これでもぼくは関東に住んでいるA子さん(23才女優並み)に会うためによく上 京してる。「ねぇね、こんど暇?デートとかしようぜぇ」「ソッチ行く用事とかある んだ。おれって東京よくいくからさっ」などとイッチョマエにはホザクのだが、いつ も「ああ、なにしよう。どうしよう。不安じゃ、東京とかって何があるんじゃ?うー む」と、前の日に東京ウォーカーとか買ってしまう田舎ものなのである。
その前もさきの彼女とゆりかもめに乗ることになっては、心のなかではどきどきわ くわくの連続であったのだ。幸い向かいに座っていた親子が「すっごいでしょ、ほら ゆりかもめよ」「はやいー」などと騒いでいたため、なんとか平静でいられた。「い いぞ、おれの心の叫びを代わってくれ」てな感じでもあった。実際はかなりお上りさ ん状態なのだが愛しの女性の前ではこれ以上田舎者を晒すわけにはいかん(何度も失 敗してるのだ)。がんばれスーパーますぶちてなもんだ。
そして今回は新宿御苑であるのだが、4/5の日曜日。新宿はおそろしく人がいた 。高島屋で弁当を買う時点でもう列ができていて、そこから公園までは「なんだ、な んだ?こっちにもディズニーランドできたのか!?」などと考えてしまうくらいの人 人人である。「ここは有料の公園だから、きれいだよ」などと言われてさらに緊張を マス。へー有料の公園が日本にもあるのかぁ。顔ではたいしたことなさそうなフリを する。そしてなんとか臨時券売所での混雑を乗り越え、入場。
はァ〜。広いです。桜はたしかに絶景だが、それ以上に都心にこんなところがあっ たのには、はァァ〜。感心感心。緑が続き、広場が続き、遊歩道がどこまでも続き、 そして人が夢の島のごみのようにごろごろ転がっている。しかし東京ってのはいろん な人がいますね。花見会場は関係ないのよと太極拳(?)とかやってる団体。ゴザの 上でラジカセの音楽にのって座りながら(!)踊っている女の子二人組(お互い向き 合ってた)。それから当然カップルも多いのだが、かなりのレジャーシート達のど真 ん中でヨクジョウしてらっしゃる人(ブラ見えてた)とか、青空の下でドラマ級にケ ンカしてる人とか。公園のちょっとはずれではお茶会なんてやってる着物の女性の姿 ありの、それはそれは見てるだけで気分は千利休に変身してしまうくらい本格的であ った。
なんかでもすごい疲れたぞ。新幹線にのるのだるいなぁ。あぁほんとだぁぁるいな ぁぁ。花見が人見になってしまった東京でのおデートであった。
追伸: 新幹線ってなんかいつも緊張する乗り物ではない?こう立て続けに田舎者な話をする のもなんなのだが、ぼくは電車やバスでさえ乗らない生活なのでこれもやはり苦手で ある。とくにこのごろの新幹線様はMAXとかこまちとかあって、中には自動販売機 があったりする。「やったぜ二階建てだ。上に昇るべさ」とか喜んで階段を昇ると灰 色の椅子で倒せなかったりなど初心者への落し穴的な配慮も設けられている。こまち がホームに入ってきてボディの脇にステップが「ういーん」と倒れてきたときは「ほ ぉお!本当に東京行だべか!?」などと心の奥底で心配したものであるなぁ。まるで そのまま宇宙まで行きそじゃん。
増淵大輔:仙台人でスター。春から女性だらけの某大学で講師です♪