週イチのペースでしか乗らなくなった原付。先代は後輪が空気抜けがちで、乗る度にタイヤを触って確かめてから乗っていた。バイク屋の兄ちゃんに真顔で「ツルツルですから換えないと」と言われようやく交換したものでした。
現役は現在、前輪が気付くと空気が抜けている。数か月置きくらいだから走っていて違和感を覚えたら次の乗車でバイク屋に寄る、というペースでいた。先日ついに「亀裂入っているから換えないと」と言われたものの、そこから1月空気が抜けている気配が無いので「どうせ冬場は益々走らせないから、暖かくなったらだな」なんて悠長に構えていた。
車のエンジンの掛かりが悪い、ような気がする。回した時の反応が一拍、遅いような。しかし車検が間もなくだからその時言えば良いや、と考えていた。
携帯も寒くなってきていつものように電池の減りが目に見えて早くなり。モバイルバッテリーを検討したまま1年過ぎてしまった。まあ、鳴らない電話に経費掛けても。
大体こんなところか、フラグを立てた状態で、某日。
エンジンが何としても掛からない。ド素人だから何が原因か分からない。これから出勤というのにどうしよう?
本日家人は紅葉狩りへとすでに出掛けている。電話して呼び戻す?2時間は掛かるから得策でない。公共交通機関は最初から考慮に入らない。大回りの上に帰りの便が無い。原付がある。最初の1年はこれで通っていたから問題無い。あれから10数年経っているのよ..もうバイパスを走ることは(AB)無いなと数年前に悟っているのよ..極めて気が進まないけれども車は動かない。10分後諦めて原付のカギに持ち替える。天候は午後から晴れ間も出てくる薄曇り。すでにフリースは着ているから、真冬でなし特に着込まずとも。明日は休みだから今日さえ乗り切れば。普段の外出の往復くらいで辿り着けるはず。タイヤは..うん、空気は入ったままだ。何とかなるか。
走り出しは順調だが行く手に見事な暗雲が見える。これに向かって進んでいくと、ポツリポツリと当たりだし、バイパスに入ったらアハハ、本降りですか。にわか雨は分かっているんだが前輪に爆弾を抱えた原付で走行する恐怖と言ったら。後続車を見ればプレッシャーになるのでただただ前を見る。何の報いなのか、何か見返りはあるのか、因果応報だけをぼんやり考えるも思い当たらぬ。濡れネズミながら兎にも角にも無事に辿り着いて安堵。時刻はいつも通りの出勤時間。
着いてしまえば帰りのあれこれが気になりだす。タイヤが潰れていたら..携帯はすでに電池が切れ掛かっている。雨は止むものの、今度は寒さか。手袋..カイロ..いざとなったらコンビニで。久しぶりに丼屋寄るか。いやいや、直帰すべき。凍えるわけではないが、震える寒さではある。散財も止む無しと覚悟して出たら打って変わって翌日休みという事もあり、気楽なもの。のんびりと、コンビニで缶コーヒー片手に一服。チェーン店の温かい定食をかき込み、裏道をトロトロと行けばいつもの外出と気分は変わらぬ。
帰宅して即布団にくるまったけど、身体はバッキバキに固まっておりました。
翌日。ともかくエンジンが掛かってしまえば車屋に持って行けると願って回すも昨日と同じ弱弱しさでギブアップ。充電した携帯で早速SOSコール。すると全てが自動応答なのね。通話中にネット開いて入力して..と、10数分掛かる。冬場ではとても電池持たぬ。外出先でトラブっても、実質何も出来ないぞこれでは。そのためのバッテリー?常に持ち歩くものなの?常識?
1時間経たずレスキュー到着。接続不良?エンジン回り?なんて様々な故障を想像していたが結果は「バッテリー上がり」という至ってシンプルなもので、TVCMで聞き馴染みのある保険のサービス対象。車屋に持って行けば「バッテリー交換」はサービス対象で..。
ただただ、1日エラい目に遭ったというだけで通常に戻る。原付のタイヤもまだ持ち堪えて居る。
これが所謂正常性バイアスというもので、来るべき「いざ」にはまるで対処できて居らぬ。
名古屋まで船が出ている。動画で見つけて観てみたら、昼過ぎに出て翌日の昼前に着く。中はビジホ仕様で、大浴場付き。別料金ながらビュッフェもあると。料金は乗るだけなら5ケタ越えぬ。これってつまり..「現地に移動してその日は泊まるだけ」と同義では。「近場泊まりのノリで関ケ原越えられる」、世界が広がる!?
船旅はイメージとしては連絡船の大部屋で雑魚寝しか無く、移動手段としか考えていなかった。個室で泊まるとなれば思い浮かぶのはクルーズ船。当然お高価いんでしょ、と。百聞は一見に如かず、動画では船内での過ごし方から料金案内まで観ることが出来、目からウロコ、こりゃいい。
しかし名古屋ねえ..行ったところで、という感覚もある。岐阜に行きたいところはあるけどレンタカー借りて車移動?名高き愛知ドライバーと走る自信は無し。そうか中間越えているからもう一飛びで岡山も見えるか。1泊料金で名古屋まで行けるとなれば移動費をそちらに当てられる。残る問題は帰り道。同じコースを辿ればまた船中1泊。4泊5日はギリ何とかなるが、海の天気が5日穏やかっての考えにくい。大荒れで欠航ともなれば同料金での陸路移動は..どうでしょうバリの過酷旅になる。帰りは大阪まで出て飛行機かな。といったところで航空便はどうなっているのかに目が向く。思った時が調べ時。
本腰を入れて調べていけば色々出ている。直接岡山は無いものの、大阪と言わず広島、神戸と隣まで。意外や名古屋からは飛んでいない。新幹線で1時間半だからわざわざ飛ばなくとも。そんな理由を目にしたがこちらでは同条件でバンバン飛んでいる。単に需給の問題だろう。料金にも現れていて、広島と神戸では倍違う。え、船旅料金で神戸まで行けちゃうの。しかも1時間半。神戸から岡山までのアクセスも調べていくと、昼過ぎに出て夕方着で総額は..新潟より安い。
船旅がどこかへ吹き飛び、岡山行きが現実味を帯びてくる。リーズナブルは宿泊代にも及び、強気当たり前のご時勢にあって1泊片手近い。これは十分候補として挙げられる。しかし..。
観光目的では無いので、それなら「都内の方が安上がり」となるのである。土産買うためだけの遠出となるとまだまだ実行には移せないか。
でも、選択肢は確実に増えている。いつか行く日を心待ちに。