階段にカメムシがいて「季節だなあ」と思っていたら、その夜ホタル族を決めていたところ襲来音起こる。明らかに部屋の明りを目掛けて突進した謎の物体。2度3度重量感のある羽音がして、室内に入った感じ。ハキと確認してはいないけれども多分カメムシだろう。しかし困った、どうやって追い出そう。下手に触れば臭いに悩まされる。ところがあれだけ盛大に舞い降りたというのに姿が見えぬ。まあいい、動かないなら害は無いから今日のところは寝るしかない。30分ほどで白旗を挙げ、翌日。雨戸に佇んでいるところを発見して外へ逃がし一件落着。
ところがそこから実に10日ほど、毎日毎日必ず1匹ずつベランダに現れる。出勤前の一服、帰宅後の一服、ベランダに出ると決まって羽音とともに目の前に着陸。ある時は手すりに舞い降りたので、間髪入れず履いていたサンダルで追い払う。ある時はじっと動かずにいるので「そのまま去ってくれよ」と放置。2匹3匹と連れ立って来たら、家を住処にされたくないので血眼になったろうが単独行なのでひとまず穏便に済ませる。しかし縄張りがあるでなし、そのくせ人の出てくるタイミングに現れるというのは何かメッセージを抱えているのか。かつてのスズメバチとの死闘が思い出される。
階段のカメムシはその後もしばらく点在していたが、新聞に「カメムシ大量発生」の話題が載った頃には私との縁は切れていた。
夏に長期休暇が入るのは何(十)年ぶりだろうか。行楽シーズン真っ盛りに「どこ行こう!」と勇んだつもりが近場もチェックする辺りは「時機不到来」だから。
直行便の飛ぶところはタッチの差で行く甲斐が一つ無くなり尻すぼみ。遠方を尋ねるも今夏地元で会えたので「今年でなくとも」。候補地はまだ幾つか残っているものの、これらは鉄旅に醍醐味があり、大人の仲間入りが出来てからとしている。
出歩けないから近場は重宝するンであって、身軽に飛び回れるこの時季に引き籠らなくとも..そう思うから都内をまず探すも相変わらずの相場で腰は重い。行って帰るだけのイベントには値が張り過ぎる。
そこで近場のいつもので良いやと思っていたら、程なく「満室」でリストに載らなくなる。まあ、どうせビジネス需要、復活するさと高を括っていた。禁断の駅前泊まりでも良いとすら。しかしどちらも「満室」のままジリジリと。ダメでも別候補がある、風呂、朝食etc...削ぎ落していけば底値はいくらでも。
しかし..せっかくの夏にそんなところでやり過ごして良いの?精神的な貧乏根性が都内を引きずる。すると..。
底値の相場が上がっているのに、変わらないところがある。某チェーンで泊まれるならここと思っているところ「だけ」が何故か満室にならず、価格も上がっていない。風呂とペイを踏まえればチャンスとすら言えるのだが..寧ろ何故ここだけ不人気?なのかが気になる。訪問客が虫でも連れてきた?それで悪評が立っている?とか。うーん..直前まで棚上げ案件だな今回は。交通費を贅沢する理由も無いし。
そこへ珍事。佳那氏が前乗りドタキャンで付き合えるかと打診が来て、こちらも休みだったから是幸い、急遽温泉宿に連れていく。当日予約ながら相応のチェーン宿が確保出来たから支払いはプライスレス。これでタガが外れ、買い漁りモードに。同条件、同金額で近場に泊まれ「無い」なら遠方に行けば良いじゃない。その日に都内も予約し、その足で高速バスのチケットも取る。今回は往復。行って帰るだけの旅に時短は要らぬ。せめて足代はケチろうと。行きはいつもの時間でやった!昔の値段に戻っている(ー1000円)。帰りは..定価で13時発か。チェックアウトから3時間、どう過ごす?週末だから座長を呼び出してブランチでも。しかしせっかく会うのに2時間では到底物足りぬ。そうだ、思い出旅!すっかり様変わりしたという某駅前のタワービルでも登って、土産を漁ろう。観光も付いてきてようやく盛り上がってくる。
すっかりお馴染みとなったスケジュールを経て、初のバスでの昼帰り。乗り過ごせばド高めに付くから常に時間を気にしながらも、目的があるでも無いからフラフラと。かつての地は変わり過ぎていて友人に伝える気にもならぬ。覚えている道のりに辿り着く出口が無く、延々と小洒落たビルとビルが繋がっており、出てみれば覚えている店が無い。結局大通りをスクエアに、おそらく一度も使ったことの無い通り方で周回し、わずかにあの立ち食いそばは当時からあった場所..かも。酒だけ頼めて重宝したそば屋が入っていたビル..が解体前の姿に、といった程度。しかしここのどこに面白味があるだろう。それなりに遊べたあの頃通えていたことに感謝する。
だからもはや見知らぬ街を俯瞰で見てもなあ、とビルに入って階下を目指す。土産はよりどりみどりながら丁度良い数の逸品に辿り着けぬ。別のビルに入っていけば唖然。入っている店同じぢゃん..観光地の土産物も相当被るものだが、何でも揃うはずでも選択肢狭いものだなあ。最寄り駅に戻っておいて時間一杯ウロウロ。ようやく聞いた事のある名前の店で個数と値段相応なものが見つかる。ただ..ラスクか..年寄り多いけど固くないかしらと大きなお世話。その迷いの間にお客さんが相次いでしまい、並んでまでは、とパス。もう徳用菓子で良いと高級スーパーをハシゴするもチョコはバスでは..とか決め手に欠ける。駅でどスタンダードは売っているんだけど、こだわりたいのはせっかくの大都会、変わった物をという話題性。そして昼のバスはサービスエリアに寄るので、そこでも見繕える。最終的には着いた駅ビルで買えばよろしい。身も蓋もないけれど。一通り見たのでバス乗り場に土産コーナー無いかしらと移動。フト目に付いたのは..!!
某地方のアンテナショップ!!そうそう、これこれ!!これで「え!?ここ行って来たの!?」という話で一下り生まれる。中身は何でもよろしい。案の定どこにでもある、名産品を入れただけが取り柄の菓子がある。個数は2個買っても納得のお手頃価格。もう一種類おまけしても良いが..バリエーションは無い、な。よしこれでノルマクリア。気分軽く乗る前にお茶を買おうとコンビニを探すが見つけられず。デパートならある。食品フロアがあれば自販機で買うより安いのあるだろ、行ってみたら見事にこだわりのペットボトルしか置いておらぬ。最安値は..水、でも120円か..自販機のお茶は150円、ここは折れておくか..。PBの100円のが欲しかったので負け気分。しかしレジで「袋要らない」と言ったらエコ割りしてくれた?何と税込99円になって大逆転。デパートで買い物してやったで水一つなのにやたら長いレシートを手に意気揚々。お茶一つで20分ほど彷徨う、タイパも何もあったもんじゃないいつもの無駄歩きを経て、バス帰りも悪くない。
必需品に位置付けられるボトルコーヒーが2ケタ値段で買えなくなって値上げラッシュを痛感する。酒が10円20円、食べ物が50円100円!?と値上げされてもピンキリあるから今までの底値で買えるものがめっきり乏しくなったという感覚だったが、缶コーヒー時代からスーパーなら単価100円が長年の目安だったから越えるとショックが大きい。
振り返ると10個買ったから1000円くらいという丼勘定が税金で狂わされ、相次ぐ値上げで「こんなもんか」と麻痺してしまっている。(貧乏)独身貴族だから高が十円百円、給料も連動してベアし出した訳だからと危機感は薄い。
しかし給料が倍になるなんて夢でも思えないけれど、コーヒーが200円になる世界は直近未来のような..。甲斐性が無いだけ、なんでしょうか。