このところ立ち読みでしか追えていない状況なので、今回は思いついたことをズラズラと並べていくだけになってしまいます。
小石川ふに『センセイあのね?』(ホーム、終了)がとうとう終わってしまった。後半はどんどん気になっていく先生の姿が描かれていて、卒業=ラストの流れは見えていたから結論はどうなんだろうと思っていたが、相手側からの明確な言動は示されないまま主人公のタイトルに掛かった台詞で完結。単行本には書き下ろしでラストエピソードが付くそうだからハッピーエンドはそちらでということか。まあ甘ったるい雰囲気にニヨニヨするというのが本作のテーマだったから結果どうなるは想像通りで問題無し。結構長かったと思っていたんだけど、単行本は2巻で完結。連載期間としては(月刊誌掲載で)2年〜3年の分量であり、4コマとしては一般的な長編と言える一つの目安。
「まんがタイムきららミラク」誌(芳文社)も創刊から2年を過ぎ、当時からの連載がいくつか終了して「単行本2巻」で完結。ストーリー4コマとしてはこれで終わるようなら物足りないわけで、今後3巻目が出る作品に関しては新しい波を持っている可能性が多分にある。
3月に単行本2巻が出たばかりだが、早くも目を外せない作品が杜康潤『孔明のヨメ。』(ホーム)。三国志を4コマで、という時点でかなり眉に唾していたのだけれど、動乱の芽を捉えつつある現シリーズが面白すぎる。失礼ながら主人公のヨメちゃんは二の次で、市場流通の観点から異変に気付き出す男たちの行動に毎号酔いしれている。
紹介していないけれど何となく読み進めている作品、漫画家というのが結構増えていて、じゃあここの存在意義は、さっぱり紹介していないじゃないかと責められるのが痛し痒し。そうやって先延ばししている内にまた一つ、終わってしまった。由多ちゆ『はなとふたば』(ファミリー、終了)は繊細過ぎるタッチで恋模様を描いた、少しアングラ的な(いうならばガロ的な)作風が好みだったりして読んでいたのだが、どの程度深く掘り下げていくのか見極められないまま、それぞれの成長を持って完結してしまった。内容は違うけれども、思春期の感情を描いた野広実由『惑い星と花』(ライオリ、終了)は等身大をさらけ出すという一つの結論を明示して卒業したところに眼目がある。売れっ子の冒険作だったがきっちり見せてくれた。「はなとふたば」の方は優しい世界だけでは描ききれないエピソードがまだあったはず、という読後感を残し、単行本はどうやら未刊となりそう。今までと違いいずれ作品集として短編を加えて出されると思うのでそこのところ責めないでおく。
ちょっと不可解に思ったのは「まんがライフSTORIA」誌2号(竹書房)。4コマ作品のショートバージョンは相変わらず楽しめるものの、入れ替わりの新作は色気重視ですか。10〜20代の新規購買層を狙う意欲は分からないでもないけれど、巻頭の神仙寺瑛『動物のおしゃべり』の読者層とのアンマッチが大きすぎるのでは。寧ろそういうの得意な方にあえて非エロの作品を描いてもらった方が面白いと思うのだが。残念ながら購買のきっかけにはならなかった。
不可解な話をもう一つ。これは結果解消されましたが。「まんがタウン」誌(双葉社)で梅川和実『となりの工学ガール』が連載開始。本作は以前に「まんがタイムファミリー」誌(芳文社)で描かれており、個人的にも主人公がロボット製作を夢見る女の子で、すごい有能なんだが女嫌いの先輩だか同級生がいて、という内容は覚えている。しかしいつの間にか載らなくなっていて、ゲスト止まりだったと思っていた。そんな作品が「名作」移籍の名の下に連載となり、そんなアオリが通用するのと思っていたら。調べてみるとゲスト→連載と順調に進んだ直後に作者産休となって中断し、宙に浮いてしまった作品だったようだ。となれば名作と言われてもあながち誇張とも言えないわけで。しかし芳文社が(どのような経緯にせよ)放り出した作品を双葉社が大々的に取り込む。3強と言えなくなってきたのか、あるいは芳文社の驕りが垣間見える現象なのか。
というのも久しぶりにパラパラめくってみた「主任がゆく!スペシャル」誌(ぶんか社)に、他社で見かけなくなった方々が散見されたから。描ける場所を探して転々、という印象は持てず、売れ筋を強要されるのを嫌って伸び伸びとという感じにも見受けられる辺り、一極集中の歪みが見て取れるような。何にせよ業界は常に蠢いております。
余談ながら「まんがタウン」誌では先日阿部川キネコ『パンクかあさんとロリータむすめ』(タウン、終了)が終了。不定期連載で5年越し、ようやく単行本が出たのを機に連載になってわずか半年であっという間の完結。これ単行本2巻は出るんだろうか。終わりになるくらいならたまに見かけるペースのままで良かったのでは。良作の唐突な終了はどこに非があるにせよ裏切られた気持ち。
締めはやっぱり待望のこれ。宮原るり『恋愛ラボ』(タイム、スペシャル)のアニメがいよいよ始まりました。BSなのでまだ1話までですが、他の番組はほとんど録り置かれている現状にあって早速拝見致しました。現在アニメ化記念企画として「まんがタイム」誌ではショートバージョンで過去のエピソードを続々と発表しているわけですが、かつてのインタビューで話していた「二人の性格設定しか考えていなかった」とはとても思えない有機的なつながり、エピソードから分かる通りのストーリー巧者ですから、今までの4コマ作品のように各話からエピソードを集めてまとめる形ではなく、1話から順番に筋が拾われているようです。しかも冒頭は単行本1巻のカバー下の書き下ろしから、エンディングのモチーフは同じく単行本1巻の裏表紙から採用となかなかのマニアックぶり。ん?それにしては書記の登場が少し唐突に思えますが。いずれにせよ単行本1巻を丸々費やしたことで有名な「恋愛ラボ結成話」が前半のメインになるわけなので、ドラマチックな展開を期待したいところ。元々漫才のような早いテンポのやり取りが肝なので、個人的には「カレカノ」のようなマシンガントーク連発をイメージしていたのですが、初回を見る限りでは割とおとなしめ。とはいえ声優インタビューでは「最初からこの掛け合い飛ばしすぎ」みたいな話が出ていたので、これは台詞がイマドキのJCのようなかしましさが無いから限界なのかなと思って納得。全体的に百合的というか友「情」を押し出した演出なのはトレンドだからか。などなどあれこれ思いながら楽しみたいなと。