ドキドキ東京(クッピーラムネ)編 第209回

(初出:第216号 15.6.20)


I giapponesi hanno i capelli neri. 日本人は髪が黒い。という事で始まあり。
4月某日。仕事してると姉からメールあり。いわく<今朝、おばあちゃん亡くなった>との事。う〜む・・・・。そうかあ・・・・。
あまり頻繁に本家に顔をだしてない我家ではありますが、私は3、4年前に墓参りした時に顔はみせに行ってたんです。その時すでに寝たきり状態。長男である父が介護しとったんスよ。その時おじいちゃんは完全にボケとりましたが健在だったんス。
う〜む・・・・。とは考えたものの・・・・。本当に冷めたいかもしれませんが・・・・。あまり思い出がないのに気付いたんスよ。子供の頃、夏休み、冬休みなどに行ったりしましたがその時の思い出っつうといとこたちの記憶が強いんスね。とはいえやはり悲しいですよ。

『忌引』なるものの事を聞こうと担当者にTELする。
私「おばあちゃん亡くなりまして〜〜、んで、忌引ってどうなってんスかね?」
担「う〜んと・・・・。どうだったっけかなあ・・・・。あっ!そういうのは△×部長に聞いてみて」
私「・・・・。はあ・・・・。」
という事で部長にTEL。
私「〜〜〜という事なんスけど忌引ってどうなってんでしたっけ?」
部「う〜ん・・・・。多分ねえなあ。喪主だったらあるはずだけど・・・・。社内規定あるでしょ?読んでみて」
との事でして調べてみると・・・・。ねえの・・・・。
姉と色々とやりとりし〜のでけっきょく葬儀だけでる事に。
大人になって知ったんスがね。私の家系は長生きみたいなんスね。私、40にして葬儀にでたのは今回で3回目ス。(おばあちゃん99才どした)
数日後の休みの日。姉と本家へ行く。親戚のオジさんオバさん達にあいさつし〜のでおばあちゃんにお線香をあげて手をあわせる。
おじいちゃんは今は介護施設にいるので顔を見に行く。
施設にはいっているとはいえ普通に立てるし言葉もボソボソとではあるが会話できる。(ただし一方的にだけど)
「家に帰りたい・・・・」と言ってたのが印象的でした。
とりあえず本家にもどる。
私「おじいちゃんの顔みてきたよ」
父の妹のだんなさん「元気だったでしょ?」
私「はい。よく言葉は聞きとれなかったけど・・・・。」
だ「世田谷の話されなかった?」
私「いや。」
だ「じゃあ2・26事件の話は?」
私「何スかそれは?」
いわく、電車の運転手をしていたおじいちゃんは若い頃東京で働いとったそうな。んでもってだんなさんが会いに行くとなぜか『2・26事件の時は大パニックで大変だった』と『世田谷に女が2人いて、どっちの家にいつ行っても大丈夫で今日はどっちに行くかなあ』という話をするそうな・・・・。
ボケちゃうとねえ・・・・。まあ、いい思い出だけがね・・・・。まあまあまあ・・・・。
んでもって数日後。葬儀。内モモメッチャつねりつつ終了し〜ので火葬場へ。軽い食事なんかを食しつつ待っとったんスがね。父のすぐ下の弟の△おんちゃんが酒を飲みまくっとるんスよ・・・・。
この△おんちゃん。私が子供の頃は東京で働いとりまして、正月などに会うとその当時仙台ではみたことないようなミント味のチョコだのをおみやげに買ってきてくれたりするオジさん。というイメージだったんスよ。大人になるにつれて私が本家にあまり行かなくなったもんだから途中がないんス。なので良いイメージのままだったんスがね、それが何つうか・・・・。子供の頃には知らなかった△おんちゃんは色々と聞くととんでもないっつうか何つうか・・・・。な人だったみたいっス。
カンタンに言うと・・・・。働いたり働かなかったりヘヤ火事おこして病院かつぎこまれたりとかなりアッパーな人だったみたいっスね。(回りの人にしてみたらダウナーな人か)
こういう時の食事っつうのは一銭もださないもんだから食うわ飲むわで・・・・。
時々△おんちゃんの方に耳をかたむけると・・・・。
「だからダメなんだ!」
「あんたが死んだ方が〜〜」
などなどなど・・・・。言いすぎでねえのスか?ってぐらいメチャクチャ言われまくっとるんですがね、対する△おんちゃんはというと・・・・。何を言われてもケロッとしてるのね。
何ともまあ・・・・。見てたり聞いた話によると・・・・。本当の俺の親って△おんちゃん!?という感じの人だったのが何かショックっつうか・・・・。(俺はこうなっちゃダメだ!)と心中自戒したしだいどす。
んでもって色々やり〜ので帰宅。慣れないスーツだし色々と色々とでどっとつかれたっス。

んでもって某日。家で横になり〜のTV観てたんスがね。TEL鳴り〜ので誰かも見ずにでたんスよ。
私「あい。もしもし」
?「・・・・・・・・。」
私「もしもし?もしも〜し!」
?「・・・・・・・・。」
私「もしも〜し!」
チラリと画面みると未登録番号。(ハテ?)と思いつつも
私「もしも〜し!」
?「おつかれさまです」
私「どちら様ですか・・・・!?」
?「38です。お久しぶりです」
私「・・・・・・。はっ・・・・はあ・・・・。一体・・・・。何スか?」
38「某施設の皆がちゃんとやってるかなあって思って」
私「・・・・。ハァ・・・・。んで何スか?」
38「ガンバってるかなあって思って電話したんですよ」
私「・・・・。」
38「合宿所大変なんですって?」
私「うーん・・・・。まあ・・・・。んでどうしたんスか?」
38「えっと、これと言って何もないんですけど元気かなあと思って」
私「・・・・。」
この日の夕方。
35「あ〜。38さんに会いたいなあ」
私「家ここら辺だから会いに行けばいいじゃないですか」
35「いや、そうじゃないんすよ」
私「じゃあお母さんのスナックに行ったらどうスか?」
35「いや、そうじゃないんすよ。何つうか・・・・。チラッと見たいんすよねえ」
私「本当好きっスね」
35「こんなに想ってるのに何で会えないんすかねえ」
私「想いがたんないんじゃないスか」
という会話をしたんスよ。な・の・で・・・。
私「35さんにTELしました?」
38「いやしてないです。」
私「じゃあ35さんにTELしたらいいですよ。それに俺ちょっと飲みに出てきてるもんで・・・・。じゃっ失礼しまあ〜す」
プッ!!
と切ってやったんスがね・・・・。いやはや・・・・。一体何なの!?コイツ、俺と一緒にいたくないから昼休みに家に帰ってた男ですよ!?それが『元気かなあと思って』って!?恐ろしい。恐いっス・・・・。気味悪いっス。
35さん次の日休みだったのでその翌日。TELあったか聞いたらば・・・・。
35「・・・・。なかなか切らせてくんなくて40分ぐらい話したっす・・・・。」
35さんも一体何の為にTELしてきたのかわからなかったそうな。2人で会議の結果。
本社で仕事についていけず誰からも相手にされてないのを自覚してたそうで、その事を社長に相談したそうな。社長はなぜかこういうモンスターが大好きで(なので本社には色々なとこから捨てられてきたポケモン達がウジャウジャいる)「ボイラーの資格をとれ」と提案されたそうな。なのでその自慢をしたかったのでは?との結論になったんスよ。38がヤベエとなり本社の私と変わる時、『本社で使えない海口と交替』という体にしてたので『私=ダメな人』というのがヤツの頭にはあるんスね。なので<俺は社長直々に資格をとれと期待されてるぜ!!>的発想なんでせう多分。
こんな時にはダブルスパイのブタ女のツイッター。という事で観てみるとTELあった前日から頻繁にやりとりしてるのね。ブタ女に聞いてみる。
私「最近は38さんからメールとかくんの?」
ブ「いや、まったくないですね」
私「ふ〜ん・・・・。俺こないだTELきてさあ」
ブ「えっ!!」
私「何だかわかんねえんだよねえ」
ブ「あっ!そういえば1回メールきましたよ」
・・・・。5秒もたってねえのに・・・・。ウソついてんじゃねえよ・・・・。
ブ「今度、講習会あるから行くよって」
私「それだけ?」
ブ「はい」
私「ふーん・・・・。」
ブ「あっそうだ!何かボイラーかなんかの資格とったとかなんとか書いてましたよ」
私「ふ〜ん・・・・。」
ウソつくならつき通せっつうの!!ってかウソばれてんだけどね。

んでもって2週間後。
いつもの様に仕事してると姉からメールが。いわく<じいちゃん倒れて入院。脳梗塞。>との事。
う〜む・・・・。
んでもってそれから1週間後。
いつもの様に仕事してると姉からメールが。いわく<じいちゃん亡くなった>との事。
・・・・。う〜む・・・・。38の呪いか?
色々とシフトなど変え〜ので有休つかい〜ので何とかする。
人生初通夜。つい先日会ったいとこやオジさん達とあいさつなどし〜ので通夜。その日は会館に泊まることに。泊まるのは私ら家族&△おんちゃん。
ご多分に漏れず通夜振舞いを痛飲した△おんちゃん。なぜか連チャン喪主で調子にのったのか私の父も酔っ払っとりました。
△おんちゃん「今日の坊さん若かったなあ。なあ兄貴?」
父「何かお経ヘタだったな」
△「途中でつまってたもんな」
父「俺、毎朝お経あげてるべ。俺よりヘタだったな」
△「兄貴何で毎日お経あげてんの?」
父「うるせえなあ、いいべ!あっ!そういやここで木魚売ってないかな?」
母「木魚って何すんの?」
△「何すんの?たたきたいの?」
父「ほしいんだよ」
△「何で?」
私、姉、母「・・・・。」
父「何でって毎朝お経あげる時にいいだろうが!ポクポクッてさあ」
私、姉、母、△おんちゃん「・・・・。」
父「お経あげる時に必要だろ?なあ?」なぜか私を見る父。
私「いらないんじゃないの・・・・。」
母「そんなのどこに置くの?」
私「そんなのって仏壇のとこだろうよ!」
△「じゃまでしょそんなの〜!」
父「じゃまなのはオメーだろ!」
△「いらないって兄貴!」
父「いるいらないじゃないの!俺がほしいっていったらほしいの!!」
私、姉、母、△おんちゃん「・・・・・。」
・・・・。何だこれ?
自然と空気がおかしくなり酒もなくなったのでおひらきに。翌朝△おんちゃんは友人を向かえに行くとの事&しょんべん近い(本人談)なので仏様のすぐ横に寝ることに。我が家はとなりのヘヤに。△おんちゃんフロに1番に入る。出てくるとパジャマ下が前後逆に・・・・。
フトン入って4秒でねてましたね。おんちゃんいわく『明日は6時半に起きて7時半には友人の家に行く!』との事。

翌朝。
父のケータイアラームの大音量で目覚める。私、時間見ずにとりあえず起き〜ので缶コーヒー飲みつつプクイチ。あくびしつつヘヤもどると△おんちゃん爆睡中。私が横を通る時になぜかハッキリと「アイザワ!!」と寝言。
んでもって時間見ると・・・・。5時15分!葬儀は8時半から。・・・・。早すぎるべととなりのヘヤのフスマをあけたんだが・・・・。父なぜか爆睡中でやんの・・・・。その横には無理に起きてしまった姉と母が・・・・。
けっきょく父が起きたのは7時。フト見るとパジャマのズボン下が逆・・・・。この兄弟は・・・・。
友人を向かえに行くと意気込んどった△おんちゃんはというと・・・・。7時半起床。
母「△さん!向かえに行くんじゃないの!?」
△「う〜ん・・・・。いいや」
全員「・・・・。」
けっきょくその友人は8時半前に普通に車で来てました。なのでなぜ△おんちゃんがハリキってたのかナゾっス!


そんなこんなでしたが無事全て終了しましたよ。おばあちゃんとおじいちゃんは仲良かったので呼んだんでしょうね。これ以上呼ばないためにおじいちゃんの棺には人形を入れてました。
とにかく、合掌。
(fin)


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