注目新人?
経歴を、辿れば新人とは呼べない方もいらっしゃるのですけれど(ほぼ全員..)。4コマ作家として専門誌に載りはじめたのが比較的最近の方々をまとめました。ある意味この項が真の2005年版4コマ漫画家レビューですね。
OYSTER
名前のOには上に点が2つ付く(文字の出し方分からず、申し訳無し)。ゲーム4コマに作品があり、単行本化もされているようだ。ギャグ漫画家として第1話、校長が突然辞表を出し、辞めると思ったらカールかつらを被り「男爵校長」として再就任、という何ともナンセンスな『男爵校長』(もえよん→タンオリ)が出世作。しかしこの校長は結局主人公ではなく道化役で、女子生徒5人がメインの学園ギャグである。それぞれの特徴が最大限に引き延ばされていて(例えば一応の主人公、アリカは元気一杯の設定なので行動が突飛。あるいはボケ(ボンヤリ?)担当のドナさんは超マイペース、など)、唯一マトモなキャラクター(小夜子)を振り回す。この図式はオフィス・ギャグ『光の大社員』(タウン)でも同様で、通常の反応を見せるのは社長秘書唯一人なのである(しかしこちらはあまり出て来ないキャラ)。ギャグと言えば主人公が周りを振り回す型と、全員がそれなりに変な型が主流。作者のギャグは後者に分類されるが、時に出される常識的な応酬がいいスパイスとなっている。
神仙寺瑛
「まんがライフ」誌(竹書房)出デビュー身ということで、受賞作(準月間賞)も動物ものなのだが、個人的にはゲスト読み切りで別PNで描いていた、子供番組の少々年のいった歌のお姉さんを主人公にした作品が印象に残っている。残念ながら手元に残っておらず、作品名作者名共々忘却の彼方にあるのが悔やまれる..。直感的に同一人物と思ったのだが、別人、なのかしらん..?
さておき。鳴りもの入りで登場した『動物のおしゃべり』(ライフ)は今、最も注目を集める動物もの4コマとなっている。10才年下の妹はあらゆる動物と(昆虫とも?)会話が出来るというファンタジーな設定。ペットの犬猫とのやり取りが主で、まあペットを飼っていれば誰しもが想像するであろう擬人化コミュニケーションを題材にとった作品である。この割と普遍的な特殊能力をギャグに使ったのがみずしな孝之で、「けものとチャット」(くらオリ)は再転換を計った作者中興の人気作となっているが(蛇足)、本作はちょっと趣向を変えて幼児(及びペット)の成長譚も加味している。特に出会いのシーンは番外ですでに描かれており、それぞれグッとくる感動もので他の漫画家からも絶賛を浴びた。動物子供に外れ無しなので少々シビアな見方を記しておくと、時折人間の常識を動物にそのまま当てはめてしまったような描写が見られ、そこのところ不満である。動物の生態についてはもう少しリアリティが欲しい。単なる御都合主義のファンタジーで終わるには惜しい、可能性を秘めたデビュー作である。
長月みそか
成人向けを作者は主に描いているそうだ。4コマでは特にそれをウリにしている訳では無く、どちらかと言えば純情派の恋愛模様を綴っている。『HRほ〜むる〜む』(キャラット)は高校が舞台で四季折々の学生生活を描きつつ、両想いなのになかなか進展を見せない恋愛話をメインに据えている。今ドキと言えるのはお互い特にシャイという訳でもなく、男の子の方は街で一目見ただけのゴスロリ少女(実は同一人物)にも魅かれていて..というだけの一線。ただこの誤解は当の主人公と(余程)親しくならなければ解けない設定で、なかなか巧みな障害とはなっている。ただそれでもどんどん距離は縮まっていて、3年生への進学も明示された事からどうやら永遠の初恋とはならないようだ。実は今後、どう描き切るのかに注目している作品である。
ちなみに余談となるが本作は白黒(通常)ページの回であっても何だかカラーで描かれているような感じで見える。トーンの多用ともちょっと違うような..もし全ページカラー仕様であるなら、単行本は是非実現してもらいたい。どうせ高価いんだし..(ちょっと毒?)。
芳原のぞみ
童顔幼児体型の二十歳がナンバー1ホステス!?という『天使な小悪魔』(ジャンボ、ラブリー)は、サイドストーリーが充実している。どうやらママに乗せられて無理矢理なったらしい(最新話)、グレまくりの子役アイドルは癒したっぷりの主人公に魅かれている。化粧を落とせば地味ダサ女に変わるナンバー2は主人公の兄(これも売れっ子ホスト)への片思い(初恋)継続中?と、いう設定でピンとくるのが「これって、少女漫画では?」。予想通り作者は「りぼん」出身の少女漫画家であった。少女漫画から4コマへの流れは再三指摘しているところだが、意外と正統派の鞍替えは少ない。今までは、エッセイやコメディ的要素に定評のある少女漫画家が、4コマというジャンル向きの作品で参入するのが主流で、そのテイストをマンマ持ち込む事は無かった。少女漫画をモチーフにした作品は近年見られるようになった(ex.秦泉寺こまき、阿部川キネコ)が、元々の作り手によるものではないのである。作者を卑下するつもりではなく、本格的少女漫画が4コマで読める、その手法が作者によって確立されるものと思われる。臆せず迷わずコテコテでいって欲しい。
牛乳リンダ
作者は少女漫画の異端?ボーイズ系の出身。つまり男同士の恋愛を描いてきた訳だが、4コマでのファミリーもの『ラブラブ愛してる』(ライフ)では王道子煩悩ネタがメインとしごくマトモ。まあボーイズ系4コマというジャンルはすでにあるようなので(ex.「いとこどうし」小椋みき)、開拓者になるつもりは元々無いのだろうが..。好きな先生に「押しても駄目ならもっと押す!」とアタックする『おしえて先生!』(ジャンボ、ラブリー)は少女漫画のお約束を多用していて、ラブコメながらホロリとくる?エピソードもちりばめられている。パロディ的に活用している辺りは、元ネタというものが存在するのかどうか..。
作者自身の特徴を挙げるとすると、こういったメルヘンチックなオチと共に突き放した感じの歯切れのいい台詞もポンポン出て来る辺り。友人も辛口コメントが常道で、この辺はもしかしたら今ドキの少女漫画の王道なのかも知れない(作者のオリジナルじゃないの?)。