-TOPIC-
いよいよ電子書籍にするか。思わず検討に入ったのは芳文社「COMIC
FUZ」の配信サービス。
「月額780円で「まんがタイム」全誌が読み放題」となれば、昨今立ち読みがしづらい状況の中、毎月2誌買うのとほぼ同額。うーん、しかし3誌中2誌では..と、きらら系列4誌(フォワードはストーリー漫画誌)も含まれている。もはや長期連載の数作、しかも立ち読みオンリー、専ら単行本読みというビジュアル系も、これで全作読み出すことが出来る。というか、4コマ語っているのにその辺スルーしててどうなのよ。さすがに百合のファンタジーのの学園ものだらけというのは追うのキツイのよ。この読まず嫌いも解消される。
そして値段云々より、購読寄りになって困っている、バックナンバーが棚を圧迫して半年程度でリサイクルに回さなくてはならない問題が大幅に減るメリット。
ただ熟考している内についたケチもここで、「最新3号」が読めるというのは個人的には「短すぎる」。処分時には何度も読み返して気になるトピックを残しておく、このスタイルは毎月3カ月前の号が順次消えていくのでは通用しにくい。
熱が一気に覚めてしまったのは、その時に4コマ誌を読んでいた状況。ナイターを観戦中。ひいきチームが2点差で負けていて、逆転の目もあるから見過ごせないがチャンスが来るまでは見どころ無し。特に相手チームの攻撃時は眺めずにやり過ごしたい。そこで4コマ誌に手が伸び、パラ読みしていてこの宣伝ページを発見したのである。同じ読み方を、電子書籍で出来るか。パソコンは立ち上げ面倒。スマホ、うーん、作品は読めるけど、記事まで電子化してる?コラムも意外と読みどころあるんだけど。
そういうのは他社誌でやって、芳文社はパソコンで読めばいいじゃん!つべ観るのと何が違うの?新しいことを始めようとしない中年め!
セルフツッコミを入れても腰の上がらない。まだ頃合いではないようです。
-PICK
UP-
ワイド4コマで今のところ最大のヒット(私見)にして、3巻の壁も越え、変則コマ割りも含めて諸々のエポックと後世に語り継がれるのではないか。丸井まお『となりのフィギュア原型師』(タイオリ)は40話で何と新展開を迎えた。原型師の日常をテーマにコメディしていたのが、トーナメント開催!バトル漫画に鞍替え!?
真右衛門「KOマウンテン!!」(竹書房)以来の格闘4コマ、では無いがキャラが揃ってきての新キャラ登場も含めての原型師同士の直接対決とは満を持した感があり血沸き肉躍る。
メーカー主催の配信企画というネタバレはすでに最初からされているので、あくまでお仕事紹介、ルポものとしてのエピソードに過ぎない可能性もある。まんまと柱アオリに乗せられただけかも知れない。ただここを、主人公以外の対決も丹念に描いていくのなら、今までのゆるーいラブコメから毛色が変わってくる。少なくとも「となりの」という看板は外さなければならなくなる。いい意味でストーリー4コマ爆誕である。いずれにせよガヤのツッコミも楽しいノリは変わらないと思うが、「次号が気になって仕方ない4コマ」にここへきて変貌を遂げるか。
-REVIEW-
ユウキレイ『まほろば小町ハルヒノさん』(タイム)
ワイド4コマ絡みで青田買い。まだ始まったばかりだが色々な点でワイド4コマの利点を活かしていると思うし、新しい試みも見られる。コマサイズが大きくなることで増やせるのが情報量。だからご当地まんがは向きと思っていたからやっぱり、と言った感じ。学園ものながら郷土研究部が舞台でいわゆる地方あるあるがメインではなく、本作はガッツリ奈良の観光、歴史を紹介する。さらに柱には一言メモの欄が。キーワード解説に留まらず、キャラクターのこぼれ話といったお楽しみ要素も。そして小見出しがなんと枠下に。タイトルがオチに絡んで読み返すと二段オチというのは重野なおきの得意とする方法だが、本作は最初からオチ下に持ってきた。
タイトルになっている美人部長は実は鹿の化身で、初めて正体を知ったのは東京から来た転校生で初の部員となり..と、設定はありふれつつも「観光案内と間違われても仕方ない充実した内容」(作中小見出し引用)に期待は膨らむ。
何より掲載誌が創刊500号を迎え、皆勤賞の植田まさしが今なお巻頭を飾る本家「まんがタイム」誌(芳文社)である。かつてなら指摘事項にもなった「詰め込み過ぎ」がワイドで解消されつつ、観光PRまんがと言ってもいいくらいのネタというところが新しさと古さのハイブリッド登場を感じさせる。
作者は一般誌で活躍し、主人公がいずれも?ケモノ。これもまた1ジャンルとして確立しているがケモナーならずとも楽しめる間口の広さを持っている絵柄。無論4コマ大歓迎である。