(注1) 現在までのところ反応をみせているのが、やはり作品を多数掲載してきた小学館系の漫画誌。「ヤングサンデー」誌13号に連載作家の追悼文が、「ビックゴールド」誌4月号にも同様の追悼文が載せられた。これらのうち、最もページ数をとったのは「ホテル」が連載中であった「ビックコミック」誌。特に5号では連載作家(コラム含)の追悼文の他、昨年創刊30周年を記念して刊行された「究極の短編集」シリーズの巻末企画「さいとうたかを・安孫子素雄(藤子不二雄A)との鼎談」(97.10.22)を再録している。尚、同誌5号に載った「ホテル」第322話が遺稿となった。同作品は、構想済みの話(9話分)を掲載して終了となる予定。(以上確認分のみ)付記3月22日に創刊された「コミックアルファ」誌(メディアファクトリー)にも追悼記事あり。
(注2) 生い立ちといっても興味があるのは氏の創作歴であろう。幸い(というのも何だが)昨年デビュー45周年に向けて「SHOTARO WORLD」というイベントが始まっている。日本全国を巡回する作品展で(4月3日〜18日江戸東京博物館等)、2000年に故郷である宮城県に戻る予定。同時に常設展示館がオープンするとも聞いている(石巻市にできるそうです)。このイベントと同時進行で(株)メディアファクトリーから作品集が刊行されている(現在第一期刊行中)。このうち資料的なものは、代表作を中心とした作品集「石ノ森萬画館」初期作を中心とした作品集「遊びをせんとや生れけむ」。
(注3) 「トキワ荘」時代をつづったエッセイは様々な人が書いている。石ノ森「章説・トキワ荘・春」(風塵社)など。まとめて読みたければ「マンガ批評大系 第4巻マンガ家は語る」(平凡社)がいい。図書館におかれているもの多し。ぜひ一読されたい。
(注4) とはいえ現在の(宮城県)出身作家をすべて挙げることは無理。という訳で、少々古いものになるが幻の個人誌「CRACKER」’96.4月号に載せた記事を再録(一部加筆)したい。
このような心理は何もスポーツ選手に限らなくてもよいのではないか。漫画にも、地域に密着した作者、作品が数多くある。という訳で今回は、宮城県に縁りのある作者、作品を紹介(応援?)していく。
かどたひろし 「ダボ」
作者は仙台在住の漫画家である(編注・現在は不明)。この作品はヤクザを題材にしているが、ノリは非常に軽く、読みやすい。作画技術も優れており、女性の描写には特筆すべきものがある。成年向けらしいストーリーながら、最終回の静かな幕切れは秀逸だった。いつ大ヒットを出してもおかしくない人だ。
単行本は少年画報社よりYKコミックス全7巻。最近の作品としては平井和正の「ウルフ・ガイシリーズ」を漫画化した「Wolf Guy」等。現在は漫画サンデーの増刊「フォアマン」誌に「チキン」を連載。
たなか 亜希夫 「ア・ホーマンス」 狩撫麻礼原作
宮城県出身の漫画家として、もうキャリアも知名度も充分にある作者。中でも名作に挙げられるのが、狩撫麻礼とのコンビで放った「ボーダー」であろう。今回はその原形であるとされるこの作品に注目したい。やや古臭い設定ながらも、作品全体から静かに語られる言葉(主人公が熱く語るのは、この作品では1シーンしかない)は、とても魅力的であり、現代に放たれた強烈なメッセージである。
単行本は双葉社よりアクションコミックス全1巻。現在は「漫画アクション」誌(双葉社)にて「クラッシュ!正宗」(小林信也原作)が終了したばかり。
大山 玲 「真夏の夜のユキオンナ」
出身地、経歴ともに未確認ながら、これほどの「ご当地マンガ」を描くということはやはり縁りがあるにちがいないので紹介する。主人公の住居は仙台市青葉区川内追廻にある(ここまでわかってしまう!)。私の家が近かったので、彼の描く風景は感涙ものである。ストーリーは、当初はエコロジカルなテーマで展開していて、杜の都にふさわしい内容であった。途中から方向が少々片寄ってしまい、一応の終了(オチつき)を見たのであるが、続編が望まれる。
単行本は講談社よりヤンマガKCスペシャル全4巻(絶版)。’94年、「ヤングマガジン海賊版」誌(講談社)に同作品の続編が発表されたが、あっさり休載。昨年終了した「アフタヌーン」誌(講談社)所収の「THE FISH BONE」、年内に単行本化の話も未だならず。今年の躍進を期待。