(キャスト)
哲也・・28歳。先祖代々の鬼退治師。職務に真摯すぎて、一般人を軽視しがちなプロ。
ケイ・・23歳。新人モデル。元哲也の相棒。鬼退治師。軽い性格から、本業をおろそかにし兼業に走る。
冴子・・3×歳。芸能プロダクション「ビッグドリーム」社長。才気あふれるやり手だけに、青田買いに余念が無い?
彩香・・10代。売り出し中のグラビアアイドル。体育会系なノリの良い性格。
ナツキ・・20歳過ぎのメイクさん。おとなしい性格で裏方に回っているが、意外に素質アリ?
坂木・・20代?彩香付きのマネージャー。格闘経験ありで頼りがいがあり、同じ体育会系で彩香とウマが合う。
カメラマン・・なんかちょっとインチキくさい風貌。名前は秋元。
その助手・・タオル鉢巻に軍手の、いかにもパシリって感じ。
編集者・・スーツ姿の若い人。名前は奥山。
鬼
(シーン1)発端
とあるリゾート地の穴場、の外れ。
周囲に木々の茂る小さい広場で、カメラマンがウロウロと動き回り、アングルを計っている。後ろに付いて回るのが助手。
脇には機材やらレフ板やらの荷物がまとめてある。そこで、編集者がメモ帳に何やら書き付けながら立っている。
カメラマンが足でゴミを払う。
カメ「おい、こういうのもちゃんとどかしとけよ!」
助手「あ、はい!さーせん!」
慌ててゴミを拾い、奥へ捨てに行く。そのついでに編集者へ近づく。
助手「さあて、と。こんなもんでどうスかね?」
編集「いーんじゃない?キレイになったじゃん!秋元せんせーい、よろしいですかあ?」
カメ「うん・・・いいだろ。」
助手「へへ、これでロケ代無しで一冊上がると。幾ら浮くんスか?へへへ・・・」
編集「いやいや、大した額じゃないって!その分がほら、先生に回るんだから!」
助手「お互い弱小じゃ、頭使いますね。」
カメ「駆け出しの子に背景なんか関係無いって。要は若さよ。それさえ出せりゃ別にビーチでなくたって・・・」
編集「ですよね!今度の子はビッグドリームの冴子さんイチオシですから、どうしたって売れますよ!」
助手「師匠もこれで有名になれば海外ロケなんてのも出来んのになあ。」
カメ「おい、無駄口いいからレフ板持って来い!」
助手「はーい!」
編集「じゃそろそろ呼びましょうか・・・」
ここで急に、足元が揺れだす。あっという間に激しい地震のように。
助手「うわっ!地震!?」
編集「あわわ、あわわ」
カメ「うわ、うわー!!」
カメラマンが何かに気付いた瞬間、画面がブラックアウトに。
タイトルテロップ「鬼退治師」
(シーン2)出番待ち
その広場から、ちょっと離れた歩道沿いのベンチ。
日陰になったこの場所で、クーラーボックスや簡易テーブルなど持ち込んでメイクさんにメイクされているのは彩香。
脇では立ったまま、マネージャーの坂木がそれとなく周囲に気を配っている。
彩香の対面で、日傘を差して立っている冴子はバッチリ日焼け対策仕様。その日傘を差しているのはシュッとした若い男。新人のケイである。
メイク「こんな感じでどうでしょう?」
冴子「うん、ナチュラルで、感じいいわ。」
彩香(鏡で確認しながら)「へー、すごーい!さすがプロね、キレイに仕上がってるう!」
冴子「あなた秋元先生付きなの?」
メイク「いえ、今回は呼ばれただけで・・・」
冴子「えー?だったら、ねえ、うちで専属にならない?」
メイク「ビッグドリームでですか?そんな、私なんてまだまだ・・・」
冴子「いやいや、裏方じゃなくて。あなたならモデルとしてもイケルわよ。腕も良くて顔もいいなら完璧じゃない。活かさない手は無いわよ?私に任せてみない?」
メイク「そんなこと・・・」
彩香「まあた社長の悪い癖!ちょっと気に入ると声かけるの、辞めた方がいいですよ。だからうち小さいのに人だけ多いんだから・・・」
冴子「あら、みんなこれから稼いでくれるんだから問題無いわよ。それよりあなた、私は本気よ。お名前は何ておっしゃるの?」
メイク「あ、私ですか?あ、あのナツキです・・・」
冴子「ナツキちゃん。分かった、その気になったらいつでも連絡ちょうだい。待ってるから。」
といって名刺を渡す。
どう答えていいか分からず、とりあえずお辞儀して受け取るナツキ。
彩香「さあて、と。メイクも終ったし、出番まだあ?」
坂木「ちょっと押してますね。何やってるんでしょう?」
冴子「あなた行って編集さんに確認してきなさい。」
坂木「分かりました。じゃちょっと外します。」
彩香「あ、行く前にドリンク頂戴。」
森の奥へ入ろうとする坂木を呼び止める。
坂木はクーラーボックスへ向かい、フタを開ける。
坂木「あー!しまった!無いわあ。」
彩香「えー!?何で!?」
坂木「忘れてた・・・お茶じゃダメだよねえ・・・」
彩香「ダメじゃーん!うそー、元気でなあい・・・そうだ、新人くん、ちょっと買ってきてよ!」
坂木「スマン、ケイ。行ってきてくれるか?」
ケイ「あ、はい、いいですけど・・・」
日傘を持っているのでどうしようか一瞬迷うケイ。冴子が傘を手に取る。
冴子「いいわ、行ってきて。」
坂木「スマン、さっきのコンビニで、うん、いつもの、多分売ってるから。レシート、後で回して、うん。じゃよろしくー。」
彩香「二人ともいってらっしゃーい!」
身振り手振りでケイに指示を出し、慌しく奥へ消える坂木。
ケイもまた、軽く手を振ると歩道を駆け出していく。
(シーン3)前兆
奥の広場へとやってきた坂木。
辺りは森閑としている。機材のところまできて、周りを見回す坂木。
坂木「奥山さーん!秋元せんせーい!どこ行ったんだよ・・・」
なおも周囲をうろつくが、誰も現れず。
クビを振りながら戻っていく坂木。
その直後、再び地面が揺れる広場。
(シーン4)異変
コンビニで無事買物を終え、袋を提げながら公園の入り口を通るケイ。
その瞬間、ケイの血が何かを伝える。(画面一揺れして鼓動音)
公園にはすでに、遁甲陣が敷かれている(迷宮化されている)。このままでは目的地に(出入り口にも)たどり着けない。
ケイ「これは・・・!」
ケイは咄嗟に両手を忍者のように組むと、呪文を唱える。
ケイ「〜〜〜〜(修験者の、登山に入る前に唱える呪文。後で入れます)」
そして足は、千鳥を踏むような足取りに変える(ウ歩。資料送ります)。
これで遁甲陣のワナからケイは抜け出している。
ケイ「なんでこんなところに?何かあった?」
入り口を抜けたところで一言つぶやくと、走り出す。
(シーン5)苦闘
ベンチに戻ると、すでに鬼が現れ坂木と対峙している。
女性陣はそれぞれに散り、逃げ出すことも集まることも出来ず遠巻きに眺めている。
坂木と鬼が遠目に組み合う。坂木が攻撃するも余裕で受け止め、跳ね飛ばす鬼。
坂木が転がっている。
近づきながら、ケイは袋を投げ捨て、胸元からお守りを取る。
中から紙を取り出すと、ようやくそこで立ち止まり、奇妙な動作をして紙に念を込め、鬼に向かってかざす。
坂木に近寄っていた鬼がそこで急に止まり、小刻みに震え出すが動かなくなる。
ケイ「坂木さん!こっちへ!皆さんも!」
坂木「お、おお!」
銘々が後ろ(鬼)を振り返りつつ、ケイの元へ。坂木も恐る恐る鬼のそばを通り抜け、一散に戻る。
冴子「ケイ!何なのこれ!」
彩香「ドッキリとか、そんなんやめてよね!」
ケイ「とにかく逃げましょう!・・・俺に付いてきてください!」
メイク「あのでも、荷物とか・・・」
ケイ「今はとにかく、ここから出ないと!」
冴子「そうしましょう、冗談じゃなさそうよ。」
坂木「この俺が・・・物凄い力だったぞ。ありゃ人間じゃねえ・・・」
彩香「どうなってんのよもう!」
ケイとしては遁甲陣に皆ハマっているので自分が先導していかないと出られないのが分かっている。
しかし皆はそれぞれ必死に駆け出し、ケイは遅れている冴子を気にして徐々に差が出ている。
(シーン6)邂逅
歩道を走る一行。坂木と彩香が先頭で、次いでナツキ。ケイがいて、冴子がヒールでチョコチョコ追いかけている。
ケイ「皆さーん!俺のそばを離れないでくださいよう!」
坂木「言ってる場合か!」
ケイ「俺と行かないと出られないんですよお・・・」
そこへ突然、ケイの前に一人の男が立ち塞がる。
シュッとした服装のケイに対し、黒づくめで異様な格好の男。
哲也「まさかお前がいるとはな、ケイ。」
ケイ「てっちゃん、やっぱり来てたんだ!遁甲陣敷いてたろ?もしかしたらと思ってたんだけど・・・」
哲也「この奥の結界が破れた知らせが入った。封印も解かれたようだ・・・」
ケイ「うん、いたよ。小者だったけど、呪縛はもう抜けただろうし・・・また来るぞきっと!」
立ち止まったケイにようやく追いつく冴子。
冴子「ケ、ケイ、ど、どなた?」
ケイ「ああいや、知り合いで・・・そうだ!社長、皆を呼んで来てください!俺と一緒じゃないと公園を出られないんです!」
冴子「出られない?どうして?」
ケイ「いや、説明してるヒマは・・・見えなくなっちゃうとすぐはぐれちゃうから・・・」
冴子「なにがなにやら・・・分かった、呼んでくればいいのね?」
しかし冴子の足は遅い。
冴子「おーい!みんなあ!戻ってえ!」
ケイ「やばいこのままじゃ・・・てっちゃん、話は後だ、俺はみんなを・・・」
通り過ぎようとするケイを、物凄い力で引っ張る哲也。
哲也「人など放っておけ!お前には他にやる仕事があるはずだ。やらねばならない仕事がな。」
ケイ「それは後でやるさ!みんなを巻き込む訳には行かないだろ!そうだ!遁甲陣を解いてくれ!そうすれば俺がいかなくても・・・」
哲也「出来るわけないだろ。多少の犠牲はこの際、仕方ないと思え。」
ケイ「見殺しにしろっての!?そういう考え方だよ、俺が嫌になってモデルやってんのは!人間ってのは助け合うもんだよ!」
哲也「我ら鬼退治師の使命は人類を鬼の手から守ることにある!一人を守って大勢を巻き込むことこそ愚の骨頂!」
ケイ「だからそこは上手いことやるんじゃないか。仲間を助けつつ、鬼も退治するって。」
哲也「そんなことは真剣に務めてから言えることだ!」
ケイ「年に一度もないような仕事は仕事って言わないんだよ!俺みたいに毎日飛び回ってだなあ・・・」
女性の悲鳴。
哲也「どうやら掛かったようだ。」
ケイ「掛かった?」
哲也「遁甲陣に改良を加えたんだ。一箇所に導かれるようになっている。鬼が誘い込まれたらしい。」
ケイ「ちょっと待ってよ!それじゃ皆も・・・」
哲也「今の悲鳴だと、そうなるな。」
ケイ「大変だ!」
慌てて走り出すケイ。
ゆっくりと追いかける哲也。
(シーン7)孤軍奮闘
先を行っていた坂木、彩香、ナツキ。
ナツキ「ちょっとストップしてくださーい!社長さんが呼んでます〜!」
その声でようやく止まる坂木、彩香。
坂木「はあ、はあ、結構走ったよな。」
彩香「出口ってこんなに遠かったっけ?」
二人は芝生に倒れこむ。ナツキ追い付く。
坂木「社長が呼んでたって?」
ナツキ「はあ、はい、確かそんな声が・・・」
後ろを振り返っても、冴子の姿は無い。
彩香「全然来ないじゃん。ケイもだし。」
坂木「まずいな、はぐれちまったか?」
ナツキ「もしかして、あれがまた・・・」
一瞬、3人顔を見合わせる。
坂木「よし、俺がちょっと戻ってみる。二人はとにかく公園を抜け出して、警察なりなんなり呼んできてくれ。」
坂木が立ち上がったところで、周りを見回したナツキが悲鳴を上げる。
ナツキ「キャーッ!」
ナツキは思わず彩香にしがみつく。
鬼が木立から現れ、こっちに気付いて向かってくる。
彩香「どうしよ、どうしよ・・・」
坂木「二人とも早く!逃げるぞ!」
彩香「でももうヘトヘトだよ・・・ちょっと、いつまでくっついてんの!」
慌てて離れたナツキと二人立ち上がるものの、足がすくんで動けない状況。
坂木が二人に背を向け、鬼の前に立ちはだかる。
坂木「ここは俺が何とかする!二人とも行け!」
彩香「何言ってんの!」
坂木「全員で逃げたら誰かが捕まる!俺が時間を稼ぐから、早く!」
ナツキ「そんな!」
坂木「俺は元プロボクサーだぜ?簡単にはやられないって!誰か見つけて、とにかく警察を!」
彩香「分かった!無理しないでよ!」
ナツキ「必ず助け呼びますから!」
二人はようやくヨロヨロと逃げ出す。(この後しかし二人は遁甲陣のため、近くをぐるっと回って戻ってくる羽目になる)
坂木「とんでもないことになっちまったな・・・夢なら覚めて欲しいよ全く・・・」
鬼はすぐ目の前に迫っている・・・しかもその奥には、さらに別の鬼の姿も・・・
(シーン8)決戦
坂木は奮戦するものの、攻撃は効き目なく、3匹に増えた鬼になぶられ、ついに倒れ伏す。
食い物にしようと、囲み出す鬼たち。
そこへやっと、哲也とケイが登場。
ケイ「ああ!坂木さん!」
哲也「お前たちの相手はこっちだ!」
鬼は新たな獲物を見つけ、早速向かってくる。
ケイ「最初は任せた!俺は坂木さんを!」
哲也「なにい!?」
ケイは鬼に向かっていき、攻撃を軽やかに交わすと坂木の元へ。
哲也「ええい、いつまでも使えない奴!」
哲也は仕込み剣を伸ばすと、3匹相手に立ち回る。
ケイ「坂木さん!・・・良かった、脈はある!」
頚動脈に触れ、生存を確認すると辺りを見回す。
ケイ「あとは、どこだ?」
哲也「おい!早くしろ!」
哲也が押しつぶされそうなところを払ったものの、囲まれている。
ケイ「はは、やれやれ、やっぱり俺がいないとダメなんだよね!」
哲也「馬鹿!誰が封じると思ってんだ!」
ケイは悠然と立ち上がると、今度は丁寧に手順を踏んで、縛の呪を唱え出す。ここでは必殺技の如く、ケイを大写しで。
ケイ「〜〜〜〜(後で入れます)」
同時に奇妙な動作をして紙に念を込めると、足を八方に踏み、一歩ずつ「臨兵闘者皆陣列在」と気合を入れる。
「前!」で紙を鬼たちに向けると、一斉に身動きが取れなくなる。
哲也はようやく、囲みを抜け出す。
哲也「さあて、仕上げだ!」
哲也は剣を前にかざすと、呪文を唱えていく。すると剣が青白い光を放ち出す。
哲也「〜〜〜〜(後で入れます)」
哲也「ハッ!!」
気合を入れ剣を一閃。晴天なのに鬼たちに雷が落ちた・・・と思うと、鬼たちの姿は消え、3体の紙人形に。
(シーン9)大団円
紙人形を拾い上げる哲也。
ケイ「あーやれやれ、久々は疲れるわ。」
哲也「日頃の精進が無いから疲れるんだ・・・と、言いたいところだが・・・。今日のところは正直助かった。まさか3体も封じられていたとは・・・」
ケイ「へへ、やっぱり、俺がいないとね。」
哲也「俺たちは一心同体、どっちもいないとダメなんだ!」
ケイ「こういうのがあると、どうしてもモデルを本業には出来ないんだよねえ。そうだ!みんなはどこに行ったんだ?」
そこへ、木陰からトボトボと歩いてくる冴子。
ケイ「社長!・・・もしかして、見てました?」
冴子「・・・坂木くんが倒れたところから、全部・・・」
ケイ「あちゃー・・・」
哲也「鬼という存在は一般人にとってはいるはずのないものですが、我々は平安時代より代々鬼退治師をやっております。政府公認ですので、どうか怖がらず。」
冴子「え!じゃあそれをウリにしてもいいってこと!?」
ケイ「え?」
哲也「はあ?」
冴子「だってスゴイじゃない!二人とも格好いいし、鬼まで退治出来ちゃうんでしょ!?これは絶対ウケるわ!あなたたち、ユニットでデビューしない?」
ケイ「いや、それは・・・」
哲也「冗談じゃない!あくまで極秘事項・・・国家機密に関係してますから守秘義務もありますよ!」
冴子「でもでも、それは抜きにしてもあなたたち息ピッタリじゃない!モデルより歌でも歌った方がイケるわよ!」
ケイ「そりゃ俺はいいですけど・・・」
哲也「断る!う、歌を人前で歌うなんて・・・断固お断りだ!」
冴子「せっかくのイケ面が勿体無いわあ。」
ケイ「結構年いってますよ。」
哲也「俺はまだ若い!」
彩香「ちょっと〜!何してんのみんなして!」
ケイ「あ!もう大丈夫!こっちこっち!」
ヨロヨロと、彩香とナツキが現れる。
彩香「出口どこなのよ!ちょー走り回ったのにどうなってんのかさっぱり分からない!あ!坂木さん!倒れてる!」
慌てて倒れている坂木の元へ向かう彩香。
ナツキはケイたちのところへ。
ナツキ「大丈夫って、あの、さっきの・・・?」
ケイ「そう、もういないから大丈夫。」
ナツキ「どうなったんですか?」
ケイ「えーと、それはね・・・」
坂木「うーん・・・あっ!彩香!どいてろ!ここは俺が!」
気が付いた途端跳ね起きて身構える坂木。
彩香「何もいないってば。」
坂木「何?ほんとだ。あれ?社長にケイもいる。」
ケイ「坂木さんがやっつけてくれたんだ。」
ナツキ「ほんとですか!すごーい!」
彩香「やったね!マネージャーちょー格好いいじゃん!」
坂木「え?そ、そうだったかなあ?」
ナツキも坂木に駆け寄り、誉めはやす。
真相を知る冴子は苦笑い。
哲也がケイに耳打ちする。
哲也「程ほどにしとけよ、どうせ明日には夢の話だ。」
ケイ「ああ、まあ・・・ね。」
そこへ、土まみれでボロボロの編集者が現れる。
編集「皆さん、こんなところにいましたか・・・」
冴子「あら奥山さんどうしたんです泥だらけで!」
編集「いや、参りましたよ。地面陥没して落ちちゃいましてね・・・いや、彩香ちゃん呼ぶ前で良かったですけど・・・」
哲也「こいつか!」
ケイ「まあまあ、こういうのがあって、俺たちの仕事がある、ってのも、事実じゃん。そこんところは大目に見ようよ。」
哲也「お前・・・鬼退治師として、やりたいのかやりたくないのか、どっちなんだ?」
ケイ「さあ?まだ分かんないよ。」
(了)