ドキドキ東京(隅田川馬石)編 第97回

(初出:第104号 05.12.20)

Non credo giusto discutere della di una persona. 人の人生のことをあれこれ言うのはよくないと思う。という事で始まあり。
私、どこへ向っているのでしょうか?
某日、交通量調査バイトをしました。2日間。私、長年この仕事やっとりまして会社の方々に顔を覚えられたのか今回はリーダーをやらされましたのよ。リーダーってもギャラ2000円プラスで会社に電話したりと軽くメンドークサイのよ。んでもって2日目の事件。
交通量が多い地点なので私をいれて9人集まる場所でした。朝6:30集合でして、2日連続という事もあり、皆ネムネム顔の中集合しとりました。そして6:30が過ぎ...7:00になりそうになり...。2人来ず!!まあ6人いれば出来なくはないのです。(大変なだけで!!)そこで私を抜いた6人で始めさせました。私は会社に電話しつつ、新しいシフトを考えつつとアタのフタしとりましたら会社から電話が。いわく「寝坊したらしいから8:00には来る」との事。ひとまずホッと安心。そして本当に8:00ギリギリに2人の若者が来る。
それらしき2人が私に近ずいて来たのだが、開口一番「ちぃ〜ス。すみませんしたあ。」と首をチョコンとさげただけ。(プッチッン!)ときましたが、まず来た事で助かるのは間違いないので状況説明後即働いてもらう。車で巡回している社員の方に説明。私、半分マジで聞きましたのよ「ボコボコにしていいスか?」社員の方は笑っとりましたが一言「さしつかえない程度にね」との事。一応気になって「チコク人達は減給にはならねえのスか?」と聞くと「メンドークサイからそうそうヒドクなきゃあならない」との答え。だったら誰かがやんねえとなあと考えとりましたよ私。(まあ誰もやんなくてもいいんだけどね。まあ言い訳としましては..事件は会議室でおきてるんじゃねえんだ!現場でおきてるんだよお!)
私、リーダーという立場上一応皆の様の子なぞを声かけつつ軽く笑かしつつフェラしつつ(ウソ)穴かしつつ(ウソ)なごやかに見回っとったんスよ。礼儀という程じゃあないが、「おつかれ様」又は「おつかれまさ」などとあいさつはするべね。冬の日も釣瓶落としなので「ザブイゲドガムバッデグダザイン、ボナパルト!!」と声をかけるのですよ。そうすっと普通の人は「おつかれどす」的返事ぐらいは返すんですがね。チコク組2人はシカトです..。(サミィカラアッチイケ)的?(ハナシカケンナウゼェ)的態度でした..。足を組んでるのを注意しても私が他へ行くとまた足組んでたり..。
んでもって夜7:00になりました。社員から預かってたギャラを私がくばるんですが、その時はネームプレートが各自にくばられてましたので、それと交換しつつギャラをわたしましたのよ。ネームプレートには各人の年齢も書いてありました。(オォ!!チバさんはまだ20才だったのか!?)などと軽いオドロキなぞもあったのですがチコク組2人の年齢をチラリと見たら『29才』と書かれとるじゃあないですか!?29才であの態度!?29才でチコク!?とオドロキマシタネェー。んでもって皆にくばり終わり解散しました。そして...。
私はチコク組2人の背を押し建物の裏へと導きました。誰もいない駐車場の車のカゲへ。
まず私側の一人にボールペンを堅く握った右手で脇腹にボコリ。怯むもう一人の袖をつかみ脇腹にボコリ。蹲る2人の足を踏んでおさえつつ2人の髪をつかみつつ「何で殴られたかわかる?」と小鳥のさえずりの様なやさしい声で聞くオレ。
そういう時になってやっとハッキリと目を見つめてあやまる2人。
「スミマセンでした!!」×2
「何で殴られたかわかる?」
「スミマセンでした!!」×2
「スミマセンじゃないでしょ?何で殴られたかわかる?」
「スミマセンでした!!」×2
私、延々と教えてあげました。(言葉と手で)
そして2人が車に乗りこみ「おつかれさま」と声をかけ走りだしたのをカクニンしてから私も帰りましたとさ。
いやはや慣れない事はするもんじゃないよねえ。次の日は右手首、二の腕など筋肉痛だったもん。
私、こんな事する子じゃなかったよなあ..。
数日後友人とサイゼリヤにてメシ食いながらその心温まる話をする。すると友人が笑いながら「いやぁ〜オミゴトだねえ。プロの手口だよ。ヤ◎ザみたいだね」とオホメの言葉をいただく。
私は聞きました友人に。
「最近は面白い事なかったの?」
「う〜ん..、そうだ!この前さあ〜」
と話してくれた内容..。一言でいいますと『どっちがだよ!?』という事。いわく。
友人はアパートの1Fに住んどるんです。マドの外に自分のチャリを置いとるそうな。ある日の夜11:00頃のこと。
友人はマドを開けつつ外見ながらタバコを吸っとったそうな。すると上からポタッポタッと音がする。(雨かな?)と思い顔をだし上を見るとそこには..。トランクス一枚の姿のギャル男がタバコ吸いながら下にペッペッとツバをはいとったそうな..。ブチブチッ!!ときた友人は2Fにかけあがりドアを長淵キック。数秒後浅黒ギャル男がパンツ一丁でドアを開ける(チョコッと)
ギ「ナッナッナンデすか..。」
友「おメェー今下にツバはいてたろ!?オレのチャリにかかってんだけど!!ふけや!?」
すると事の重大さを察したギャル男。ヘヤの奥にむかってさけぶ。
「ナナコ!ナナコ!タオル!早く!!」
速効でバスタオルをもってくるキャミソール姿のナナコ。ギャル男はハダシで下までおりてきて友人のチャリをふいたそうな。ギャル男はあまりの衝撃だったのでしょうね。何回も何回も友人のチャリに対して「いい自転車っスね」と言ってきたそうな..。
ちょっと冷静になった友人はギャル男の肩をだき声をかけたそうな。
「あのな、お前だけが住んでんじゃねえんだぞこのアパートは。」
友人いわくその時ギャル男の肩は小刻みに震えてたそうな..。
ねっ『どっちがだよ』でしょ。
(fin)



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