コミキュー最新号
年二回刊となった今号vol.6は手塚治虫リミックス。
手塚治虫作品を私はほとんど読んだことがないので、「解体」「再構築」の部分を楽しめたかは疑問である。しかしそこは各人の力量でもって、新作として充分鑑賞に耐えるものとして読めた。まっさらな頭でこれらの「すでに一度書かれた作品」を眺めると、共通して目立つのは設定の巧みさである。新作を読むことで、改めて神様の力量を認識した次第。今回特筆したいのは黒田硫黄と地下沢中也。独特の世界観が際立つ。
コミックゴン!新装丁で第5号
平綴じは4号からですか?失礼、最近のは買っていなかったもので。というわけでより分厚くなった今号、特集は「男気」。相変わらず80年代の懐古趣味にどっぷりとつかった内容ながら、コアなファンでなければ思いつかないような企画、インタビュー記事が目白押し。応じる方々にとっては意外な年金が入ったってとこでしょうか。その代わりに最新の状況を伝える技をどんどん忘れていってるようですが・・・いいんでしょう。
今月の一冊
とり・みき「御題頂戴」(ぶんか社)
敬愛するページの主催者が、この作品の装丁に感心していて関心を持ちました。で、久々に新刊で。いきなり二人の漫画家をオチに使うというツカミから入って、後は時事ネタあり、パロディあり、シリーズ化したりといつものショート作の調子。読み手としてもいつもの調子で楽しめたのだが。手塚の「スターシステム」ではないにしろ、登場人物の描写にパターンがあるのはご存じの通り。彼等がモブから実在の人物までを繰り返し演じる訳で、読み続けている人なら頭の中では、例えばタキタさんの類型(パターン)を浮かべつつ楽しむというプラスアルファの効果をもたらす。知らない人には味わえない楽しみ。ビッグ・マイナーの生まれる要素はこの辺にあるとみる。(ホント、思ったより知られてないんですよ?この人なのに!)
内田春菊「私たちは繁殖している」第3巻(ぶんか社)
はい、先月売りですが今号紹介です。第2子は女の子ということで、息子さんのその後の成長ともども、男と女の違いについてもよく分かるエッセイ漫画となっております。巻頭に近況、巻末に出産時のエピソードが入っていて、後は時系列順の構成なので、ちょいと読みづらいかも。それはやはり知識がないからなんでしょうね。作品中に再三語られているジジさん=作者ではないという話。同じようでも微妙な違いはエッセイ「あなたも妊婦写真を撮ろう」(PARCO出版)を読むと分かります。
個人的情報
西村しのぶ新作
先月は肺炎を起こしていたそうで・・・ご自愛下さい。さて今月売りの「Feel
Young」誌(祥伝社)は「RUSH」新作載りました!失礼しました。イトコ同士の恋愛はどのような展開でもって進むのでしょうか。有末はこうして有末先輩になっていくんですね。百合も益々大人に。ジョーンズは何か子供っぽくなってますけど。徐々にストーリーは進行しているようです。
「Kiss」誌(講談社)6月10日号(5/25売り)に「ライン」新作載りそうです。
で、「Jour」誌5月増刊「すてきな恋愛」(双葉社)というB5の分厚い、まず世のほとんどの男性が素通りするであろう雑誌に、「Jour」誌96年5月号に載った「デートと紅茶」が再録されていたんです。ふふふ、役得ですね。