何だかちょっと『本調子では無い』(文中『 』ノ箇所ヲ云フ)というのが終始一貫した、休みだった。
いずれ詳しく語ることになるのだが、4月から仕事の環境が変わって激務というか文字通り馬車馬のように働く日々が続いていて、それでも規則なので10日間の長期休暇がいつものように入った。しかしハイ、知〜らない!で済むはずが無く、せいぜい2連休が飛び飛びで続く、と考えていたのが休み直前。
だから結婚式(お呼ばれ)と友人宅訪問の週末だけが休みらしい休みで、平日は寧ろ休み明けのバタバタを無くすべく、溜まった書類を整理整頓し、捨てるものは捨てて来月分もまとめちゃおう、4コマ誌もスペース一杯だから断捨離しないと、単行本も少し売りに出さないと..深夜アニメも溜まってきてるな、見倒そう、など、つまりは引きこもろうと考えていたのだ。腰も足もパンパンだし、とにかく寝倒すのも優先事項。そして毎晩の寝酒、これもビシッと控えてとにかく身体と肝臓と心を休めよう、と。
しかし休み直前から何だか忙しない。結婚式は2次会の誘いが、旅先からはいつ来るのかの質問が、そして前の店から大変なんですというメールが相次いで入る。2次会は知り合いが少ないのでお断りし、旅先には結婚式の開始が遅いので式終わりで飛んでいくことは難しく、翌日行くことにするということで了承を得る。ひとまず土日のスケジュールはこれで少し余裕が出来る。今までなら「テキトーに」で済んでいたのに..。合間に「仕事」が入るからこの忙しなさ。そして前の店の愚痴は..聞かねばなるまい。休みの初日に店に行くと連休とのことで目的の人は居ず。それなら、とこちらも休みなのでファミレスに呼び出す。会話の内容が内容なので、どうしてもビールを飲まずにいられない?週末から飲み続きだから、今日は飲まない!と思っていた日にホロ酔い程度ながら飲んでしまう。これで週明けまで酒は続くことに。
土曜日は午前中に店に行き、ついでにそこで友人への土産を物色。このところお菓子だったのでたまには酒の肴が良いかと牛タンコーナーへ。本物は冷蔵なので送るのもなあ..など躊躇していたら、牛タンジャーキーなるものが。これはいい、としかしこれだけじゃあ、牛タンシチュー、ああ、名物だなあ、まてよ、これは銘店コーナーでなくとも売ってたような。袋別になるか、持ち歩きに面倒だ、同じお店で買ってしまえ!!『牛タンジャーキーに牛タンシチュー2袋』で4千円也。これはかなりイケてなかった。牛タンシチューは他のメーカーだったら倍、買えていたし、そもそもこれだけの出費だったら生の牛タン送った方が良かったじゃないか。新住所を教えてくれと先日言ったら年賀状に書いとるわい、と返されて、ああそうか、でそれきりにしていた。住所が分からないから送るという選択肢をまず外したのが間違いの元だったか。まあ喜んでもらえたのは何よりだったが、やっぱり単なる牛タンの方が良かったなあ。
昼にはトンボ帰りでスーツに着替え、隊長と結婚式へ。夕方からの開始だが待ち合わせは何故か午後1時。当初は結婚式終わりでその日に横浜に向かう計画だったから、飲み直しも出来ないし、じゃあ昼から飲っちゃえ!という感じで誘ったのだが、横浜行きを延ばせたので私的な2次会OK、しかし夕方までボーとしているより前祝いだ!と俄然張り切る。また0.5次会という言い方も良いよねえ(この項は前号の「ドキドキ東京」をご参照ください。彼女さんの発言からだそう)。ここへきて母親が一言『白ネクタイでいいの?最近は皆カジュアルにしてるよ』。何を今さら、白のYシャツ、黒のスーツならザキヤマネクタイで問題無かろうて。これが隊長と会った瞬間「やられた!」と。ボタンダウンのカラーシャツに、シックなネクタイ。カジュアルでいながらフォーマルな装い。こちらは親戚のオジさんスタイル..。グレーのシャツにストライプのネクタイ、隊長を見た後ならそのくらいの選択肢が浮かぶ。何しろ考える余裕が無かったんだよ..。
ついでに0.5次会での四方山話ですっかり封印していた想い出が蘇る。隊長が結婚式2.5回なら、私は10回近く行ったけれど、1回だけ行かなかった結婚式があるのだ..。その日は舞台の下準備の真っ最中だった。とはいえ親友の結婚式なので途中で抜けさせてもらって、式場へ。パンパンの荷物(着替え)を抱えながら、地下鉄の乗り換えに四苦八苦しながら会場に向かう。途中でキオスクにでも売っているだろうとタカを括っていた白ネクタイがどこにも見当たらず、思案の挙句三越前で降り、銀座三越へ。一番安いので5千円という代物をともかく間に合わせないとで買い、式の時間の数分遅れでようやく到着、した、のだが..何故か、教会の扉は閉まっており、窓から見える聖堂には誰も居ない。ここじゃないのかと愕然としながら、通りかかった人に聞いてみると、「今日は式の予定ありませんよ。」...。明日であってくれ!と恐る恐る開いた案内状の日付はどうやら昨日。何しろ曜日の感覚すら無いフリーター&本番前ということで、完全に一日間違えてしまうという天然をやらかしてしまった。どうやら先方も舞台で忙しいから来られなかったのだろうと解釈して連絡しなかったとの事。後日一升瓶を抱えて出向き、平謝りで何とか手打ちになったが、そのことは直接関係無いと思うが今は交流が途絶えている。ちなみにこの時買った高級白ネクタイは後日別の結婚式で見事スーツケースのポケットにしまったつもりが底の空いているところに入れてしまい、おそらく駅のホームに落として失くしてしまった。人生とは恥の歴史であるなあ..。
話が横に逸れた。
隊長はクビになり、こちらは辞めようかと真剣に考えた仕事の話から、「ワンピースって本当に面白いと思う?」などのいつものヨタ話まで一通りしたところで、時間。雨が本降りになってきて「結婚式、行く?」と真顔で言い出す隊長を「今日はこの為に来たんだから!」と説得し、式へ。神前式は初めて見たけど、肝心の花嫁さんが新郎の奥に隠れちゃってあいにく。参列者は洋式と違い傍観者の状態だったし。その代わりサクサク進んで段取り的にはこちらの方がいいかも。かがり火がポカポカと心地よい、と思ったら赤外線ライトでフォロー入ってました。それでホロ酔い加減もあって、すっかりウトウトモードに。披露宴は通常レストランとして使っているフロアで柱があったり高低差があったりで我々の席はほぼ個室状態。そこに友人として2人だけで座っているので、傍から見ればゲイカップルの招待席みたいだな、と隊長。ともかくテーブルの下で早速靴を脱いで、居酒屋の2軒目といった体たらくでいたのが、登場曲でキッチリ結婚式ムードが盛り上がる。アーロン・ネヴィル&リンダ・ロンシュタット「Don't
Know
Much」は90年グラミー受賞の名デュエット曲。これが掛かる辺り、さすが音楽に造詣の深い花婿、と一人盛り上がる。感激屋の二人は折々目を潤ませ、また親族両親を中心としたアットホームな式だったので我々はおとなしく、また落ち着いてお祝い出来ました。隊長は特にネタになるような話無し、と言っていたけれど、親戚のオバチャンに一人、何故か髪にハイビスカスの花を挿している方がいて、何だかフラダンスしそうな感じだと言っていたらほんとに余興でフラダンスを。それだけでも「おお!」となったのに、柱が邪魔で新郎新婦の席からも近すぎて、ステップがマトモに踏めない狭さで繰り広げられるたどたどしい一人フラを、そこまで一回も出さなかった携帯をおもむろに取り出し、写メり出す隊長を(笑いをかみ殺しながら)たしなめるという一幕なとありましたよ。
2時間半くらいのゆったりとした披露宴もお開きとなり、結構いい時間になったので家の近くまで戻り、小粋な寿司店で飲み直し。日本酒がたくさん用意されてあって肴も旨いとくれば完全に居付きモードになってしまいます。昼からダラダラと飲み食いしてるくせにまあ食べる飲む私。しかし心優しい隊長カップルに相伴してもらって、翌日に残らない、いい酒、一日となりました。
日曜は辿り着けなかった穴を埋めるべく、早朝に家を発ち横浜へ。順調に進んで10時に最寄り駅まで着く。昼前には着くよと言ってあったものの、さすがにまだ早いかな?と気を使い、途中のファミレスに寄る。朝食べて来なかったので軽く食べてしまおうとしたら、ん??全席禁煙ですか..。まあ仕方ない、「着いた」とメールしたら「お、ちょ、ちょっと待ってて!」と完全に不意打ちされたようなレスが返る。そうなれば、旅の気楽さで「追加でビール!」と。置き新聞をじっくり読みつつ、ブランチビール付きでまったりしてから、ようやく久々の邂逅となりました。この辺りからいつものように仕事を忘れる感覚が戻ってきたみたい。
しかし先方は「今が正念場」の課題締め切り前で、事前に「外で飲むと翌日ツライから、すまんが家で良いか?」と珍しく弱気発言。二泊三日の内一晩は盛大に飲み、タバコを吸い、歌って締めるが恒例であったがこちらも飲む喫うが続いており、「そうしようね」と弱気で返していた。そんな訳で日曜昼着では出歩きには遅すぎる。こちらも特に観光が目的では無いから完全に家族の日曜日にお付き合い。車を洗う、自転車乗りの練習を眺める、近くの公園でマックを頬張る..初夏の陽気に包まれながら、何とも幸せな時間。そしてこれだけは譲れない、スーパー銭湯を、せっかくだから新規開拓しようとネット検索していると、すぐ近くの普通の銭湯が何故か露天付きだったりゴージャスであると。日曜夕方、いつものところでは最も混み合う時間帯だから近場にしようか、と期待と不安半々ながら出向く。個人的には翌日の昼に独りでスーパー銭湯に行けば良いから何でもいいやと考えていたが、これが見事にビンゴ。確かに普通の銭湯で地元のおじいちゃん&孫くらいしか来ておらず、皆淡々と洗って入り、出て行くので長居の我々は露天独占状態。甥っ子(友人の息子だがあえてこう呼んでしまうw)もぬるくて独り占め出来る「壺湯」にご満悦でいつもよりじっくりのんびり風呂を堪能出来た。サウナは別料金なのだが我々にとっては必須アイテムじゃないので、露天、各種ジェット風呂付きで450円なら大満足である。いい発見だった。
さてこうなると、明けて月曜の昼間(友人家族は普通の平日)は何をしてようか?目的が一つ無くなってしまう。いや、風呂を済ませた時点でもはやイベントは残っていない。「鎌倉行ってみたら?」と昨晩の会話。「鎌倉〜?」「行ったことないだろ?」「車で通ったぐらいだなあ」「ブラブラしてるくらいなら銭洗い弁天で金洗って来てくれ!」と終始気乗りしない私に最後はノルマを課して強要する友人。まあ、ゲーセンでも行って暇潰しするさと言う私のダラケっぷりをたしなめる感じ。
昨年のスカイツリーのホロ苦い経験から、独りで観光地〜?という思いは強かったものの、天気も良いようだし、仕方ない、放浪してみるか。とようやく気を向ける。
ピーカンの絶好の行楽日和の平日月曜日。鎌倉駅に降り立ちまずはとっととノルマを果たそうと銭洗い弁天を目指す。そこしか今のところ目的地が無い。駅に置いてあったペラのガイドマップを持ち、方向感覚がまるで掴めないまま何となく道なりに歩く。まだ出勤時間くらいの午前中、観光客の姿は駅前こそチラホラ見掛けたものの、どんどん少なくなっていき、最終的には普通の住宅街の道を一人テクテクと。お上りさんよろしくキョロキョロしたいところだが、それでは見た目間違いなく住宅街をうろつく不審者である。一応要所要所に案内板が立っているので、道は合ってる、んだろうなあ。
無事銭洗い弁天到着。一昨日の雨のせいか途切れなく清廉と湧き出る清水には心洗われたものの、何だか陳腐に見える洗い場で金を洗う気にどうしてもなれず、不信心な男はとっとと次の名所へ。
同じ道を通りたくないな、とガイドマップを見て鎌倉大仏を次の目的地に定めた私はハイキングコースなる山越え(といっても里山だから単なる裏道と思っていた)ルートを選択。お稲荷さんに登ってそこから山道に入るのだが..ここ、行ってもいいの??と絶句してしまう、先があるのか全く分からないけもの道のような入り口。ちょっと、さすがに逡巡して一段降り、そこから一応手すりが付いていて道になっているっぽい急斜面を登って行くと、さっきの場所からでも行けたのであろう合流地点に着く。これは..ハイキングコースと言えるのか?お年寄りが登っていけるルートなのだろうか?という山道を越えて、またも普通の住宅街に出る。京都とか、いわゆる古都ってのはこういう名所と地元が融合した感じなのかしらん?など考えつつ、通り抜けていく。すでに1時間ほど、ひたすら歩き続けている。暑さは爽やかだが、コンビニ一つ無く、一服出来ん..。神奈川はすでにコンビニからも灰皿が撤去されているので、路上喫煙は不可能に近いのだが、それにしても一息付けないものか。など考えながらだったので、鎌倉大仏、雲ひとつない青空をバックに黙然と鎮座まします絵に描いたような一枚をパチリ。して退散。休憩所は無いがここからようやく観光地らしく土産物屋が立ち並ぶ道を歩く。
すでに鎌倉、終了の意識だったので、店へと友人への土産をと立ち寄りまくる。今一つピンとこないながら、新名物とか謳うタルトを購入。「12個入りが30%オフ」というのに惹かれたから、12個入りを買う。職場への土産物は、たいてい余るものである。だからプラス6個入りは買わなかった。この足りるのかな?という微妙な思いが、要らん事を招く。
そして何故か「豆屋」を発見。かつて川越に行った時に買いまくったなあ、と思い出し試食すると、やっぱり旨い。『友人向けにつまみ用と子供向けに甘いの、そしてコクのある黒豆』を購入。しかし豆って袋開けないと誰も手を出さないよねえ。個人的には「食べな」と強引に手に乗せられるくらい勧められないと食べない。なのに何故、友人宅への土産にこれを選んだのか自分が分からない。
長谷寺を通り過ぎ、江ノ電到着。つまり江ノ島まで行ってお天気カメラの映像を生で見てこようくらいの考え。しかし踏み切りの向こう側から漂うのは磯の香り。これはつまり、ある程度開放的な環境=タバコが吸えそうな、海岸では無いですか!?ということであっさりと踏み切りを渡り、砂浜へ。ようやく海を眺めながら携帯灰皿を取り出し、待望の一服。人心地ついて遠望すると、あちこちに由緒ありげなお寺が見える。まだまだ見てないところあるなあ、と思いつつ、足の親指に違和感。マメが出来てるっぽい..。本日着用の一足は、5年ぶりくらいに買い換えた「普段使い」のスニーカー。かかと部分が最初から潰したように薄いのが気に入ったんだが、ウォーキング向きではなかったようで。江ノ島行きの気分が萎える。海岸線沿いに鎌倉駅に戻って、どメインの鶴岡八幡宮を見て終わりにしよう、と決める。
昼時に戻った鎌倉駅前は結構な人出で、土産物屋も先ほどのルートと段違い。しかしやはりピンと、来るものが無い。二往復くらいしたところで、「数量限定今話題のスイーツ」なる張り紙を見て、これにしちゃえと。試食した限りではかなりの眉唾ものと見たのだが、もう選択肢が無い。こちらは10個単位だったので20個入りを購入。そこで先ほどの話。12個入りと20個入りの土産で良しとしたのだが、戻ってきて面子を確認すると、15人じゃないか..。12個入りのものを休み中にしれっと置いてきて、休み明けに20個入りのを持っていくという二度手間になりました。そして帰りの東京駅にはいかにも受けそうなお土産品が専用フロアにひしめいている。わざわざ『観光地でまんじゅうまがいを買う』んじゃなかった。
さて。八幡様を見てバス停に向かうと、バス時間まで30分弱。行きが電車だったから帰りは(直行ではないけれど)バスにしようと。しかし天ざるビールの昼飯も済ませたし、土産も買ったし、することが無い。唯一したいことと言えば砂浜以来の喫煙..なんだけど、どこにもスペースが無い。そこでバス路線をテクテクと進んでいくことにする。その先にもう一つ、お寺があるようなので、強いて未練を引きずるつもりもないけれどもう一箇所ぐらいはという貧乏根性。10分ほどで着くと、高名な禅寺だが拝観料200円。アイスでも食べてバス待ってようか..と日和りつつ案内板を見ていると、何と「喫煙所」と明記された東屋があるではないか。迷うことなく200円払って中へ入る。実は今まで見た中で一番興味の沸く景観、施設だったのだが、通り過ぎるだけで目的地は喫煙所。そしてそこでバス時間を勘案。2本吸ったら出ないと乗り遅れる危険。次のバスは1時間後、ここで1時間持つか??
200円でアイスの代わりにタバコが吸えた。これは問題なし。せっかくの文化遺産をぐるり一見で退出、これは書き物をしている身としてどうなのだろう。と煩悶しながらも、バスではガックリ意識が落ちる。何しろ5〜6時間かけて鎌倉を半周くらいは歩き回ったから、充分と言えば充分。
戻って風呂に浸かりながら、一人旅はやっぱり放浪になるな..次からはウォーキングシューズを履いてこようとプックリ膨れたマメを眺めつつ。
ところで仕事の方はというとチラチラ電話があって何となく引っ掛かっていたけれど、どっちみち行けないし!と開き直った辺りから電話も止んだのですっかり忘れることに。家に戻った日も一応早めに着いたものの、行きたくないという強い思いで晩酌→ヘルプ掛かっても車乗れないから無理という状況を作ってしまう。やっと次の日寝倒して酒が抜けるものの、翌日店に顔を出そうとした矢先に前の店の人から電話。同じく異動した同僚が会議で出てきてる、翌日休みで泊まるそうだから飲まない?とのお誘い。会議ということで上司が店にいないことが分かり、たちどころに仕事モードオフ。そのまま店をスルーして古本屋にだけ立ち寄ってそそくさと帰宅。送別会以来のメンバーとの邂逅はやはり愚痴大会になるもお互いすでに他人事だから楽しすぎる。カラオケまでやって休みの行程一通り済ませたところで休み終わり。え???
6月某日。ポロッ、と足のマメが皮の塊となって転がった。連休、あったんだよなあ..と遠い眼差し。