最果ての地で見たもの 石垣 ゆうじ
誰でも行けるのに伝説。それが小笠原は父島の最南西端にあるジョンビーチとジニービーチだ。島の中心地、大村から小港までバスで20分。そこから徒歩で90分〜2時間の道のりである。
小笠原といえばホエールウォッチングにドルフィンスイム、シュノーケルにシーカヤックと、海海海のオンパレード。勿論、波乗りも出来る。青く澄んだ海にもぐり、イルカや熱帯魚の群れと戯れる..。しかし、それは8千〜一万円が相場のツアー費用を支払える者やマスク、フィン、スノーケル等の道具を揃える余裕のある者達の遊びである。釣り人とて、舟をチャーターせねばならない。
すると私の様な貧乏人は何をするかといえば、ただひたすら歩けば行けるという楽園、ジョン&ジニービーチを目指すのである。
小港から中上峠を登り、ブタ海岸を経由し、高山の頂上まではただ白目をひん剥いて急勾配な山道を進むだけ。心臓が口から飛び出そうだ。脚もヒザもダメージが蓄積され、もはやハエを払う余力もない。何の為にかは分からないが、「やらなければ」という責任感だけが挫けそうな自分を支えていた。
この炎天下にジョン&ジニービーチを目指す大馬鹿野郎は、小笠原の住人ではない。そんな無謀な挑戦は誰もやらないのだ。なにせ必要なのは根性と体力、そして2リットルのペットボトル飲料水が2本分。これがないと帰路の途中で干上がってしまい、食物連鎖の最高峰にいる奴(そう、私の頭上に着いてヒラヒラ漂ってる奴だ)の餌食になりかねない。
だからこそ!!ここから生還した者は語りたがるのだ。自力で踏破しなければ見る事の出来ない大パノラマ展望、そして最果ての楽園ビーチ。イルカや熱帯魚は見れずとも、山羊や小笠原の固有種植物には出逢えたのだという喜びや達成感を。
そして、私も今、伝説の旅人の一員になる時がきたのである。既に道はない。手探りで森を抜け、砂山に足を取られ、断崖絶壁の岩場をクライミング。(マジです)野を越え、山を越え、谷を越え、ジョンビーチを越えて遂に来ましたジニービーチ!!
私は泣いた。眼下には純白の砂浜と透き通る青い海、それにシーカヤックツアーの御一行様が。「帰り大変ですね」そのガイドは笑顔でいった。
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ハワイのノースショアを舞台にした波乗少女の心意気を描いた『ブルークラッシュ』主人公のアン・マリーは数年前に溺れてから精彩を欠いている天才サーファーなのだ。彼女は友達や恋人等の励ましを受けて、パイプラインと呼ばれる大波に再び挑む。この映画に出てくる女の子は皆が小意気=小粋だ。お金はないが、精神的に自立し活力に溢れ、生き甲斐を掴んでいる。ところが廻りの野郎ときたら、粋がってはいるが、ただの野暮ったい男共でしかないのだ。先日、仙台スタジアムでこの九月に開催される女子サッカーのW杯(米国)に出場する日本、韓国、オーストラリアの三ヶ国対抗戦を観て来たが、試合を観てる野郎共は技術的なウンチクに終始し、「やっぱりつまらない」という旨の捨て台詞を吐いて会場を後にする様な輩ばかりだった。お前等に何が出来るのだ!?確かにレベルは高くないが、彼女達は自らの手で夢を実現させている成功者。自分の人生と真剣勝負してきた人達なのである。そこから何も感じられないとは。竹芝桟橋から船で25時間の小笠原。自分らしい生き方を求めて若い女の子が多く住み着いている島だ。男よりも女性が多い訳が分かる気がする。