ナイスな展開じゃない                   フジイ

(初出:第185号 12.10.21)


技術が進歩して何でもない値段で色々な機械を使うことが出来ているけれども、ほんとに必要なのか分からない機能まで付いているから使いこなせないまま使い倒せないまま使い捨てにしていてちょっと消化不良気味。
先日プリンターが動かなくなってしまった。原因はクリーニングが出来ません、と。ほぼ月イチでSDを発行するためにだけ使っていたから6年くらいもって、1万チョイだったから十分だが、コピーもスキャナも付いていたのに使わないまま、つまり読み込みのガラス板はピカピカのまま、買い換えることに。勿論単なる部品の消耗だから、交換修理すれば問題ないのだけれども、何しろ大した値段では無いのでそこまでの愛着が無い。寧ろモノクロ印刷しかしないのにカラーインク全4色を常に必要としやがる維持費にだいぶ不満だったので、次こそは極々シンプルなプリンターをと。
いう訳で家電量販店にいくと、エントリーモデルはすでに5千円を割っている。しかし黒一色のみという切望する機種は無く。まあ、インク代といっても年一回以下の出費だから大した話ではない。せめてコピーやスキャナなど無いコンパクトサイズのものをと目星を付け、店員さんに。すると..「在庫無し、お取り寄せになります」だって。
同価格帯は他にも多々ある。コピーやスキャナまで付いている..。結局プリント機能は大差無しなので、お取り寄せ品に特にこだわりがあるでも無く、勧められるままに山と積まれた商品の一つを購入。これが最良の選択だったのかどうか。パソコン専門店とかも回って、あくまでモノクロ印刷のみのプリンターを探し出すべきだったか。しかし5千円だからねえ..ひとまずまた5〜6年はもって欲しいものです。

4コマの話は別なタイトルですべきなんだけれども、そこまでの話でも無いのでここでしてしまう。「まんがライフMOMO」誌(竹書房)11月号での小坂俊史『わびれもの』にて、衝撃の事実を知る。並盛り200円、そして250円までで踏み止まっていた牛丼界の良心、「牛丼太郎」チェーンが8月をもって閉店していたことを。最後に閉じた野方店は、10何年前私を典型的な肥満体に育て上げた店である。愛好者によって一部店舗が「丼太郎」ドンブリタロウ(特ニフリガナヲ附ス)として営業を続けているという(看板の「牛」の文字をテープで隠しただけ)。ところでこの回、ソース自体はショックだったが、内容がどうしても身に入って来なかった。何故かというと実にバカバカしい話で、我々の間でこの店は「丼太郎ドンタロウ」という略称だったのに、どうやら巷では「牛太ギュウタ」が正式だったらしいから。「あのギュウタが」の連呼では、あんまり共感出来なかったのである。
中野にて、飲み会の前に「吉牛いっとく?」「吉牛いくなら丼太郎っしょ」あるいは逆に「たまには吉牛行くか」等々の流れがあったのを懐かしく思い出す。そういえば最後に食べたのも何年前の話..。

冒頭の名義のカラクリを初めて公開してしまう。今回の「フジイ」とはフジファブリック(アーティスト名)のこと。ラジオで「若者のすべて」という曲を聞いて、たぶんCMか何かで流れていたんだろう、聞き覚えがあって気に入ったので早速ネットで聞こうと。しかし聞きかじりで曲名も憶えておらず、名前も「フジ「イ」何ちゃら、だったよな?」とウロ覚え。検索が「藤井フ○ヤ」しか出て来ずお目当てにたどり着くのに結構難儀した、そんなエピソードから採った。
ところでこの曲に限らず、例えばつべでエレキのコントを見ていた時、「は〜しゃぎ〜過ぎ〜てる〜夏のこどもさ、あっ、急に真心(ブラザーズ)の「サマー・ヌード」が出てきた」という一節があり、そう言えばずいぶん聞いたなと嬉しくなる。また、先日聞いたのは「ヤッターマン」山本正之の、「ヤッターマン以外にもたくさんある!」歌集。どうもそれだけではないけれど、私は鼻に掛かったような、半音上がったような歌声が好みらしい。
となるとやっぱりカラオケでは歌いたくなるもの。ついこの間、腐れ縁の休暇に巻き込まれて(こちらもたまたま連休が入って付き合うはめに)小田原まで出張り、夜は飲み屋〜カラオケへ。仕入れた一連を入れたものの、満足に放吟出来たのは半分..くらい?うん、好きと得意は別物であるわけで。そしてまた、付き合いのカラオケでは歌えないコアなレパートリーばかりを増やすのであった。

小田原行でもう一ネタ。周りが次々とタバコから離れてしまっていて、喫煙にまつわる話などしても共感を得づらいのだけれど..。愛煙家が小田原に旅行されればきっと「なるほど」と思ってくれるハズ。
私も相方もスモーカーなので、小田原駅に着いて改札を出れば自然と足は喫煙所へ。たまたま小田原城のある南口は、出てすぐ右の天守閣方向に喫煙所がある。だから着いて早々、天守閣を眺めながら一服。備え付けの地図を見れば道が通っている、のでそのまま天守閣を目指す。完全に裏通りの様相の道のりを、何しろ初めての土地なので全く疑うことなく歩いていくと、あっさり天守閣到着(約3分)。天守閣に登って(資料館兼)、帰りは歴史見聞館なる付属施設に寄るため、行きと反対側から降りる。こちらが本来のルートであるため、登城門を抜け、櫓跡を眺める。これは城に来てからみた地図で確認済み。しかし小田原城、あまりに見栄えがせずこんなものかと思っていたら、お堀を渡って振り返って唖然。天守閣のみドーンと突っ立っているだけ、という我々の印象が覆る。お堀(水)があり巨木が生い茂る中、白く輝く城壁に囲まれ聳え立つ天守閣。これぞ相州小田原城、の図が、お堀端から延々と眺められる。あれ、もしかしてこっちから来るべきだったんじゃないの??お城を過ぎても商店街が続き、確信に至る。我々はタバコを吸ったために裏口から入ってしまったのだった。地図に、地図に正規ルートを記していてもらいたかった..。半笑い、半泣き。
小腹が空いたので海鮮丼のチェーン店っぽいところへ入る。海の近くなので魚、そして蒲鉾は食したいと。するとツマミも酒も一通り置いてあるのでいいね!とビールと肴を追加して灰皿ある?禁煙です。でカクッとなる。ちょっと腰を落ち着けようと思ったテンションが落ち、そそくさと消化して退店。別に不味くは無かったが一人2千円弱かかる。駅へ戻って件の喫煙所へ。問題の地図を眺めて観光ルートを書くべきだ、などのたまいつつ、フト目を上げるとビルの5階くらいに良さげな居酒屋の看板。さっきの店、2千円くらい掛かったよな。だったらあの店で軽く飲った方が良くなかったか??酒が飲めてタバコが吸えないなんて!と、最後まで半笑い、半泣き。喫煙(所)に振り回された感のある小旅行であった。

CS無料日も月初の日曜だけだからラインナップが決まっていて、いつしか忘れるように。そうしたら今月は何と8日連続無料と。なれば自然とリモコンはCSボタンへ。いつものように懐かしのアニメを観つつ、今回一番面白かったのはヒスチャンの「不用品高く売ります」。ガラクタを集めては極一部の客層にハマるように加工し、フリマで売るというアメリカの兄弟(息子付き)のドキュメンタリー、どうやらドキュメント風バラエティ。地味で冴えない風体のオッサン(兄)が最高にイカしてた。字幕なので発言が聞こえるので、相当に入る「ピー」音や、ハイテンションでわめきまくる辺りが実に魅力的。こういうキャラクターを生み出せる、このスタイルの番組は未だに海外ものが一歩進んでいる感じがする。
無料日過ぎてもちょっと引きずって、BSをザッピングして無料番組を探していたら見つけたのが「宇宙からのダイブ」中継。高度3万メートルから落ちてきて速度は音速を超える、と!?燃え尽きてしまうんじゃないの?イメージとしては宇宙ステーションから大気圏突入といった派手さだったのでわくわくしながら待っていたが、上空2〜300メートルが強風で降下見合わせとのこと。結局この日は飛ばなかった。こんな一大イベントなのに報道も特になく、次にいつ飛ぶのか分からないまま数日後。夕方のニュースでトピックに上がっていて「お!」となったが残念、放送は終わった後。テレビ欄のどこにも、その中継番組が無いので結局さらに数日後、つべでようやくダイジェストを見ることが出来た。何しろ高すぎて、何しろ速すぎて、特に緊迫感も感じられないまま、無事成功。数々の世界記録を更新した中、フリーフォール(パラシュートなど開かず落ちている間の時間)だけが更新ならず。世界記録4分40秒に対し今回は4分10秒だったと(記録ウロ憶えデス)。で最初の中継時から気になっていたのがこの世界記録。何と1960年に出ているのだ。要するに宇宙開発競争の黎明期に、この宇宙からのスカイダイブは行われていたらしい。例えば事故ったときに緊急脱出が可能か?といった実験で出た記録だったのか、今回の科学技術の粋を尽くした装備でのダイブより、そっちの方が気になってしまったがさすがに当時の映像はつべにも無い。


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