ドキドキ東京(ブブカ・セルゲイ=シン・カネマル説)編 第99回

(初出:第106号 06.2.20)

如果下雨、我就不去。(ルーグオシアユイ、ウォジウブーチュイ。)
もし雨が降れば、行かない。という事で始まあり。
某月某日某派遣会社の登録説明会。11時。会社に着くと長テーブルに丸イスがギッシリギューギュウ。
「つめて座って下さい。」と社員に言われる。机上には何やら書類が何枚か。皆と同じように書きはじめる。
しばらく書いてると社員が説明を始める。
「書きながらで良いので説明も聴いて下さい」
皆、カリカリと書きながら聴く。
長テーブルは計3つ。私は15分前に来たのに真中のテーブルだった。集まった人々の年もバラバラ。
『150人大募集!!』と某求人誌に書いてあったので応募したのだが、横の人のヒジがあたるぐらい混んでるとは思わなんだよ。
社員の説明を聴きつつ書類書きつつしての12時ぐらい。前のヤツが急に息を鼻奥へと吸う音が!!
「ゴォーッゴオーッ」
皆がソイツに顔を向けるとバタリと後ろに倒れ、ガタガタと震えている。横の女性が声をかけるがあきらかにヤバイ。目は白目で口から泡をふいている!かけつける社員数名。
「大丈夫ですか?」と声をかけるが反応なし。その間もガタガタと震えている。社内はザワザワとパニック。
こういう不慮の事態は初めてなのだろう、社員の方々は声をかけるだけでオロオロパニクっていた。
そこへ40すぎぐらいの男性が声をかける。
「これテンカンだからタオルか何か噛ませた方がいい!舌噛み切るから。」
あまりのパニックに社員の方はワケワカンナクなってたんだべね。そのオジサンに向かって笑顔で「ハイッ」と元気よく答えただけで倒れたヤツに声をかけなおしていた。他のオジサンが業をにやして叫ぶ。
「早くタオルもってこい!?」
その声でハッ!?となった社員がヘヤの外へ走る。数秒後その社員、あまりにアセッタんだべねえ..。右手に雑巾、左手にキレイなタオルを持ってくる。
その間にポケットに薬があり、救急車を呼ぶ間にその薬を飲ませる事に。強引に飲ませつつ声をかけつつしてると救急隊員着。ちなみに私は書類書いてました。
隊員が来て一安心したので社員、あきらかにアタのフタしながらも説明再開。しかし..、社員が立ってる後ろの方で治療しているので皆集中出来ず声もなんとなくそっちを聴いちゃってるような様子。(私もだけど)
隊「大丈夫?」
倒れた大学生「ハ、ハイ」
隊「いつも倒れたりするの?」
倒「たったまに..。」
隊「今まで倒れた時はどうしてた?」
倒「横になってれば大丈夫です」
隊「家の近くの病院に行くか?」
倒「いやっいいです。」
ここで皆がピクッ!とソイツの顔を見る。私もふくめて連帯感があったのは事実。心がひとつだったので反応も皆同じだった。皆(なぜ行かぬ!?)と思っていた。
隊「薬はいつも持ってんでしょ?」
倒れたバカ「ハイ..。」
隊「薬はいつも飲んでんだよね?」
倒バ「ハイ..。」
隊「今日はどうしたの?」
倒バ「今日は飲まなかったです。」
皆の心(んあっ!?)
この時皆がビクッとして顔をソイツの方へ向けた。まるでミーアキャットまたはプレーリードックのように...。
確実にわかるのはこの時全員が心の中でこう叫んだ事。
『お前、今日は飲んどけよ!!』
そしてもうひとつわかるのはコイツがバカだという事。
しかしねえ..。急病になるのをダメだと言ってるんじゃないのよ。こういう大事な日にかぎってなぜコイツはいつも飲んでる薬を飲まなかったのか!?その神経がダメです!!
隊「救急車乗ってく?」
バ「いやっいいです。大丈夫です。」
..大丈夫じゃないのは全員が知ってんだよ!?メーワクかけてると思うのなら病院行くのが良いんでないのかしら?
結局コイツはそのまま横になったままでした。11時から始まった説明会。次の13時からの人々がぞくぞくと来てるんですが、このアクシデンタルのおかげでのびのびです。
社「申し訳ないですけどはじっこに待ってて下さい」
との事でギューギュウムンンッムンンッでしたよ。
書類書き終わった方から個人で面接だったんスが...。13時説明会の待ち人のすぐ横にての個人面接なんてなんかイヤだったなあ..。

閑話次話
いつも行ってる某カフェにて某日某エスプレッソ某ダブル某400円を飲んでると、知り合いの方が来店。
年明けて初だったのでシェイクのハンドなぞしつつ軽く世間話なんぞをしとったんです。何やら誰かを待って(アスペッターレ)るらしいのです。
しばらくして店入口に冬のソナタ時のペ・ヨンジュン風男性が来店。待ってたのはこの方らしく仲良く挨拶して私の隣に座る。
私の知り合いの方が紹介して下さったのだが私は心中(あっ!!!)となりもうしたよ。
Hさんというそのお方、私の小、中、高の同級生にクリソツどしたのよ!!(あ〜、あいつだ)と思いだしたんスがいかんせん奥手の私。なぜか言いだせずでした。
考えてると知り合いの方が電話をしに店外へ。カウンターには私とH氏。(いや〜、何て声かけっぺっしゃ?)と考えてるとこの方が私に話しかけた。
H「自分の事を客観的に見れますか?」
私「!!...ええまあ..見れますねえ..ゴルゴ13好きですから...」
(何だろうこの質問は?)と考える。いきなりの言葉としては突拍子ない。ビビリました。
私「何でですか?」
H「いやっまあ色々あるんですよ」
と明るい声で言うH氏。ウーム..。不思議ちゃん?天然?ウーム..ナゾです。色々と考えてみるがまったくわかりません。もしかして(オレはアンタが考えてるHだけどそれは過去の事だぜ)って事?それとも(鏡見てこいよハナクソ!ハナクソ!!ハナクソでてる!!!)って事?と考え自然な感じで鼻確認するオレ。どうすんの!?どうすんのよオレ!?とカード3枚を見る。1.聞く2.知らぬふり3.ビンタ後キス。私はなぜか2を選んだのよ。
その後は軽くジッポーなぞみせてもらいつつ私のライターケースの(バター)と書かれているのに興味しめされつつしてると知り合いの方がもどってくる。二人でしばらく話してH氏帰ることに。帰りぎわにお名刺をいただいたんスがそこには...。(続く)
そこには私の同級生のHではない名前がありました。私の知ってるのはR・Hでこの方はY・H。ウーム..。
色々と考えながらその日一緒だった娘とメーラン食って帰りました。
帰宅後オナニーもせずに早速高校のアルバムを見る。
(いや〜オレヤバイ顔してんなあ..)いやいやH氏だ!!
(いや〜ハウステンボス行ったなあ..)いやいやH氏だ!!
(いや〜根田何してんのかなあ..)いやいやH氏だ!!
(いや〜ミズノエ、ヤク△みたいだなあ..)いやいやH氏だ!!
(いや〜由利子ちゃんそんなでもねえなあ..)いやいやH氏だ!!
(いや〜カズヒロ何してんのかなあ..)いやいやH氏だ!!
(いや〜あれっ!オレここにも写ってる)いやいやH氏だ!!
(いや〜この靴良かったんだよなあ..)いやいやH氏だ!!
(いや〜そういやコイツフリューゲルスに入ったよなあ..)いやいやH氏だ!!
(いや〜......。)(←もうでてこなかった。午前2時だぜ!)
とかしつつR・H発見。歯並びとか似てんだけどなあ。
次に中学のアルバムを見る。
(いや〜エリちゃん会いてえなあ..)いやいやH氏だ!!
(中学のアルバムの感想はこんなもん)ってことでR・H発見。後頭部が絶壁だったのでY・H氏と会った時にアアッ!!となった私。やはり..ってアルバムではわかりませんでしたよ。
中学アルバム見てしみじみ思い出したR・Hとのエピソードが2つ。
1.バドミントン部(同じ部だった)帰りにR・Hが急に「ウナギの骨の揚げたヤツ食いたいね?」と言った。目前に生協があったので行く事に。そしてR・Hがみつけてきた商品名はその名も『ウナギホネボーン』でした。二人で「意味くりかえしだよな?」とセンスのなさをほめながら食いながら帰った。
2.部活中皆でふざけてたら急に顧問の先生が来てメチャクチャ説教をくらいました。部員全員がならんで下向きながら話を聴いとりました。
先「大会も近いんだぞ!!こんなにフザケてていいのか!?やる気がないんだったら帰れ!!」
するとR・Hが一歩前へ出て一言こう言ったのです。
「じゃあ海ちゃん帰ろうか」
その場にいた皆がわかってるんです。こういう時には帰っちゃダメだという事ぐらい。先生もキレてたものですからますます激怒。
先「ああっ!お前ら二人は帰れ!」
となりました。なぜこの時R・Hが私を名指ししたのか帰り道、コワクテキケマセンデシタ。
某カフェにて会った時に「タバコケースでも作って下さいよ」と言われたので普通は女性にしか作ってあげないのですが正体を知りたいので作る事に。
いただいたお名刺のアドレスにメールをする。悪魔で丁重に、(同級生とクリソツなんです)と。
結果
別人との事。大変失礼いたしました..。(Fin)



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