ガラは一人の海外を満喫するためにバトンビーチ界隈を散歩に出かける。ここでは、タイの調味料や、タイシルク、置モノ、焼モノ、タイワインに、インスタントラーメンと買い漁る。午後はゆっくりした気分。解放!自由!『これぞリゾート』かもね。
で、残りの連中は岬めぐりに、寺めぐり。他の観光客はほとんど見かけない。犬ばっかり。『写ルンですぅ』は高いし、寺は飽きたし。でも陸軍の犬と海軍の犬の喧嘩を見れたのはポテンヒッツ。ゆっこは五輪風車(子供用5バーツ)を喜んで購入。んで、午後は水族館に行く予定だったのだが、運良く昼飯のときにパティと合流できたので、先にドリちゃんのお見舞に行くことにした。昼飯は喫茶店風御食事処(何故か中国風回転食卓)で取ったのだが、美味しいお店だったな。特にギャルズの真由美ちゃんが食ってたサンドと、パティが食ってた変な奴(なんじゃそりゃ)は美味しかったね。で、ジャイと、デレが食ってたピザは特別にでかかった。で、チーズまみれ。なんか面白いぞ。
病院に到着。山も見えて、庭も広くて、なかなか設備もよさそう。ドリちゃんは一人部屋で裸にエプロンみたいな患者用の白衣着てただけだった。
「よう、どうだい調子は?」
「なんかさー、盲腸とかいわれちった・・・」
「げ、まじ!?だって、頭いたいつってただけじゃん」
誰も予想しなかったドリちゃんの病名『盲腸』。なんとまぁ。あまりに驚いて、メンバーはわらってみたり、おこってみたり、こまった顔をしてみたり。
「今日、夕方手術して、一週間くらい入院だってさぁ」
残念がるドリ。そりゃそうだ。でも散々遊んで一週間ゆっくり養生して日本に帰るのならまだマシかな。滅多に出来ない体験であることは確かなのだが。
「保険はちゃんとおりるんだよね」
「とりあえず、ギャルズだけ水族館いってもらって、おれらはもうちょっといようか」
病室で手術までの時間がゆっくり過ぎていくのだった。
ドリちゃんを手術室におくり、メンバー達はパティのアパートに遊びに行くことになった。ちょっとアルバムみたりして友達の家にあそびに行った気分。些細だけど、思いでになるね、こういうの。
「こんど引っ越したら家が広くなるから、プーケットにまた遊びに来てください」
あーもぅ、パティはいい奴だ。
ホテルに帰り、ガラと合流してケンタッキー食いに散歩する。本当に食を選ぶのが面倒になってきている。ぶちはまたオリジナルメニューばっか頼んでいる。ここでは『ジンガーバーガー』なるパンから大きくはみ出た辛口チキンサンドがオリジナルだね。ガラなんか、生野菜を食いたくて、(普通のところで生野菜を食うと腹を壊す)コールスローを頼んだのだが、とてもまずい。吐きそうになっている。そして露店へ。ゆっこは日本の彼女さんへのお土産なんか買っている。
「このワンピースいいねー、ハウマッチ?」
「あー、おれも買うー」
「え、珍しい、ぶち誰にあげるの?」
確かに。
ホテルに帰るとフロントで、ぶち、ゆっこの部屋の鍵が無いと言われる。あとでフロントのミスとわかり、NAOMI(ホテルの日本語オペレータ、怖い人)まで出て来て謝ってくれたからいいけど、散々だったね。なんせ、ゆっこがフロントに文句言いに行く間、ぶちが窓から部屋に侵入してたのがセンサーにばれてたりして。とにかく困った。ばっかだねー。部屋ではシャワーを浴びてディスコに繰り出すパッポンズ。ガラだけは疲れて寝てるけど。ディスコではぶちがドイツ人あいてに、
「おぅ、ディス!イズ!ムエタイダンシン!」
とかいいながら、ムエタイの祈りの踊りなどをして受けている。ま、西洋人から見てタイ人も日本人も区別はつかんだろう。特にぶちは(どーせ)タイ顔だからね。
「デレいないねー、帰ったのかな」
ジャイ、ゆっこ、ぶちの三人になってしまったパッポンズ。またしても娼婦らしき女性につかまる。しかし、まじかで見ると、オバンはいっているのでぶちは速攻で逃げ出す。のこされたゆっこ。
『ぶちのやろー、うらぎりやがって。置いていくな!』
心境はこうなのだが、ディスコ内でならただなので娼婦さん(?)としばらく遊んでいる。表情は決して本心を表わしていないし。ジャイに至ってはイケイケムードで二人でどっか消えてしまった。ぶちはというと・・・タイ旅行の始めの方で一緒だった”はぐれOL二人組”に遭遇。
「あ、あー!」
「なにやってんだ!?」
彼女らは、まぁ、はっきりいって『スレた』雰囲気だったのであまり話はしなかったのだが、娼婦よけくらいには使える。ここでぶちはOLをガードにしてステージに再度チャレンジ。
「うちらのホテルってすっごい立派だよー。プールとか3つくらいあるし」
「まじ!?これから入りにいくべ」
急遽彼女達のホテルに忍び込んでプールで泳ぐことに決定。時刻は夜中の2時くらいかな。ぶちとOLさんとで、部屋に水着を取りに帰っている。すると、ゆっこが死にモノ狂いな顔で部屋に飛び込んで来た。
「なんで置いていくんだよー、いったじゃん、出るときは言ってくれって」
「ごめーん。ジャマしちゃ悪いとおもってさぁ」
なんとも意地悪なぶちである。ちょっと憤慨気味なゆっこをつれて4人で出発。トゥクトゥクで山を登り、ホテルに着くと、広い広い。庭の面積も全部まわってないから想像できないが。部屋も見せて貰ったのだが、設備が確かにワンランク上である。特にこいつら”はぐれOL”のくせにと思うと、余計に悔しいぞ。でもま、ホテルのプールは着持ちよかった。夜中の3時くらいに入ったのだが、プールは水深3メートルで水もぬるくて写真とか撮って、もう楽しいヒトトキである。
「ゆっこー、最後の夜にこういうのもいいねー」
さて、朝は5時には起きなければいけない最終日。この山奥からどうやって帰ろう・・・。
なんとか帰り手段としてバイクを一台つかまえて、三人乗りして部屋に帰るぶちとゆっこ。ノンヘル三人乗り気持ちいいー(やったことはあるけど)。ジャイも朝の4時頃に帰ったらしい。謎の娼婦さんと二人で謎の数時間を過ごしてきたみたいだ。つぎの日はパティとお別れ。ずーっと飛行機の中で寝ていた。デレが「写ルンですぅ」を機内に忘れてきた以外は万事順調。ギャルズと住所教えあったりして、旅の名残惜しさが倍加してきたなぁ。さぁ、もうすぐ日本だ!
帰ってきました、我が国日本。
「何事もなくてよかったねー」
「また行きたいなぁー、タイ」
「これから仙台までロングドライブが残ってるんだよなぁ」
「あぁ〜、それ考えっと、だりぃ〜」 「飯、何食おうか、ラーメンか、吉野牛がいいじゃん」
「賛成〜。ラーメーン!」
皆さん、ドリちゃんはまだタイに居るのだよ・・・。帰国パーティーはドリちゃんが帰ってくる一週間後かな。ひとまずはおつかれ様。。