちに急に彼がキレはじめたのだ。「ふざけるなコノッ!なんだお前は!」オイオイ、いったい何が起こったというのだ?「なにがだ?」わたしが困惑して尋ねてみると彼は、一瞬躊躇し、(どうしようもねぇな旦那は)という表情で視線をさげた。するとどうだろう。彼の目線の先には、主とおなじくうな垂れた黒々としたチンコがあるではないか!
「失礼したセニョール。許せ!」
つまり、彼は知らぬ間に受けをねらって、チンコを露出したということだ。チンコを出しながら、そうでいて関係のない会話をするというのは難しい芸当だ。わたしは本来なら、チンコを出した彼に突っ込みを入れたであろう。最高の技には最高の技で応える!普段のわたしなら、表情ひとつかえずに「寒いからチンコしまえよ」といっただろう。ぼけつっこみ。これがプロレスだ。
どうだろうか。きみが人ごみを歩いたとき、すれ違う高校生はかるく半身の体勢をとり、道を譲るであろうか(この場合、当然こちらも半身である)。譲らないだろう!!人生の様々な局面でプロレスが出来ないからだよ!!受身がとれないんですよぉ!!これではこちらは相手が怪我するかもしれないから、技がだせないんですよぉぉ!!それじゃ試合にならない。つまり地球がまわらないってことなんですよぉぉぉぉ!!!!
「冷蔵庫の納豆、かってに食べてご免ね」