夏コミ行かなかったので、今号の「本のささいなこと。」はお休みします。
「一日25時間周期」。大島弓子が一時期陥ったという奇病(?)である。日々きちんと1時間ずつ
ずれていく生活。朝も昼も、夜も関係のない職業ではそういったサイクルになりやすいと思われる。私が今この状況にあるといっても、従って特に不思議ではあるまい。昼夜逆転生活ならこれまで何度となく経験しているのだが、今回は直そうとして徹夜をしてもだめ、一日中寝ようとしても何となく起きてしまう。働いていればこうは行くまい。勤め人でなくとも学生といえば夏はバイトと相場は決まっている。しかし今の私は就職への道も絶ち、勤労意欲が全く無い有様。暇はあるけど金が無い。「明日はどっちだ?」といった毎日である。学生生活最後の夏休み。この調子でいくことになりそうだ。
ダイエットも兼ねて一日一食の生活になって久しい。お陰様で体重計はこのところいい数字を出し続けている。問題は運動不足である。腹は減っこんだが、ツルペタになっていた。これでも少しは割れ目のようなものがあったのに...。体を動かすには畳一枚のスペースがあれば充分。とはいえこの暑さの中で運動は地獄でしかない。いささか枯れた行動と言われても仕方がないが、このところの運動らしきものは「散歩」である。もちろん朝か晩に限られる。
朝といっても7時以降はダメである。なぜなら通行人が「労働モード」に入っているからだ。スーツ姿で早くもバテ気味ではあるが、まっすぐに駅へ向かっている。そんな中をフラフラと逆の方向へ歩くほど私は彼等を馬鹿にしていない。「すまない!」気持ちになるのは目に見えている。だからこの時間より早く家に戻る。お勧めは4時から5時である。熱帯夜で暑さは変わらないものの、体に当たる空気は心地よい。次第に明るくなっていくから、若い女の子も安心。たまにすれちがう人もおじいちゃんか夜勤明けでまっすぐお家へ向かうチャリ兄ちゃんぐらいのもの。所持金は300円以内におさえたい。万が一徹マン明けのオヤジ狩り集団に出くわしても怖いものは何もない。ただし120円は持っていきたい。「むしろお前ら金出せ」と鼻息を荒くするのもいいが、途中で缶ジュースを買うぐらいの小銭は必須である。というのはこの時間帯、歩いていて楽しいことなど何もないからだ。店も開いていなければ、あまり物音も立てられない。不審者と間違えられたら大変だからね。従ってなるべくなら大通り、ちょっとコンビニまで、あるいは夜勤明けの帰りと思われやすい道を選ぶのがベターである。あと気を付けたいのはどこで引き返すか。アクセントの無い道中なだけに折り返し地点は一考を要する。4時に家を出たなら太陽が完全に昇った頃合、5時なら近くの家から生活音(テレビの音など)が聞こえ出す頃がちょうど良い。もちろん時計など無用。ちなみに(どんなに遠いといえども)「コンビニ」を目標にするのは散歩とはいわない。念の為。
晩にいくならまずは18時。この場合散歩と買い物を兼ねることになる。あくまで散歩をメインと位置付けたいならポイントは所持金。1000円以内とすることだ。1万円など持って行った日には、クーラーの効いた「おろせない銀行」に入るのは目に見えているし、調子に乗って買い物をすると持ち切れない量になって、結果帰り道がしんどくなる。その点1000円なら買い物といっても晩ご飯程度。間違っても重い荷物となるものは買えない。自然考えて使うから、即座に買い物、散歩終了、早く帰ってご飯にしようということもない。フラフラと歩いてウィンドウ・ショッピングと洒落こもう。当然歩く道筋は商店街。レコード屋に入って物色するも良し(買えないのにね)、スーパーに入って献立を決めるのも良し(ただし買うのは帰り道にしよう。上手くすれば値引きされるしね)、涼みながらダラダラと行きたいものである。外食も可能ではあるが、なるべくなら所持金を使い切らないようにする気持ちで行きたい。ただし例外として、本屋で本を購入、そのままファーストフード(安いコーヒーの飲める店)で読破というのは認めたい。というかこの時間帯の散歩の理想像である。その代わり閉店間際まで居座ること。その日の夕食はあきらめることの条件が付く。それなら家にある本を持参して行けば、本代が浮くからいいじゃんという人。だめ!それは間違っている。その過ごし方は日中に行うのが正しい。繰り返すが「目的を持った移動」は散歩とはいわないのである。ここでは本屋での衝撃的な出会い、夕食をあきらめての購入、即座に読みたい!の3段階の偶然に寄るぜいたくな一刻を散歩のオプションとするので理想像としているのだ。従って本の購入の際にはとりわけ慎重になって頂きたい。薄っぺらな週刊誌やエロ本などは後でコンビニに行って買いましょう。
19時から1時までは開いている店がどんどん少なくなって、結果どうしてもお金を使うので控えたい(もちろん散歩のみという行為は全く楽しくない。朝と同様)。それにこの時間帯はテレビでも見ていれば充分暇はつぶせる。では最後に散歩を勧める時間帯はいつか。2〜3時(限定)である。この時間帯に散歩に行くとき、所持金は不要。いやむしろ財布とかケータイとか、身に付けるものはなるべく外して頂きたい。身なりもTシャツに短パン、ただし靴はスポーツシューズで。選ぶ道はとにかく裏路地。はい、さすがに分かりますね。真夏のストレスを発散しましょう!くれぐれも捕まらないようにネ。
落ちもついたところで今回はこの辺で。