ドキドキ東京(東野です) 第316回

(初出:第323号 24.5.20)


Acqua calda. お湯。という事で始まあり。
某日。フラリとひとり飲みに。いつもの某横丁にて中国人ママの居酒屋へ。カウンターだけの店でして、店内には関西弁の若者4人が。ママにうながされひとつ空けて座る。
若者A「お兄さんよく来はるんですか?」
私「ええたま〜にですよ」
若者B「ここえ〜店ですな!!」
私「そうですかねえ〜」
ママ「オマエバカヤロー!ダマッテロ!!」
皆ワッハッハと。
すると70代ぐらいのババアが私のとなりに来る。トイレいってたみたい。
マ「コノヒトワカイオトコスキウミサントナリスワラセテネ」
私「ヘイ」
金もってる感もないゴクゴクフツーのババアです。見たことないブランドのバック。アクセもなく普通のジミなカーディガン&ジーンズ。若者が声をかけてくる。
若者C「今日、牛タン美味かったすわ〜、△△ってトコ行ったんすけど、もっと美味いトコ知ってはります?」
私「ん〜、そんなに行かないですからねえ〜、けど△△は美味いっスよ」(本当は行ったことないけど)
若者D「あたりやったんや!メッチャ美味かったもんな!」
若者A「他に有名な店ってあります?」
私「う〜ん・・・・、××とか○○とか有名ですかね〜」
若者たち「おお〜!明日そこ行ってみようぜ!!」
するとババアが私の耳元に近ずき・・・・。
バ「ちょっとだまってて」
私「え゛っ!!」
バ「アンタたち!東北に来たなら日本酒飲みなさいよ!ママだしてあげて!」
若者たち「え〜っ!マジすか!?ゴチすか!?やった〜!」
・・・・。え〜っと・・・・。こ、こわいっス・・・・。カウンターだけの店。自分が回したいって事スかねえ・・・・。ってか俺、話しかけられたから答えただけなんスけど・・・・。
そんな事など知らず気ずかず若者は私に話しかけてきます。
B「お兄さんも日本酒飲まはるんすか?」
私「たま〜にですよ」
ママ「コノヒトツヨイヨ。イツモココクルトキサンゲングライデクルヨ」
C「やっぱ東北の人は日本酒強いんやね」
私「いやいや、たしなむていどスよ」
するとババアが私の足を手でググッと押し・・・・。
バ「この日本酒は『酒米』といってね、食べるお米と違う種類で作るんだよ〜。東北は米どころだから」
若者たち「は〜・・・・・」
・・・・。まあ・・・・。知ってますわなそんなことぐらい・・・・。皆ス〜ンとなってんじゃねえかババア・・・・。
バ「特別なお米なんだよ。日本酒作る時の米ってのは」
若者たち「は〜・・・・」
空気をかえようかとA「お兄さん!キャリーケースに入るぐらいのちっちゃいおみやげって何かないすかね?」
私「キーホルダーとか?」
若者たち「キーホルダーって!!俺ら24ですよ!きっしょいですや〜ん!」
ババア以外「ワハハッ」
するとババア私の耳元に近ずき・・・・。
バ「もう話しかけないで」
・・・・。俺、何かしましたかね・・・・。ってかちょっと面白ろくなってきた私です。私の内なる悪(普?)がフツフツと。なので攻めてみることに。攻撃は最大の防御なり。
私「そうだ!笹かまはどうスか?小っちゃいのもあるし」
若者たち「ああ〜、それいいっすね!!」
私「色々なメーカーあるんスよ。私は○かま派ですけど△かま、□かま、×かまとかいっぱいあるのでおみやには良いんじゃないスかね〜、ねっお母さん?」
バ「えっ!!」
ババア押さえつけてた俺が急にテンションあげて話してきたのでちょっとメンクラッとりましたよ。
私「お母さんはどこ派ですか?」
若者たちキョーミシンシン顔ですよ。
バ「私はどこのでも・・・・」
私「いや!絶対各家庭ごとに何派ってのがあるじゃないですか〜!」
バ「だいたいいつもいただいたりする感じだから」
私「その中でも何派なんスか?」
バ「う〜んと・・・・。×かまかしら」
私「あ〜、一番マズイメーカースね」
若者たちウケてましたよ。
A「じゃあ×かまはなしだな」
C「いや、俺はあえて買ってみる!」
などなどと。
ババアにキッ!とニラマレましたが私は先にでましたよ。けどさあ、何だったんだべ・・・・。

閉話次話。
『終わりの始まり』『終末へのファンファーレ』は急に・・・・。
某日。私の働いとります某施設。月1で担当者と私との会議があるんス。何てこたあない紙1枚ですむ会議?うちあわせなんスがね、それ終わりに担当者が「俺、担当ここはずれるから」との事。「前担当のAにかわるから」との事。前担のA氏。行動は早いのだがやり方はゴーイン。「文句言うなら辞めろ」「社長決定だから」の人。某施設側も普通に嫌っとります。職員には笑顔でペコペコで現場で働く我々には高圧的なのを見られてるので「何あの人!?海さん!社長に私たちからTELしますか!?」などと言ってもらったのも数回ではないんスよ。
んでもって某日。現担から話があり・・・・。
いわく「新しい社員をよこす。ただし8時から出勤」との事。
私が働いとります某施設。我々は7時半から16時半までの勤務なんス。聞くと新しい人は8時〜16時半で良いとの事。
私「ここは早出してなんぼのトコっスよ?それだとその人、働く(やってもらう)場所(各道場)ないんスけど・・・・」
現担「それでもいいんだって」
私「それならいらねえっスよ・・・・」
現担「俺もそう言ったんだけどさ、『人たりねえべ?』の一点バリでさあ〜」
私「・・・・。」
現担「社長決定なんだとさ」
う〜む・・・・。今は人数たりてるから大丈夫なんスけど・・・・。
んでもって某日。早出し〜ので私は仕事を終わらせ〜ので新人を待つ。が8時になっても来ないんスけど・・・・。TELしてみると・・・・。
新「社長から16日から出勤と言われたんですけど・・・・」
私「えっ!!!誰からも何もきいてないんスけど・・・・。」
その日の昼前。新担Aとその上の人が来てうちあわせとなっとりましたので軽ブチ切っときましたよ。新担Aに色々と聞く。いわく「働く人数は契約で決まってるのでひとり追加した。今まで契約違反だった。社長決定」との事です・・・・。
パワーで押しきる・・・・。ちなみにこの新担Aが面接した人って皆辞めてってんだよねえ・・・・。どうなることやら・・・・。
(fin)


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