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栄枯盛衰は世の常ながら、1作品でこうまで印象が変わってくるものか。遠山えまの帰ってきた「まんがタイムファミリー」誌(芳文社)が今一番面白い4コマ誌へと駆け上がる(個人の感想です)。
元々看板作品である水瀬るるう『大家さんは思春期!』(タイム、ファミリー)からもはや大御所ひらのあゆ『航海王子の優雅な船旅』(ファミリー)、読めるだけで幸せなあろひろし『いにしえや浪漫堂』(ファミリー)etc...通読する作品は多い方であるのだが、思い返せば数年前の遠山えま「ぽちゃぽちゃ水泳部」(芳文社刊)の終了以降は買ってまで読みたいとは言えなくなっていたようで、手元のバックナンバーに本誌は無い。
新作『妹のおシゴトは時給2000円』(ファミリー)は、貧乏を隠してスネかじりの同級生達との遊ぶ金欲しさに飛びついたバイトはクラスメイトの架空家族の妹役!?という、疑似家族ものの王道と言える設定。はっきり言って目新しさは皆無であるが、完成された絵とハイテンションを保ったテンポのクオリティは変わっておらず。ショート作品で4コマ誌には留まってくれていた(「きつねとパンケーキ」(ジャンボ))ものの、改めて久しぶりに読めることになった4コマ作品は格別である。いるだけでパッと華やぐ、眩しいくらいの存在感は人気作、実力作と評価の基準は様々ある中でも貴重と言える才能であろう。
本誌はかつての漫画賞入賞作を連載しているなど、新鋭からベテランまで取り揃えた真摯なラインナップが好感を抱かせていたが、どこか欠けている、足りないと思っていたピースがピタッとハマった今回の新連載である。
本作が好調な限り、本誌は再びの隆盛を見ることになるだろう。
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UP-
歴史もの4コマの勢いが収まらず、芳文社(まんがタイム各誌)では気が付けばほぼ1作、2作は歴史ものが載るようになっている。立役者たる杜康潤『孔明のヨメ。』(ホーム)はすでに単行本6巻を数え(3巻の壁については繰り返し述べている)、未だ三顧の礼に至っていないという大河ドラマとなっている。真田寿庵『のちの真田幸村である』(ホーム)も幼少期を大冒険で締めくくり、何と青年期(少年期)へと突入した。幼稚さを笑うほのぼの4コマから趣を変え、天真爛漫を描く、ドラマの主役を彷彿させる歴史4コマ作品へと進化している。
他社誌でも間々見受けられていたが、ゲーパロとニアリーな印象が強く、史実をさほど踏まえず都合よくキャラクター化(ex.美化)した配役や設定であればコメディ4コマの延長でしかなく、特定ジャンルに指定することは出来ない。時代劇専門コミックにおける4コマもその点同様で、箸休め的な部類に入る。
しかしながら好きこそ何とやらで、4コマ誌でもきちんと歴史そのものの面白さを伝えるような内容が読めるようになってきた。おーはしるい『毎日が新選組!』(ファミリー)もついに終盤を迎え、組織(そして体制)が解体していく過程を一人一人に焦点を当てて丁寧に描き続けている。また感心したのは上杉謙信が実は単なる引きこもりがちな女性だったというありがちな設定と軽んじていた柳原満月『軍神ちゃんとよばないで』(ファミリー)において、禅問答をキャラクターの特性に見事当てはめたエピソードが読めたこと。4コマ毎にオチを付けなければならぬ、旧来の4コマであれば無理であったろう壮大な一代記も、現在のエピソード積み上げ型4コマであれば可能であると、進化を実感できるのが新ジャンルたる歴史4コマである。
戦国にとどまらず、江戸期や近代を舞台にした作品もあって、そちらは今のところさほど興味無く眺めている程度ながら、いずれお薦めすることにもなろう。これらが今は単行本で一気読み出来る時代なのだ。