2年越しで真相判明。神仙寺瑛の項(第108号掲載)で、デビュー作は子供番組の話だったような..としていたのだが、昨年ようやく誤解と知った。「MOMO」誌(竹書房)12月号にその作品(『みんなごいっしょ』)でゲスト登場したのはゆずり司。絵柄共々全くの別人でした。ちなみに作者は本名ではパステル画家として活動しており、漫画家としては連載経験があるものの、近年は年数回程度ゲストで登場するのみ。本業があるからこのペースなのか..ともかくフレッシャーの域を出ずにいるので確認が遅れました。すでに半年以上前の話で今さらながら一応ご報告まで。
という、強引な入りから今回は新人括りでお送りします。
東屋めめ
通勤が面倒で会社に住む、出来るのにズボラなOLを主人公にした『すいーとるーむ?』(タイム)がデビュー作だと思ったが、つい2〜3年の話である。気が付けば線の細い美人の割にズ太い神経のキャラクターが大受け、今各誌引っ張りだこなのが作者。
パワフルな営業レディにつきまとわれる若手社長のうれしい?悲鳴が聞こえる『ご契約ください!』(ライオリ)、シスコンな姉妹の2人暮しを描いた『L16(レディー・シックスティーン)』(タイオリ)と、基本的には相方とのやり取りがメインのオーソドックスな語り口である。しかし着眼点はさすが売れっ子、『リコーダーとランドセル』(くらオリ)では青年に見える小学生の弟と、小学生にしか見えない高校生の姉が周囲に誤解されまくるという話を非日常的な規模で展開している。また最新作『まぐ・ばぐ』(MOMO、不定期連載)は妖精のような可愛い容姿なのに強烈な食欲を持つ新種の昆虫(!)が主人公。4コマの王道を踏襲しつつ、新たな広がりを見せてくれる実力は本物と言えよう。
宮成楽
こちらもデビューは2年ほど前だと思われるが、試験作はいずれも芽が出ず。昨年ようやく過去のビンボー生活が現在の金持ち学校での日常にギャップを産み、望んでいないのに目立ちまくってしまう姉弟が主人公の『晴れのちシンデレラ』(MOMO)で定期連載を掴んだ。設定の面白さは勿論ながら、本作辺りから角が取れたというか、人情エピソードが多くなりすんなり主人公たちにシンパシーを感じられるように。さらに絵柄もパタリロ口..魔夜峰央口といった方が正しいのか?大御所が自画像によく使う(・◇・)(←こういう顔ね)を多用するようになってから味が出て来た。
勢い良く芳文社にも進出。こちらも試験作は続かなかったものの新作『王様のお気に入り』(ホーム)が連続ゲスト中で連載間近か。ただし本作も極秘で亡命し日本の高校に通う姫様と護衛たちとのドタバタ学園コメディと、似たような設定での人気。飛躍出来るかは今後の内容に懸かってくると思われる。
袖山リキ
一昨年新設された芳文社の第1回新人4コマまんが大賞受賞者。受賞作がそのまま連載となり、順調にロングランとなっている。『プチタマ』(タイム)は当初主人公のお馬鹿な言動がメインのネタだったが途中から引っ込み思案ながら突飛な行動を取るキャラクターが話をかき回す役として登場し、徐々にコメディ〜ギャグ作品の範疇に。それゆえに普通の学園ものとは一線を画し、さすが第一等をつかみ取った作品と言うことが出来る。
しかし絵柄は何というか朴訥そのもの。比べる必要は無いのだが、先日竹書房の同規模タイトル、Y−1グランプリ第1回受賞作が連載になったので(伊藤黒介『ベルとふたりで』)、合わせて読むと両社の戦略の違いが鮮明に見て取れる(蛇足)。
ゴンドウケンジ
つい最近お目にかかったばかりのまさに新人といえる作者。いつもなら来年に紹介するところだがあまりの秀逸さに即紹介を決断した。ゲスト扱いだがほぼ毎月登場している『ショートショコラ』(ジャンボ)はオムニバスでそれぞれ読み切りのような一抹のエピソードだけを取り上げたテンポが物凄く良い恋愛もの。純愛も打算も全て網羅されていて、登場人物たちは漫画のように長続きはしないで次の恋へと移っていく。とはいえリアルのつまらなさが描かれているのではない。ちょっと甘くて、ちょっと切ない。そんな普通の人達の精一杯の恋愛を作者は鋭い観察眼で捉えている。一つの恋を丹念に描いていくのがストーリーものの醍醐味だが、4コマでは恋愛エッセンスだけを取り上げる、まさにこんな形の作品も可能なのである。単行本化まで描き続けられれば天晴れの一言。