教養講座「西村しのぶ概説」 第6回

(初出:第10号 97.10.13)

番外編

 お久しぶりです。今回はこの夏の西村先生の活動情況を記しておきたいと思います。
 この夏、3ヵ月間に発表された新作を挙げてみます。「Shan」誌で「一緒に遭難したいひと」、「アクション2」誌で「RUSH」、そして「Kiss」誌で「ライン」が掲載されました。
 まず、「一緒に遭難したいひと」。キリちゃん、マキちゃんシリーズですね。西村作品には珍しく?主人公がLOVE2さを前面に押し出しております。・・・ごめんなさい、これ実はちらっとしか見てなくて・・・たしか今回はマキちゃんに新しい恋の予感 ?という話だったと思います。
 え〜〜。つづいては「RUSH」。これは大丈夫です。今回は、プラダにデッキ・シューズがナイキのフット・スケープでグッチとプラダなお話。 分かります?前回にひきつづきサイド・ストーリーのような、とりあえず恋路には何の進展もない話です。が、共通点が1つ。「昔話」の現代版・・・?
 で、最新作は「ライン〜働く女と年下男」。「Kiss」誌は初登場で、「4Pカラー」に「ビックゲスト」の文字が踊る、華々しいデビュー。これでこの作品が「連載」 だったら、言うことないんですけど。「読み切り」でした。テーマは・・・「ケータイ」ってことでしょうか。しかし、短篇で終るのは惜しい設定です。
 「ヤングアニマル」誌での「Slip」以降、ここ数年は比較的安定したペースで 作品が発表されています。大変喜ばしい事なのですが、掲載誌がいずれも消えてしまいそう・・・。少なくとも、私見で、とても失礼な話ですね。いや、しかし早いところ単行本に収録されて欲しい、某誌での「メディックス」の二の舞にならぬよう、と切に願うのであります。

 さて、次回はきちんと「美紅・舞子」に移りたいと思っています。「美紅・舞子」、 単行本は小学館ビックスピリッツコミックより全1巻(’89年初版)。現在は絶版になってしまったかもしれませんが、古本屋で見つける確率は高いようです。昨年に光風社からライムコミックスシリーズで復刊されましたが、これ、何なか見当たらないんですよね。従って、実際問題としては旧版の方が入手容易、と言ってしまいましょう。 それでは、本日はこのへんで。('97.9.27記)
 



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