ドキドキ東京(損保はトク保?)編 第179回

(初出:第187号 12.12.20)


Ente Nazionale Protezione Animali.(ENPA) イタリア動物保護協会。という事で始まあり。
バーソー屋を辞めまして〜のだけれども相も変わらず生活じゃあダメだんべ!という事でして始めましたよ警備員を。
某日。面接に。指定された時間より15分も早く着いたのでプクイチしてから某会社へ。ノックして「失礼しま〜す」と入ると何やらスーツ姿の3人が面接しとりました。私はといえばスタジャン&ジーンズ・・・・。TELした時に「別にスーツじゃなくて良いからね」と気の良い感じのオジイさん声に言われたんスよ。(ウッ!!)と考えながらも促され奥のテーブルに。
名刺わたされる。『顧問』の肩書きの油ジジイ。私の履歴書を一瞥して一言「ずいぶんとまあ職を転々としてるねえ・・・・。」
(これでもかなり省いてんだけど・・・・)と内心考えながら「ええ・・・・。はあ・・・・。」とテキトー返事。
油「これだけ転々としてる理由は何?自己分析は?」
私「えーとですねえ・・・・。う〜んと・・・・。性格ですかねえ・・・・。」
と本音だが大人としては0点の答えを言ってしまう・・・・。
油「その頭は何か理由があるの?」
私、ボウズ頭ス。理由といわれれば・・・・。特にないっス。
油「外の仕事だよ。履歴書見るとさあ、今までは屋内の仕事ばっかりでしょ?今からの季節は寒いよ〜。大丈夫?」
・・・・。何いってんだろコイツ?とは思うものの「大丈夫です」と即答。
ここでスーツ組が面接終了したみたいでして町工場、又は商店街のクリーニング屋さん風のジジイとスイッチ。名刺には『社長』との事。
私の履歴書を一瞥して一言。
「パン職人だねえ。おっ焼肉屋さんでも働いてんだ!じゃあプロだなあ」
私「いえいえ!ただ転々としてるだけです」
社「いやあ、たいしたもんだ!」
私「・・・・。」
顧問と社長の間に差がありすぎるんスけど大丈夫かしら・・・・。
んでもって色々と聞かれ〜のして即採用との事。
社「何もしてねえんだったらヒマだべ?今日中に書類取ってきて」とのたまっとりました。
ヒマっちゃあヒマなんだが主夫として今日は本気のカレーを作ろうと考えてたんスよ!玉ネギ炒めないとだし、鳥ガラでダシとって〜と色々とやんなきゃいけないことも多々・・・・。つやだしマイペットもなかったし、ラップも買っとかないといけないし。
などと心中考えながら役所など行って書類などをいただいてまわる。けっきょく全ては取れずでして翌月曜日朝一にて書類取り〜の研修との事。
翌月曜日。バタバタしつつ会社にて座学。っつうか何つうか。昼メシはさんで何やら書類にサインやらハンコやらやらされて終了。次の日から現場研修との事。
次の日。バイクにて某所へ。道路補修工事現場でした。んでもっていきなり現場にて旗を持たされまして・・・・。ってこれ研修じゃなくて本番じゃん!!誰かの後ろで見学ではなく誰かが後ろで見守ってるでなくいきなりひとりで何やらをやらされる。これを一日中。
寒い。とにかく寒い!本当に寒い!!
と体ガチガチになり初日終了。
2日目は別の現場へ。前日と同じ道路補修現場だが会社が違うのね。この日もひとり立たされ色々と。
現場に立ってみてわかったのは、目を合わさない人は止まろうとしない率が高いという事。ジジイ、ババア、主婦が多いスね。
んでもって2日目終了。作業員のオッサン達に声をかけられる。
オ「今日一日で大分出来るようになったっちゃ!明日も来んだべ?」
私「ありがとうございます。けどまだまだっス。明日はわかんないっス」
一応研修中という体なので色んな現場に行かされるとの事でした。
オ「もうプロ並みになったからや!明日も来たらいいっちゃ!」
私「ええ。そればっかりは・・・・。」
オ「よし!こうしよう。お前、会社からTELきたら腹が痛いとかなんとか言ってサボレ。そして明日ここ来ればいいっちゃ!」
私「はあ。」
オ「悩むことねえべって!おめえ、こういうのが一番儲かんだぞ!全部懐に入れられっぺや!」
私「考えときます」
良い人ですね。
3日目。今まで行った事ないぐらい遠くの現場。水道管工事でしたがその場所が・・・・。はっきり言って警備員なんてひとりも必要ない場所でしたよ・・・・。片側交互通行をしてたんスが、午前10時頃から17時半頃までやって通った車が7台・・・・。
これで8000円もらって楽ととるか苦ととるか・・・・。
4日目。会社に集合して歩いて現場へ。下水管改良工事。車はコッチ側、人と自転車はコッチを通ってね〜ってやつです。
母校前だったので感慨深かったス。校舎はキレイになってるし体育館はデカくなってるし、テニスコートもあるし、何だかわかんない建物もあるし。
夕方頃、下校時間になり中学生男子女子がウジャウジャとでてきます。そんなのをボーッと見ながら働いとったんスが、どこからか犬がトコトコトコッとあらわれたんスよ。小綺麗な感じだったのでどっかから脱走してきたんでしょうね。(んっ!?脱走犬だな)などと心中考えてた私。すると・・・・。男子女子ともに大、大、大盛り上がり!!!
「わあっ!!犬だあ!!」「わああっ超カワイイ!!」「つかまえろ!!」「カワイソーだからやめなって!」「そっちいったぞお!!」「田口!田口!つかまえろって!!」「校庭行ったぞ!」「追うべ追うべ!!」「校門ふさげ!!」「やめなっ!!」
中学生男子女子達であふれかえった校門前。渋滞する車。「車通りま〜す!下がって〜!」と叫ぶ警備員4日目の男。
(ああ、中学生ってまだ子供なんだ)とあらためて知りましたよ。
5日目。雨。前日と同じ現場。超寒いでやんのね・・・・。(早く犬こねえかなあ)などと考えながら終了。

とこんな感じでやっとります。長く続るつもりはないんス。とりあえずですけど一応ガムバッてボチボチやってみますよお。

閉話次話。
今年も最後号ですな。今年は色々ありすぎましたねえ・・・・。とにかく来年は。来年こそは!とは考えてますがどうなるんだろ俺?
(fin)


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