仰通り                        Pochi

(初出:第292号 21.10.20)


ワクチン打ったら一息つける、羽根を伸ばせる。そう思って耐えていたら今までの1年は何だったのかという状況になってしまって生活変えられず。お家時間のウエイトがどんどん増えていく。
そんな中、若者のネット視聴時間がTVを越えたとの事。前々から「好きなものだけ、好きなだけ」のネットもいいけど「不自由だからこその発見」があるTVを推している身からすれば由々しき事態に見えたのだが。

某日深夜、ニュースを観ていて急に録画が始まる。何を始めたか分からなかったが状況的に寝転がったはずみでリモコンのボタンを押してしまった?ようだ。今の番組を録画し始めたことが分かったので録画を止めた。全くもって取るに足らないアクシデント。
ニュース観終わり今日は録画していたコントライブを観るんだとHDDに切り替えたら..「ファイルがありません」と出た。どういうこと?HDDはランプが点いていて一見通常。しかしいつまでたっても録画ファイルは出て来ない。データ紛失のトラブル発生。とりあえずの不具合は「休日前夜の夜更かしに観たい番組が観られない」。のでパソコンの電源を付ける。つべを眺めながら夢うつつに思ったのは..。
「ま、しょうがないか」だった。思った以上にショックが無いのは眠気のせいか。

これだから機械ものは!4〜5年動かしただけでおシャカですか!?買い替えったって溜めてた番組移せないし!
勿論そういった憤りはあるものの、近年は同じ番組を録画して観て消去の繰り返しなので1月もすればコンテンツは再び充分量溜まる。1年以上溜まってしまった某倶楽部は貴重だがつまり観ていなかった番組。映画もそう。ドキュメンタリーの未視聴は惜しい気もするが、これとて漁れば..能動的になればネットに転がっていていつでも観られる、という時代に馴れてしまって「保存データ」「永久保存版」といった概念が消えつつあることが判明。

結論を言えば一旦主電源から抜いて再起動のような形を取ったら何事もなく復活。つまり急に録画、即キャンセルの行動が一時的なエラーを呼んだようで。これもまた想定内。買い替えも要らずデータも失われずでかつてなら万歳祝杯ものだがまるで感情が動かず。zzz..
不自由に耐える生活というのも今の自分には必要なんじゃないかと、出歩けない休日にコント止めて「禅の世界」なるドキュメントをTVで観ながら夢想する、矛盾に満ちた日々。

不定期に訪れるのはカップラーメンのハマり。アウトレット品で妙なものを見ると買わずにいられないから、普段は気に入ったものを買い置きしてたまに消費する程度で抑えているのにこういう時は毎日でも。
今回はわかめラ○メン(隠れてない)のわかめ3.5倍Ver.
カップそばに乾燥ワカメを加えて、明らかな塩分過多に慄いて自主規制した過去がある。これは商品化されている以上、ある程度塩抜きした安心仕様のハズ。1個目はその通りで充分満足したものの、ちょっと気になったことがあって2個目は買い置きしてある乾燥ワカメを加えてみる。目的は具だくさんではなく、添付のスパイス(コショウ)の実力を試すこと。案の定、醤油スープにワカメは相性抜群ながら食べ飽きないのはこのスパイスの所為。無限野菜の素は色々出ているが、これは無限にワカメが食える。
残念ながらアウトレット品なので更なるリピは叶わなかった。しかしながら改めて思うのはスパイスの実力。貧相な世界史知識を紐解けば、胡椒は中世の貿易では宝石に匹敵する貴重品だったとか。むべなるかな。
時短営業が常態化し、もはや1年以上行けていない某ラーメンチェーンに、次に行くときはいつものミソネギラーメンにラー油をマシマシ、ではなく、中華そばと餃子にテーブルコショウをこれでもかとかけまくって頂きたい。
ああ、チェーン店でも外食していた頃が懐かしい..。

夜のスーパーの何が良いって値引きされた弁当、お惣菜。同じ値段で倍量買える嬉しさと言ったら!
という考えでいたのを改めるべきだと気付かされる。これもまた、かの禍がもたらしたものか、単なる加齢に今ごろ気付いたか。
コスパ最強、といっても売れ残りはほぼ揚げ物なのでそれほど食べたい気はしない。たまにNOT揚げ物が残っているとテンション上がる。某日は「大粒焼売」が大量に残ったようで半額に。
「これは弁当要らないな、主食抜きのつまみパーティだ!」
そう思って2パック。これで298円!となればもう1パック..のところ、「半額」に捉われてもう、2パック。値段的にはこれでもコンビニ弁当並みだから大正解だが、量が..。
懸念は的中どころか2パックで箸が完全に止まる。醤油にタレ、カラシと調味も万端で単品でも飽きないようにしたけれど..。1時間以上費やして何とか、残り2パックを腹に押し込む。
弁当1個じゃ足らんから追加を何にするか。コンビニ惣菜は割高だからカップ麺、おにぎり。低糖質に馴れて弁当を止めておかずだけ。様々やってきたが全ては「安く、多く」を目指していた。
今はどうやら、「そんなに量要らん」という身体になったようで、半額は単に「安く済んだ」ことを喜ぶべきで、「同じ値段で倍量買える!」という考えは過去のものとするべきようだ。胃もたれで後悔することになる。
そして「安くて得した!」というのも今回のように「食べたい物が半額」であれば確かに「お得」だが、普段は別に食べたいわけでない(定価では手を出さない)コロッケを是非なく手に取るわけだから、食べたい物なら定価で買っても満足感では変わらない。
夜のスーパーの何が困るって、売れ残りの弁当、総菜しか無いこと。食べたい物が残ってない!

外食の筆頭であった牛丼にも別れを告げる刻がきた。
時短営業で深夜は開いていてもテイクアウトのみが当たり前になり、それならスーパーの弁当で充分、値上げでさらに遠のいていた足を久方ぶりに向け、買ったのはお持ち帰りの「特盛」。100円上がってもまあ、たまになら良いかなと。持ち帰りでは思うさま薬味(紅ショーガ、七味)を堪能できないので、ご飯は専ら別物として牛はつまみで。半年ぶりくらい?に牛丼ビールの夜食で済ませてみたら。
翌朝、焼売で懲りたはずのこの胃もたれわ..。つまり、昨夜食べた牛肉(牛丼肉)か..。
確かに、久々なら感涙するほどのソウルフウドだったはずの牛丼が昨夜は重かった。つゆ抜きなのに味がくどい。肉汁(油)が、キツい。「酒のほそ道」(ラズウェル細木)の課長はサシの入った牛肉があまり食べられない年齢。「新婚よそじのメシ事情」(小坂俊史)の主人公(作者)も並に温玉付けるか付けないか。「出かけ親」(吉田戦車)通常の量も食えるが少なめで良くなった、と..。
私の場合は量云々より牛肉は進んで食べなくても良いかなともっと後ずさり。牛丼屋に行って豚丼、鶏丼を食べることになるのか..鶏豚はまだ大丈夫だと思うんだが試すのが恐い。

独食黙食は常の事ながら、ここまで長期間人と会食していないと明けが非常に不安。特に酒席では躁状態が極まって何かしでかすんじゃないか。自制心・・・・(パクり!)と飲む前から早くも後ろ向き。
タバコも職場での完全禁煙が強行され、馴れる。朝晩休日は今まで通りながら吸わなくとも死なない事に気付いた依存症。これが酒の席で一気に解放されると..。翌日二日酔いとのダブルパンチで生命の危機が訪れるのではないか。
この1年半の状況を普遍的とすべきでない。なのにああ、素面でいることが正義のような空気が「飲み会などしなくて良し」という流れを作り出してきている..。
隊長と昼下がりに喫茶店で距離を取り、喫煙せずにお茶?夕暮れにはお開き?ウーム・・・・。
といったところで予告通り1年先!?まで誘いを掛けられずにいる。


「過去原稿」ページへ戻る

..続き、読まれます?